子どもに「スルーする力」は必要? 挫折を乗り越えるために親ができること
■スルースキルで起こる弊害もある
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一方で、子どもがスルースキルを使うことに対して、難色を示す意見がありました。そのなかには、「スルースキルは必要」と答えた方もいます。
現代の社会において、「スルーすること」はたしかに大切だと思います。さまざまな価値観、考え方があるなか、相手のことを尊重できない人たちからの攻撃は、スルーが一番のような気がします。
しかし、こちらが嫌な思いをしていることが相手には一向にわかってもらえないといった、「スルーすることでつきまとう弊害」があることも事実だと思います。しつこく絡んでくる人(子どもも)が、いますから。
子どものうちは、「嫌なことは嫌!」と言える術を身につけるべきではないかと思います。相手もまだ子ども。
悪気がなく友だちを傷つけます。スルーしてしまうと、
「自分の言動が他者を傷つけた」ということを気がつかないままとなるのでは。そしてスルーし続けた子どもは、
我慢ばかりの人生になりそうです。ときには自己主張を!
スルーばかりしていると人の意見を取り入れない人間になってしまうのではないか、「悔しい!」と思う気持ちがなくなってしまうのではないか、そんな懸念も寄せられました。
またスルーされた人は、自分の行動を見直すチャンスがなくなってしまうことも。こういった心配ごとが、スルースキルを“完全に支持”できない理由になっているようです。
■「スルーする、しない」を判断する力も必要
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では、スルースキルはどんなときに使い、どんなときに使わないほうがいいのか。そんな“条件付き”でスルースキルを必要と答えたコメントをご紹介します。
●相手によって決める
自分に関係のないその他大勢の意見はスルーしてもいいと思うけど、身近で大切な人の意見はちゃんと向き合っていかないといけないと思う。そこをはき違えている人も多い気がする。大切な人とはぶつかり合ってもスルーしてはいけないと思う。
●自分で変えられること、変えられないことで判断する
「自分では変えようとしても変えられないこと(生まれた環境とか肉体的なこととか)」はスルーできる力がある方がいいと思います。「努力して変えられること」はスルーでなく、自分の力に変えられるといいな。それを決めるのも本人がきちんと考えられるといいな、と思います。
●指摘された内容、事柄で判断する
何でもスルーすればいいとは思いません。自分のなかで
「スルーすべきか、聞き入れるべきかを判断する力」をつける必要があると思います。
実際、一緒に働いていた方ですべてスルーする癖がついていて、仕事場でも人の意見が聞けないという人がいました。ある程度スルーするスキルは必要ですが、そこをうまく選別できる能力が必要だと思います。