道に倒れていた夫の祖父を助けたことをきっかけに付き合い始めた私たち夫婦。どんなことでも大きな声で笑う夫が好きで、結婚を決めました。夫の家族もよく笑う、笑顔の絶えない一家で、私も仲間に入れるといいなと思っていたのです。しかしそれは大きな勘違いだということに気づいてーー。
大きな勘違いに気づいてしまったのは、家をリノベーションすることになり、しばらくの間義実家で同居したことがきっかけでした。置いてもらう代わりに、ほとんどの家事を請け負ったのですが……。
笑顔の絶えない家庭とは…?
家族の朝ごはんとお弁当を作るために早起きした私。遅れて起きてきた義父は私の顔を指さして笑うのでした。
「朝はすんごい顔をしているね〜昼間の顔とは大違いだ! ギャハハ〜!!!」
まさかそんなことで爆笑されるとは思っても見なかった私は、呆気に取られて手に持っていたお茶をこぼしてしまいました。すると義父の笑い声を聞きつけてやってきた義母がいうのです。
「赤いシャツを着て四つん這いになると、まるで赤ベコね〜そのずんぐりした体! キャハハハハ〜!!!」
気づけば夫も私を笑っています。そう、夫や義両親の笑いは、楽しい笑いではなく人をバカにした笑いだったのです。
堪忍袋の緒が切れた!
それでもなんとか生活を続けていたものの、ついに堪忍袋の緒が切れたのは、ある日の食卓での出来事でした。
実家の母仕込みで料理には自信があった私は、得意料理の和食を作って出しました。しかし夫と義両親は、マズイマズイの大合唱! どう考えても料理オンチの義母の100倍おいしくできているはずですが、「消しゴムのカスを食べているような味」「薄い顔の女が作っただけあって味も薄い」と大笑い。まるで汚いものをつかむように箸で持ち上げる仕草をして笑い、嗚咽するまねをしては笑い、世話になっている身とはいえ、そんな無神経な義家族にストレスがたまって仕方がありませんでした。
ものすごい嫌悪感
絶えかねた私は、夫や義両親の笑いは人を傷つける笑いだからやめたほうが良いと夫に伝えました。しかし夫は、真剣に話す私の顔を見て再び大笑い。なんでも顔のシミを見ていたら日本地図に見えてきて笑いが堪えれらなかったのだと言います。
私が顔のシミを気にしているのを知っているくせに、笑うなんて許せません。