その一言が子どものプレッシャーになるかも…お絵かき好きに育てるコツ
子どもがクレヨンで絵を描けるようになると、どんな絵を描くのかワクワクします。上手に描けるか、気になってしまいますよね。でも、親の期待感がプレッシャーになって絵が嫌いになってしまうこともあります。子どもがのびのび楽しくお絵かきできるように、声かけするときのちょっとしたコツをご紹介します。
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上手に描けないと絵が嫌いになってしまう
子どもにとって好きな色を使って自由に描くお絵かきは楽しいものです。自分の想いを形にできる素敵な自己表現方法のひとつ。絵を通して内に秘めた感情を表に出せたら、成長するにつれて壁にぶつかったときも役立つかもしれません。
子どもたちは誰もが最初は絵を描くことが好きだったはず。
楽しければ、ずっと絵を描き続けるでしょう。ふとしたきっかけで「自分は絵を上手に描けない」と感じてしまうと苦手意識が芽生えて絵を描かなくなったり、絵が嫌いになることもあるようです。
自由に楽しく描くことを教えてあげて
私が教師時代のエピソードです。A君は図工の時間、なぜか絵を描こうとしませんでした。なぜ描かないのか聞くと「描けないから」というのです。けれど、休み時間になると好きなキャラクターを楽しそうに描いていました。
次の図工で「キャラクターも一緒に描いていいよ」と声をかけたら、とてもうれしそうに描きはじめました。絵の課題にキャラクターはふさわしくありませんが、メインの脇に小さく描かれたキャラクターは予想外にいいアクセントとなり、他の子どもたちからも好評でした。
これを機に、A君は図工のときも絵を描くようになりました。
あとから聞くと、A君は親から「図工でキャラクターの絵を描いてはダメ」といわれ、きちんと守っていたのです。
A君がイキイキ絵を描くようになると、他の子どもたちにも変化が現れました。「なにを描いてもいいの?」「これも描いていい?」と聞くようになったのです。
絵は自由に描いていいはずなのに、いつの間にか子どもたちは「うまく描かないといけない」とプレッシャーを感じて、「自由に描いてはいけない」と思いこんでしまうのかもしれません。