連載記事:ママ管理栄養士が解決「離乳食のお悩みあるある」
不安だらけの離乳食「今さら聞けないモヤモヤ疑問」どうする?【ママ管理栄養士が解決「離乳食のお悩みあるある」 第1回】
■赤ちゃんの離乳食「悩んだ分だけ子どもを理解」
――離乳食作りって、やっと子育てのリズムがつかめてきたところで、また新たな壁が立ちふさがるというか…。正解がわからなくて「どうしたらいいの?」と、ひとりで悩んでしまっているお母さんも多いような気がしています。
上田先生:子育てって本当に悩みがつきないです。離乳食は「食べること」で実際に目で見えるから、余計に気になって悩んでしまうママも多いのかもしれませんね。
――先生にもお子さんがいらっしゃいますが、離乳食期はどんな感じだったのでしょう?
上田先生:私も子どもの離乳食期には「今日は口から出した…」「今日は機嫌がいいから食べた!」とか一喜一憂した毎日を過ごしていました。感情の変化が激しいし、そのときはしんどかったです。でも、その毎日があったから、子どもを愛せるようになったんだと今なら思うんですね。
どうやったらいいのかな、どうやったら受け入れてもらえるんだろうか…。
そんなことを離乳食が始まって考えるようになって、子どものことを理解できるようになった気がしたんですね。
もし、離乳食期にあれほど悩まなかったら、今はもっと冷たい親子関係だったかもしれません(笑)。
――悩んだからこそ、子どもとの関係が深まったということでしょうか?
上田先生:そうかもしれません。赤ちゃんは、おっぱいやミルクなら夢中で飲んでくれますよね。だから「私がいなきゃダメでしょ?」のような、上から目線だった(笑)。
でも、離乳食になったら子どものことが宇宙人くらいにわからなくなった。食べなくて暴れて、私も意地になって怒ったりして、格闘しっぱなし。
でも、このぶつかり合いがあったから、次の幼児期にうまくすべりこめたかなって思うんですね。
試行錯誤して子どもが受け入れてくれたら、一緒になって喜んだり、おいしいねって笑いあったり。どんどん関係が深まっていきました。
もし、子どもがなんでもひょいひょい食べてくれていたら、また違った親子関係だったと思います。
一人ひとりの食の個性と向き合い、理解しようと務めることは並大抵のことじゃありません。でも、上田先生のお話から「離乳食でとことん悩むことは、親子の絆を深めていることと同じ」と気づきました。そう考えると「どうしたらいいんだろう」と悩むことも、ずっと前向きにとらえられるようになりますね。
次回は、引き続き上田先生に、「バランスのとれた離乳食期の食事」はどんな栄養素を意識すればいいのか、不足しがちな栄養素はなにかについてうかがいます。
参考図書:
『マンガでわかる離乳食のお悩み解決BOOK』(主婦の友社)
監修/上田 玲子 イラスト/あらい ぴろよ 1,296円(税込)
子育て中に遭遇する離乳食の「どうしたらいいの?」にわかりやすくマンガで答える一冊。
乳幼児栄養についての第一人者である上田玲子先生が監修し、ゆるかわ、ポップ系を得意とするイラストレーター・あらい ぴろよさんのイラストでママたちの素朴な疑問を解決してくれます。マニュアル通りにはいかない離乳食のリアルなモヤモヤ、不安にもあたたかく寄り添う、悩めるママの離乳食解決本。