2017年5月29日 19:00|ウーマンエキサイト

「この子は良い子」「この子は悪い子」と枠に入れたママの未来は?【ママのプロになる! Vol.6】

ママのプロになる!

ママのプロになる!

子どもを産んだら、ママになる。でも自分も、まわりからも「素人なのにプロ」を求められているように感じていませんか? 「どうしたら、ママのプロになれるのか?」と考え、プロ教師歴45年の木村泰子先生から「…

「この子は良い子」「この子は悪い子」と枠に入れたママの未来は?【ママのプロになる! Vol.6】

イラスト:平松昭子


ママになると、とたんに子どもについては「プロ」であることを求められてしまいます。だったら「ママのプロになってしまえばいいのではないか?」そんな風に考えて、この連載企画がスタートしました。

「みんながつくる みんなの学校」を合言葉に社会から排除されがちな枠からハミ出てしまう子にも居場所を作り続けたプロ教師歴45年の木村 泰子先生に話をうかがいます。

お話を聞くのは、自身が親から「みんなができることがどうしてできないの?」と言われ続け、そしていま「枠からハミ出てしまう子(発達障害)」を育てるライターの楢戸ひかるです。

■発達障害という名前を変えたら、世の中が変わる?

楢戸:発達障害の日本の第一人者である、「NPO法人えじそんくらぶ」代表の高山恵子先生が、いわゆる「グレーゾーン」のことを、「パステルゾーン」と呼んでいらっしゃいます。
※「パステルゾーン」を命名したのは、沖縄の名護療育園の泉川ドクターによるもの。
※子どもの個性的な部分は、明るくカラフルだから、グレーゾーンではなく、パステルゾーンと呼びませんか? と提案されています。

木村:発達障害って名前を変えたら、世の中、きっと変わると思いますよ。
その言葉、見つけましょう。みんなで学びを深めていきませんか? 

■ママに「子どもを見る力」がないのなら

「この子は良い子」「この子は悪い子」と枠に入れたママの未来は?【ママのプロになる! Vol.6】

© hakase420 - Fotolia.com


楢戸:「子どもを見る」というのは、センシティブな作業です。ママは、日々、忙しすぎて、「自分の子どもを枠にはめてしまっているかどうか」なんてことを、いちいち考えている暇がないかもしれませんね。

木村:ママ自身に「見る力」がないなら、まずは、「余計なことを言わないでおきましょう」っていうことですね。

楢戸:もしかしたら、私たち母親が子どもに言っている大半のことが無駄なんでしょうか。先生の言葉を借りれば、「余計なこと」という気もしてきました…。


■「良い子」「悪い子」の枠はママが楽している?

「この子は良い子」「この子は悪い子」と枠に入れたママの未来は?【ママのプロになる! Vol.6】

© Nishihama - Fotolia.com


木村:ここは、すごく大切なところ。学校でも、何度も、何度も、本当に何度も話してきたの。「子どもを枠にいれて評価したらあかんで」と。

たとえば、「良い子のAちゃん」「悪い子のBちゃん」みたいに括ってないですか?って。それは、枠にいれていることになるの。

「悪い子のBちゃん」も良いことをするときある。「悪い子のBちゃん」だと思って見てしまうと、「いま、褒めてよ」というときを見逃してしまう。それは、子ども自身の人物評価、つまりは「くくり」で見てしまっているから。


楢戸:ママとしては、寄りどころがほしいんです。「この子は良い子」「この子は悪い子」みたいに決めつけてしまった方が楽なんですよ。でも、ママが楽しちゃいけないってことですね

木村:自分が楽をすることを選んだママの未来は、苦悩に満ちていると思いますよ。一瞬の楽は、未来の苦悩を呼ぶんですよ。一瞬の苦しみは、未来の幸せにつながる。自分が納得して選べばいいことだから。ママたちは、どちらを選びますか?

■21世紀を生きる力を考える

6本に渡ってお送りした「ママのプロになる~映画『みんなの学校』の木村先生がママたちに伝えたい20のこと~」も、そろそろ終わり。木村先生からたくさんのダメ出しをされて、正直落ち込みもしました。
でも、これは必要な落ち込みだと思います。

「私が受けてきた教育では、これからの時代を生き抜く力はつかないのではないか?」と、漠然と感じていました。でもそれは、「次世代に必要な教育」を見つけられないから、自分が受けてきた教育の価値基準にあわせて、子どもを育ててきたように思います。

今後も木村先生と話をしながら、「次世代に必要な教育」の姿を、記事という「カタチ」にしながら、「ママのプロ」になるために自分はどうすればいいのかを考えていきたいと思います。

■【木村先生がママたちに伝えたい20のこと】

18. ママ自身に「見る力」がないなら、まずは、ママが子どもに余計なことを言わないこと

19. 「良い子」「悪い子」で括ってしまうと、「いま、褒めてよ」っていうときを見逃してしまう。子どもを枠にいれて評価してはダメ

20. 子どもを枠に入れて、楽をしたママの未来は、苦悩に満ちている。でも一瞬の苦しみを乗り越えたママの未来は幸せにつながります。

≫「木村先生がママたちに伝えたい20のこと」についてはこちら


■今回取材にご協力いただいた木村 泰子先生の著書
「この子は良い子」「この子は悪い子」と枠に入れたママの未来は?【ママのプロになる! Vol.6】
不登校ゼロ、モンスターペアレンツゼロの小学校が育てる 21世紀を生きる力
木村 泰子,出口 汪/ 水王舎 ¥1,400(税別)

木村 泰子先生プロフィール
大阪市出身。
大阪市立大空小学校初代校長として、「みんながつくるみんなの学校」を合い言葉に、すべての子どもを多方面から見つめながら、全教職員のチーム力で「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。その取り組みを描いたドキュメンタリー映画『みんなの学校』が話題に。2015年に退職後、現在は、全国各地で講演活動を行っている。


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