家庭内にも危険が!赤ちゃんのやけどを防ぐ対策と応急処置の基本はコレ!
病院へ行く移動中も患部を冷やし続けます。移動中は流水は使えないので濡れタオル、保冷ジェルを使います。陰部のやけど、水ぶくれを伴うやけども医療機関で診てもらいましょう。全身のやけどや顔面のやけどの場合は救急車を呼びます。
応急処置で気をつけたいことは低体温です。赤ちゃんは体を冷やすと低体温になりやすいので冷やしている間は様子を観察しましょう。全身にやけどをした場合は濡れたバスタオルで体を包み、さらにその上から乾いたタオルで包むと適度に体を保温できます。
受診後のホームケアはどうする?
医療機関で治療を受けた後はホームケアが大切です。
病院でやけどの範囲や程度に合わせてステロイド外用剤などの塗り薬や飲み薬が処方されます。薬の目的は細菌の感染を防いだりやけどの回復を早めたり、傷ついた部分をきれいにしたりすることです。ステロイド外用剤は長期間漠然と使用するとかえって治りが遅くなるなどのリスクがありますが、やけどをした直後に短期間使用する分には効果的です。家庭では、処方された薬を指示通りに使用しましょう。ステロイド外用剤など塗り薬を塗るときは、手を洗ってから薬塗ります。指定の用量で塗ります。また、医師に入浴してもいいか、軟膏を塗るときに患部を水で洗ってもいいかについて確認しておきましょう。
自宅では、しっかり経過観察をすることも大切です。
やけどは表面に出ずに、皮膚の下で進行するケースもあるからです。やけどをしたときは赤くなっていただけだったのに、翌日になって水ぶくれになることもあります。赤ちゃんは症状を口に出して訴えることができないので、やけどをした部分に変化はないか、数日間は注意深く観察してあげましょう。
まとめ
赤ちゃんがやけどをしてしまったときは、まず自分を落ち着かせます。それから患部を冷やす処置をして、その後病院で診察を受けましょう。処方されるステロイド外用剤で治療をおこないます。やけどは予防第一です。時々家の中を見渡して発達段階に応じた事故防止を工夫しましょう。
監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生
愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医