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サッカーの技術・戦術面に加えて、オフ・ザ・ピッチの成長にもつながると評判のサカイクキャンプ。2024年夏は関東と関西で開催されます。そこで今回は、サカイクキャンプのメインコーチを務める菊池健太コーチと、チームビルデイングでおなじみ、福富信也さんに「挑戦・レジリエンス~折れない、しなやかな心を育むのに、サッカーが良い理由」をテーマに話を伺いました。子どもたちの指導に長く関わるお二人は、昨今のサッカー指導や保護者の関わりについて、どう感じているのでしょうか?今回の記事では「しなやかな心を育むのに、サッカーが適している理由」について、お届けします。(取材・構成鈴木智之)写真は過去のサカイクキャンプ<<前編:失敗を恐れ「挑戦」をしない子どもたち、子どもたちのチャレンジ精神を育むために大人ができることサカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!>>■サッカーは競技特性上ミスがつきもの&自分でコントロールできない要素が多い菊池:子どもたちにもよく話すのですが、サッカーはミスが多いスポーツです。競技の特性上、至る所でミスが発生します。だからこそ、チャレンジし続けることが大切で、一つ一つのミスやうまくいかなかったことに一喜一憂せず、やり続けることが大事なんだよと伝えています。福富:サッカーにはミスがつきもので、自分でコントロールできないことも多いですよね。そもそも相手がプレーを妨害してくるスポーツなので、思い通りにいきません。仲間にも意思があるので、パスを出した場所に走ってくれるとは限りません。つまり、自分でコントロールできない、不確実要素が圧倒的に多いのです。菊池:そうですね。だからこそ、うまくいかないことやできないことを周りの人がサポートしたり、皆が同じ目標に向かってプレーすることが大切なわけです。「この子には、こうしてあげよう」とか「あの子はこういうことが得意だから」など、他人のことを思いやる心が芽生えるのも、サッカーがしなやかな心を育むために、適している部分だと思います。■プレー中はチャレンジを繰り返さなければならないので、一つのことで落ち込んでいられない福富:自分自身に目を向けられるようになることが、しなやかさの一部分なのかもしれません。とはいえ、誰しも思い当たると思いますが、コントロールできないことに対して、あたかも自分はコントロールできるかのように、イライラしてしまうことがありますよね。菊池:はい。福富:コントロール可能なのは自分のことだけなのに「なぜあの選手はそこに走らないんだ」「なんで自分にパスを出してくれないんだ」とイライラしてしまう。それは、しなやかな心とはかけ離れています。菊池:自分自身に目を向けることは、とても大切なことですよね。子どもたちには、3日間のサカイクキャンプで、どのように変わっていきたいかを考えてみようという話をしています。サッカーという競技自体がミスの多いスポーツなので、その点においては耐性がつきやすく、心のあり方に目を向けやすいのかなと思います。福富:サッカーはチームスポーツなので、他人との関わりを通じて、自分自身が変わることができます。「あの選手はあそこに走るのが嫌なのかな」「じゃあ、こっちにパスしてみようかな」など、一つのことにこだわらず、違うアプローチを考えてみる。自分でコントロールできることだけに目を向けていくと、イライラせずに、しなやかな心を持つことができるのではないでしょうか。菊池:サッカーはチャレンジを繰り返さなければならないので、一つのことで落ち込んではいられませんよね。気持ちを切り替えることも大事ですし、プレーが止まることなく続くので、一喜一憂せずにプレーすることが大切なのだと、子どもたちに話しています。■相手ではなく自分に矢印を向けることで「何をすべきか」が明確になる福富:大事なのは「自分でコントロールできるのは、自分の考え方や自分のプレーだけ」と、気づいているかどうかです。あまりうまくいっていない人は、コントロールできないこと、例えば風が強いとか、強い相手に勝てるわけがないとか、この先発メンバーでは無理だとか、外的環境に言及していることが多いと感じます。そこで私は「他にできることを探そう」「自分でできる、別の方法を探そう」というアドバイスをしています。菊池:それは素敵ですね。相手どうこうではなく、自分に矢印を向けることで、何をすべきかが明確になります。その結果、子どもたちが無邪気にサッカーを楽しんだり、キャンプに参加して自信をつけて、生きるためのしなやかさにつながってくれたら嬉しいです。■結果ではなくプロセスを評価することが大事福富:サカイクキャンプの「ジャッジしすぎない」という方針も大事だと思います。シュートを決めた時だけ「ナイスシュート」と言うと、「決めないとナイスじゃないんだ」と思ってしまいます。それよりも「動き出しがよかったね」と言ってあげたほうがいいと思います。結果ではなく、プロセスを評価することが大切です。菊池:チャレンジしたことに目を向けてあげたいと、常に思っています。チャレンジすること自体が、大切な過程だからです。うまくいかなくても、そのプロセスを認めてあげて、次はどうしたらシュートが入るかを一緒に考えるほうが、選手のモチベーションは上がりますよね。■キャンプで劇的に変わるわけではない、子どもの「楽しみ方」が変わるタイミングを見守って福富:私の息子がサカイクキャンプに参加しましたが、帰ってきて「何が身についた?」など、野暮なことは聞かないようにしていました(笑)。2泊3日のキャンプで結果を聞くのは、KPI(重要業績評価指標)の世界になってしまうと思うからです。3年後くらいに、理由はよくわからないけれど、この子は変わったな、もしかしたらサカイクキャンプも役に立ったのかな、くらいの感覚でいいのではないでしょうか。菊池:おっしゃるとおりだと思います。子どもは大人が思っている以上に、敏感に感じ取ります。「ここはチャレンジしても大丈夫な場所なんだ」と感じてもらうことで、自然とチャレンジが増え、できることも増えていきます。保護者の方には、少し離れた位置から、子どもの可能性を信じて見守っていただけたらなと思います。福富:すぐに身についたものは、すぐになくなってしまいます。たとえば会社で研修を受けてレポートを提出し、「研修を受けたのだから、明日から変わりなさい」と言われても、無理な話でしょう。高額な研修を受けたからといって、すぐに変われるわけではありません。親ができることは、愛情を持って、子どもを見守り続けること。それが、子どものやる気を高めることであり、しなやかな心を育むために、大切なことではないでしょうか。菊池:最初は子ども同士でボールを蹴って遊ぶ楽しさから、相手との駆け引きができるようになったり、やりたかったことができるようになったりと、楽しみ方が変わるタイミングがあります。そのタイミングまで、保護者の方には我慢してほしいと思います。多くの子どもは、家で親に管理されているので、サカイクキャンプが、羽を伸ばせる場所であったら嬉しいです。福富信也(ふくとみしんや)信州大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。横浜F・マリノスコーチを経て、2011年に東京電機大学理工学部に教員として着任(サッカー部監督兼務)。日本サッカー協会公認指導者S級ライセンスで講師を務め、Jリーグのトップチームや年代別日本代表など、幅広い対象へのチームビルディング指導を行う。2024年からFC東京のアドバイザーに就任。最新著書『サッカーがもっと楽しくなる40のヒント ~なぜカメはウサギに勝てたのか~』菊池健太(きくちけんた)サカイクキャンプヘッドコーチ。約20年にわたり未就学児から小学生まで指導。私生活では4児の父。4人ともサッカーをしており、サッカー選手を育てる保護者でもある。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!>>
2024年05月15日サッカーの技術・戦術面に加えて、オフ・ザ・ピッチの成長にもつながると評判のサカイクキャンプ。2024年夏は関東と関西で開催されます。そこで今回は、サカイクキャンプのメインコーチを務める菊池健太コーチと、チームビルデイングでおなじみ、福富信也さんに「挑戦・レジリエンス~折れない、しなやかな心を育むのに、サッカーが良い理由」をテーマに話を伺いました。子どもたちの指導に長く関わるお二人は、昨今のサッカー指導や保護者の関わりについて、どう感じているのでしょうか?(取材・構成鈴木智之)写真は過去のサカイクキャンプ<<関連記事:「小学生年代で身につけておいて欲しいライフスキルとは?」内野智章×菊池健太対談サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!>>■失敗を恐れるあまり挑戦をしない子どもたち菊池:最近の子どもたちを指導していて感じるのは、失敗を恐れるあまり、難しいことや新しいことにチャレンジしなくなっているのではないか? ということです。「うまくいかないかもしれない」という不安から「できない」「難しい」と尻込みしてしまう傾向にあるのかなと感じています。福富:私は大学の教員をしていますが、似たようなことを感じます。効率を求めて、極力、無駄なことをしたくないと考えている世代なのかもしれません。例えば、「これは就活に役立ちますか?」などと尋ねてくる学生もいます(笑)菊池:そうなんですね。福富:でも私は、もっと無駄なことをたくさんした方がいいと思っています。タイパやコスパという言葉に代表されるように、今の子たちは時間もお金も経験も、無駄を省きたがります。そのような考えを持っていると、失敗はただの無駄になってしまうんです。でも、失敗は無駄ではなく、最短距離で成功に辿り着くことが、良いこととは限りません。失敗も成功も、その過程で経験することが大切なのだと思います。■子どもの可能性を引き出すには、親から離れて信頼できる大人に預けることが有効菊池:昔は「とりあえずやってみよう」という子が多かったのですが、今は慎重になり、失敗を避けようとする子が目立ちます。サカイクキャンプに参加してくれるのは、どちらかというと積極的に前に出るタイプではない子が多いこともあり、「サッカーを通じて挑戦すること」や「失敗から学ぶこと」を経験してほしいと考え、子どもたちと接しています。福富:私の息子もサカイクキャンプに参加したことがありますが、子どもが親から離れて行動することは、非常に重要な意味があると思います。親がそばにいると、親は手助けしたくなり、子どもは親に頼りたくなってしまうんですよね。でも、子どもの限界を引き出すのは、親ではなく、信頼できる第三者である可能性が高いんです。菊池:なるほど。福富:私の母校の大学では、幼稚園児を対象に3泊4日のキャンプを実施していました。親は同行せず、大学の先生と学生が子どもたちの面倒を見るのですが、その3日目に登山があるんです。幼稚園児が終日かけて、自分の荷物を背負い、2000m弱の山を登り切るんです。菊池:それはすごいですね。福富:親がいたら、絶対にできないことです。子どもは親の前では「疲れた」「抱っこして」「リュック持って」などと甘えてしまうからです。でも、親がいなくて、同年代の仲間と一緒にいると甘えない。子どもの可能性を引き出すためには、親から離れて、信頼できる大人に預けることが有効だと感じました。■信頼できる大人がいると安心してチャレンジできる菊池:すごく勉強になるエピソードです。サカイクキャンプは、以前は3、4年生が多かったのですが、コロナの影響でお泊り保育ができなくなったこともあり、1、2年生の参加も増えてきました。サカイクキャンプが、初めての宿泊体験になる子も多いです。福富:うちの子もそうでした。菊池:キャンプに参加するだけでも、子どもたちにとっては大きなチャレンジですよね。ましてや小学生のうちから、初めての場所で、初めてのメンバーと共同生活を送るのは、本当に大変なこと。それを成し遂げられるのは、とても幸せで立派なことなんだと、参加者全員に伝えるようにしています。大人でもなかなかできない経験なので、自信を持っていいんだよと後押ししてあげるんです。福富:キャンプには、菊池コーチのように信頼できる大人がいるので、子どもたちは安心して挑戦できるのだと思います。親にできることは、どんなことがあっても常に子どもの味方でいること、そばにいてチャレンジを応援し続けること。つまり、先回りして手を出すことではなく、愛情をもって見守ることなのだと思います。■他の子と比べることで劣等感が生まれる子ども自身の可能性を信じて菊池:私も子育てをしているので、つい先回りしてしまいたくなる気持ちもわかります。そうすれば楽だし、安全だし、時間も節約できる。でも、子どもの可能性を信じることが大切なのだと実感します。実際、子育てを通じても、保護者の方々と話していても、親が思っているよりも、子どもはずっと多くのことができるものなんです。福富:そう思います。菊池:「うちの子はこれが苦手で......」と言う親御さんもいらっしゃいますが、いざキャンプに参加してみると、全然そんなことはなかったり、自分のことは自分でできたりする。謙遜して言っているのかもしれませんが、実際はそんなことないんだと、フィードバックするようにしています。福富:他人と比較することで、自分を卑下してしまうのかもしれません。例えば、トレセンに選ばれた子がいると、「あいつの方が上なのか」などと考えてしまう。強い者には弱く、弱い者には強いという社会の縮図のようなものですね。人との比較の中で劣等感が生まれたり、「こいつにはマウント取っても平気だ」といった考えが生じたりする。菊池:キャンプでも、サッカーが上手い子は、生活面でも強いという傾向があります。福富:私は、序列を作ったり、自分より強い者には弱く、弱い者には強いという二面性を持つことは、とてもかっこ悪いことだと思っています。子どもたちにも、そういうのはかっこ悪いんだということを理解してほしい。大切なのは、他者との比較ではなく、自分自身のチャレンジをすることなんです。菊池:そのとおりですね。他人と比較することには意味がありません。福富:ウサギとカメの話のように、カメはウサギというライバルの存在を気にせず、自分のペースで目標に向かってコツコツと歩み続けたら、結果的に勝利を収めました。一方、ウサギはカメに勝つことだけを考え、勝てると思ったところで気を抜いて休憩してしまいました。菊池:実は、親御さんの方が、他人と比べているのかもしれませんね。子どもの問題というよりも、親自身がどう変われるか、どのように子どもにチャレンジする機会を与えられるか。自分の子どもに焦点を当てることの大切さは、我々指導者が訴えていかなければならない部分でもあると感じています。■キャンプで「できた」とういう達成感やチャレンジした充足感を味わうと、自信がついた顔つきに変わる福富:親元を離れて参加する子どもたちは、キャンプという非日常の環境で、普段教わっているコーチとは違う人からアドバイスを受けることで、今までとは違う価値観に気づいたり、刺激を得たりと、成長するきっかけになるのは間違いないですよね。菊池:はい。初日は不安そうだったり、どうしようという表情をしている子も、最終日には少し自信がついた顔つきに変わります。そのために、私たちスタッフはあまり「こうしなさい」とは言わないようにしています。福富:すごく、いいことだと思います。菊池:「自分のことは自分でやろうね」と伝え、手をかけずに、目をかけるスタンスを大切にしています。その中で「ひとりでできた」という達成感を味わえたり、チャレンジすることで充実感を感じられる。そういった経験は、非日常の環境だからこそ得られる、貴重なものだと思います。<後編に続く>福富信也(ふくとみしんや)信州大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。横浜F・マリノスコーチを経て、2011年に東京電機大学理工学部に教員として着任(サッカー部監督兼務)。日本サッカー協会公認指導者S級ライセンスで講師を務め、Jリーグのトップチームや年代別日本代表など、幅広い対象へのチームビルディング指導を行う。2024年からFC東京のアドバイザーに就任。最新著書『サッカーがもっと楽しくなる40のヒント ~なぜカメはウサギに勝てたのか~』菊池健太(きくちけんた)サカイクキャンプヘッドコーチ。約20年にわたり未就学児から小学生まで指導。私生活では4児の父。4人ともサッカーをしており、サッカー選手を育てる保護者でもある。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!>>
2024年05月14日MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社(取締役社長 グループCEO:原 典之)は、新CM「さあ、いい方の未来へ(グリーンレジリエンス篇)」の放送を開始しました。本CMでは、気候変動によって災害が激甚化する中、自然の多面的な機能を引き出すことで実現する新たな防災・減災のあり方を提案し、幾世代も安心して住み続けられるまちづくり・暮らしづくりをめざす当社グループの企業姿勢を表現しています。MS&ADインシュアランス グループは、自然の恵みを防災・減災に活用し、地方創生、経済振興にも活用する「グリーンレジリエンス」をサポートしていきます。1. CMコンセプト・内容昨今、災害が激甚化・頻発化し、自然資本・生物多様性の毀損が深刻な社会問題となっている中、自然を活用して防災・減災や脱炭素、地方創生等に役立てる取組みが国内外で注目され始め、自然環境の保全・再生への重要性が高まっています。本CMでは、自然の多面的な機能を引き出すことで実現する新たな防災・減災のあり方を提案し、幾世代も安心して住み続けられるまちづくり・暮らしづくりをめざす当社グループの企業姿勢を表現しています。自然とともに生きてきた日本古来の暮らしから学び、未来の知恵へと生かしていく。緑豊かな日本の原風景を通して、自然の持つ偉大な力とその可能性を伝えています。「さあ、いい方の未来へ(グリーンレジリエンス篇)」01「さあ、いい方の未来へ(グリーンレジリエンス篇)」02「さあ、いい方の未来へ(グリーンレジリエンス篇)」03「さあ、いい方の未来へ(グリーンレジリエンス篇)」04「さあ、いい方の未来へ(グリーンレジリエンス篇)」05「さあ、いい方の未来へ(グリーンレジリエンス篇)」062. 放送スケジュール12月7日(水)から『フューチャーランナーズ~17の未来~』(フジテレビ・関西テレビで放映)において、ご視聴いただけます。また、本CM映像は、当社のオフィシャルWebサイトおよびYouTubeチャンネルでも公開します。▽オフィシャルWebサイト オフィシャルWebサイト 二次元バーコード▽YouTube YouTube 二次元バーコード3. 当社グループにおけるグリーンレジリエンスの取組み当社グループは、「MS&ADグリーンアースプロジェクト」と総称し、4つのテーマで環境取組を推進し、中期経営計画におけるサステナビリティの重点課題である「地球環境との共生(Planetary Health)」、「安心・安全な社会(Resilience)」に対する理解を深め、地域社会と一体となり課題解決に貢献しています。そのテーマの一つにある「自然環境の保全・再生による防災・減災と地方創生」では、自然の多面的な機能を活かして地域活動団体と連携し、全国3カ所で社員とその家族等による環境保全・再生活動等を通じて、地域の社会課題の解決に努めています。球磨川流域の相良(さがら)村「瀬戸堤自然生態園」では、11月から、生物多様性の保全や雨水の貯留機能の向上など、自然を活用した防災・減災や地方創生に貢献するため、湿地再生に取り組んでいます。<球磨川流域での活動の様子>球磨川流域での活動の様子01球磨川流域での活動の様子02【MS&ADグリーンアースプロジェクトの4つのテーマ】○自然環境の保全・再生による防災・減災と地方創生〔日本国内の湿地、里山、藻場の保全/インドネシア・北海道の植林/ラムサール条約登録湿地の保全〕○ペーパーレスによる環境負荷低減○電力やガソリン利用の抑制による環境負荷低減○廃棄物削減による持続可能な資源の利用【MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社について】MS&ADホールディングスは、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損害保険の損害保険会社2社を中核として、国内外で損害保険事業、生命保険事業などを営む、保険・金融グループの持株会社です。「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支える」ことを経営理念として、「レジリエントでサステナブルな社会を支える企業グループ」を目指しています。また、リスクソリューションのプラットフォーマーとして、すべてのステークホルダーの皆さまと、社会課題を解決することで、社会と共に成長し、企業価値の向上を図っています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月09日株式会社ポジティビティ(所在地:広島県広島市、代表:松岡 タカノリ)は、親子で本物の自己肯定感と心の回復力(レジリエンス)を育む『子どもと育つ!コーチング式子育てのガッコウ』1dayオンライン基礎講座の12月度の参加受付を開始しました。講座内容は株式会社ポジティビティが作成した「3つのよいことノート」を活用して、レジリエンスと本物の自己肯定感を親子で育む具体的な手法を学べるオンラインの基礎講座です。また12月度・1月度の講座参加者には特典として、レジリエンストレーニングを実施した経験が詰まった「3つのよいことノート」シリーズのうち「MaSCEA」1冊(1,320円)をプレゼントいたします。レジリエンス講習■サービス提供背景<自己肯定感の低い国・日本>日本の若者の大きな社会問題のひとつとして、「不登校・自殺問題」が挙げられます。「不登校・自殺問題」が絶えない要因として「自己肯定感」の低さが考えられるでしょう。そこにコロナ禍の影響も大きく影響し、この2年間でより不登校児童が増加傾向にあります。これらの課題解決に必要なのはレジリエンスを含めた「非認知能力の向上」こそが青少年の自殺の多さやいじめ、さらには会社でのハラスメントなどの社会問題を解決する最適な方法と考えています。<大人のレジリエンスと自己肯定感の低さ>代表・松岡がレジリエンストレーナーとして独立して気づいたのが、本来、子どもたちの自己肯定感やレジリエンスなどの非認知能力を高める立場にあるお母さんや、学校の先生の「本物の自己肯定感」がとても低いということです。これではいくら子どもたちが自分で自己肯定感を高めようとしても、周囲の大人が障害になってしまうため、子どもたちだけではなく親子で一緒に「本物の自己肯定感」を高める必要があると考えています。親子の本物の自己肯定感を高めるために「3つのよいことノート」という交換ノートを作成し、そのノートを活用した具体的なコミュニケーション方法を教える『子どもと育つ!コーチング式子育てのガッコウ』1dayオンライン基礎講座を開始することにいたしました。■「3つのよいことノート」特徴(1) 3つのよいこと(three good things)を行う効果3つのよいこと(three good things)は、ポジティブ心理学の介入法の1つで、ポジティブ心理学の創始者の一人、ペンシルバニア大学心理学教授のマーティン・セリグマン博士が開発し、論文で効果を実証しています。3つのよいことを6か月間続けると、長期にわたって幸福度が向上し、抑うつ傾向が抑えられる結果が示されています。(2) 他の介入法の効果も取り入れたノート「3つのよいこと」の他に、「感謝日記」や「感謝の手紙」などの介入法の効果も取り入れています。「感謝日記」とは、1日を振り返り、感謝の気持ちを感じた出来事を日記に書き、「感謝の手紙」は、感謝を表したい人に向けて感謝の手紙を書くワークです。いずれも「3つのよいことノート」と比べると長期間にわたる効果は小さいのですが、幸福度が向上し、抑うつ傾向が下がる効果が実証されています。(3) 心理学的にレジリエンスも強化する効果がある「3つのよいこと」を開発したマーティン・セリグマン博士は、レジリエンスの研究でも有名で、博士が開発したレジリエンストレーニングプログラムは、米国海軍兵学校や有名企業の人材教育に導入されています。その重要なプログラムは、認知行動療法の理論を応用したネガティブ感情のコントロール法です。「3つのよいことノート」は、ネガティブ感情のコントロール法を取り入れ、1日の嫌だったことなど、ネガティブな感情になったことを書いてもらい、親や周囲のサポーターがコメントを返すようにしています。そうすることで、ネガティブ感情のコントロールができ、レジリエンスが高まるようになります。■『子どもと育つ!コーチング式子育てのガッコウ』1dayオンライン基礎講座 概要開催日: <2022年12月分>12/16(金)、12/17(土)、12/18(日)、12/23(金)、12/25(日)、12/26(月)<2023年1月分>1/14(土)、1/15(日)、1/28(土)、1/29(日)時間 : 1~1.5時間(詳細・お申し込みはリンク先LPをご覧ください。) 受講料: 3,000円特典 : 「3つのよいことノート MaSCEA」1冊※開催前に自宅に郵送受講者: お母さん(またはお父さん)催形式: オンライン開催日: 毎月4~5回開催(予定)■講師プロフィール松岡 タカノリ(まつおか・たかのり)・株式会社ポジティビティ代表取締役・認定エグゼクティブレジリエンストレーナー・認定ポジティブ心理学コーチ・経営学修士(MBA)累計販売部数1,000万部超の文部科学省検定教科書を手がけた元敏腕編集者。自身の社会人経験を踏まえ、レジリエンストレーナー&コーチとして独立起業し、企業向けレジリエンストレーナーとして活動中。延べ100社1万人のビジネスパーソンへレジリエンストレーニングを実施した実績をもつ。■会社概要商号 : 株式会社ポジティビティ代表者: 松岡 タカノリ所在地: 〒733-0025 広島県広島市西区小河内町2丁目1番30-4-1004URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月30日マインドフルネスプロジェクトは、プログラム参加者のアンケート結果から、レジリエンスとダイエットに対するマインドフルネスの有効性について報告します。調査報告◇レジリエンス■プログラム名称:レジリエンス・トレーニング「FLEX」レジリエンス・トレーニング「FLEX」は、変化に適応する力を高めるプログラムです。コロナ禍で多くの方が様々な変化に直面しています。予期せぬ事態、ストレスのかかる状況、逆境や困難、変化や危機は避けては通れません。レジリエンスは、まさに今、求められる心のスキルの1つです。■日程:2022年4月16日、23日、30日、5月20日(各回3時間)■アンケート結果レジリエンス 12項目調査睡眠以外の11項目が、受講前に比べて改善しました。変化率の大きかったものは、コンパッション(+0.75)、ストレスマネジメント(+0.75)、集中力(+0.63)となっております。どれもレジリエンスには欠かせない心のスキルです。コンパッションは、レジリエンスの源となる人とのつながりを作り出します。ストレスマネジメントが上手になると、変化への適応力を高まります。集中力が高まることで、コントロールできることに取り組むことができるようになります。ストレスの捉え方と自己効力感結果的に、ストレスの捉え方が変わりました。ストレスに対して無力だと感じていた人はいなくなり、ストレスに対して有力だと感じる人が増えました。ストレスに対しての自己効力感の高まりを示しており、変化や困難な状況に見舞われても、自分は対応することができると認識できるようになったということでしょう。また、ストレスが自分の人生にとって有害だと思う人はいなくなり、有益だと思う人が増えました。ストレスは健康を害し、自分にとって悪いものと捉えられがちですが、実はストレスには良いストレスと悪いストレスがあります。ストレスそのものを適切に理解することができれば、ストレスは自分にとって意味があることだと理解することができるようになり、ストレスはむしろ自分にとって有益であると考えられるように至ったのでしょう。これらの結果は、前述アンケートのストレスマネジメントが改善した結果(+0.75)と付合しています。レジリエンスの高まりレジリエンスが高まったかどうかについては、7名中6名が「高まった」と回答しています。この要因として考えられるのが、前述の12項目の改善により、物事の捉え方が変化したこと(7名中6名が「変化した」と回答)、自分についての理解が深まったこと(7名中6名が「深まった」と回答)が挙げられます。物事の捉え方が変わることで、自分の行動の選択肢が増えます。自分についての理解が深まることで、自分の感情や思考、自分にとっての大切な価値観に気づくことができるようになります。■考察今回のアンケート結果から、マインドフルネスがレジリエンスに有効であることが確認できました。特にボディスキャンは有効だと考えられます。FLEXにおいても、ボディスキャンは最も多く実践の機会を作っています。身体知を高めることで、自分のストレスの状況や感情の動きにより微細に気づくことが可能となります。ここに認知的なアプローチを加え、体のメッセージをいかに読み解くか、感情とどのように向き合うかについての視点を増やしていくことができるようになっていきます。結果的に、アンケート結果に見られるようにストレスに対する捉え方が変わり、ストレスを味方につけられるような解釈が生まれていきます。また、コンパッションを育むことで、レジリエンスの源となるつながりが生まれ、孤立感が和らぎ、逆境に向き合う体制を整えることができるようになっていきます。つながりが生まれれば、ネガティブな状況においても恐怖感が鎮まり、行動する勇気が湧いてきて、将来に希望を持つことができるようになっていきます。マインドフルネスの実践は、神経可塑性を通じて、脳の機能と構造を変化させることが広く知られています。今回のアンケート結果は、そのことを裏付けていると考えられます。参加者の脳に変化が生じ、レジリエンス回路が生まれていると言えるでしょう。レジリエンスに関する調査報告の詳細: ◇ダイエット■プログラム名称:マインドフル・ダイエット「MB-EAT」MB-EATは、マインドフルネスを活用した食行動問題の長期的解決を目指すプログラムです。満足感や満腹感、味覚といった身体からのサインにマインドフルに耳を傾けることを学びます。意志の力や自己コントロールに頼るのではなく、種々の感情や身体からのサインに対する気づきを高め、同時に食べ物のカロリー量や栄養素についての客観的情報を活かすという、まさにバランスの取れた選択=知恵を獲得しようとする方法です。■日程(8週間+フォローアップ:各回2時間半)第1回(2021年):6月11日、18日、25日、7月2日、9日、16日、23日、30日、9月3日第2回(2022年):1月7日、14日、21日、28日、2月4日、11日、18日、25日、4月1日■アンケート結果体調変化プログラム参加前に比べて、体調は変化したかという質問に対しては、「とても良くなった」4名、「良くなった」6名、「変わらなかった」3名となっています。体重変化体重は、「3キロ以上減った」3名、「3キロ未満減った」7名、「変わらなかった」1名、「3キロ未満増えた」1名となりました。MB-EATは単なるダイエット・プログラムではなく、健康的にライフスタイルを整えていき、結果的に体重が減少する内容となっていることを裏付ける結果となりました。課題に対して参加者の課題に対して、大変参考になった8名、参考になった5名、と課題解決への糸口になった結果となっております。内なる知恵と外なる知恵、マインドフルネスの実践と体系的に網羅的に学びを深めることによって、それぞれの課題に対して、適切なアプローチができた結果と考えられます。■考察「マインドフルネスが、なぜダイエットに効果があるのか」よく質問されます。MB-EATでは、2つの答えを用意しています。1つは、満腹感や満足感、胃の膨らみ具合など自分の体の状態にマインドフルに気づくこと、もう1つは、1食を丁寧にマインドフルに食べることで本当に必要な量に気づくことです。この2つのことを体と心で体感するために、様々な瞑想の実践をプログラム内で学びます。また、どのような食事が健康的であり、自分にふさわしい栄養バランスなのかを栄養学の側面から知識を学び、その知識をいかに実践に活かすことができるのかを学んでいきます。今回のアンケート結果から、参加者の方がご自身の体に向き合うことで、体の状態に気づくことができるようになったり、自分が本来食べる分量に気づくことができるようになったり、食べることそのものに対する考え方に変化が現れたりしたのは、まさに上記のアプローチを参加者が学習した結果と言えるでしょう。MB-EATでは、ストイックな食事制限をしたり、極端な偏りのある食事をすすめるようなことはありません。各人の生物学的個体差があることを前提に、それぞれにふさわしい食事の分量やバランスを8週間のプログラムを通じて、自分自身で学び取っていきます。シェアリングは、その経験を参加者全員で共有し、自分との共通点や相違点を見出す機会となり、学びをより一層深めていくことにつながったと考えられます。MB-EATは単なるダイエット・プログラムではなく、健康的にライフスタイルを整えていき、結果的に体重が減少する内容となっていることを裏付ける結果となりました。MB-EATは、リバウンド率が低いことで知られています。今回のプログラム参加者の変化が、継続しているかどうかを定点観測していく必要があるでしょう。そのために、MB-EAT参加者は、3ヶ月おきのフォローアッププログラムに参加することができます。フォローアッププログラムに関する追跡調査については、別途報告したく考えております。ダイエットに関する調査報告の詳細: 【会社概要】名称 :マインドフルネスプロジェクト代表者 :伊藤 穣所在地 :神奈川県秦野市メール : info@mindfulness-project.jp 設立 :2018年2月6日取引銀行:横浜銀行事業内容:(1)人材開発及び組織開発研修プログラムの提供(2)健康経営、人材開発及び組織開発のコンサルティング(3)経営者向けエグゼクティ・コーチング(4)マインドフルネスとEIの研究調査 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月29日マインドフルネスプロジェクトは、レジリエンス・トレーニング「FLEX」をオリジナルプログラムとしてリリースします。詳細URL: レジリエンス・トレーニング「FLEX」FLEXは、変化に適応する力を高めるプログラムです。コロナ禍で多くの方が様々な変化に直面しています。予期せぬ事態、ストレスのかかる状況、逆境や困難、変化や危機は避けては通れません。レジリエンスは、まさに今、求められる心のスキルの一つです。レジリエンスが弱いとネガティブな思考や感情が心を覆ってしまい、判断力や行動力が低下し思うようなパフォーマンスを発揮することが難しくなったり自分らしくない行動をしてしまうことがあります。レジリエンスを高めることで、変化に抵抗することなく、変化を受け入れ、柔軟に適応する力が身につきます。どのような状況でも安定的なパフォーマンスを発揮して、賢い行動を選択することができるようになります。■レジリエンスとはレジリエンスとは、困難な状況に向き合い、そこから回復し、効果的に対処する能力です。筋肉が運動をすることで鍛えられていくように、レジリエンスは、適切なトレーニングをすることで後天的に誰でも高めることができます。■レジリエンスを高めるためにレジリエンスを高めるためには、感情に抵抗するのではなく感情を受け入れ、思考を柔軟にして物事の捉え方は一つではないことを学び、視点と選択肢を増やすことが大切です。そのアプローチとして、マインドフルネスやエモーショナル・インテリジェンスが有効です。■FLEX概要☆目的☆感情と思考の反応やパターン、心理的なプロセスを知り、変化への適応力を高める☆効果☆・困難な状況や変化に直面した時に、前向きに対処していく適応力が身に付く・ストレスに対する捉え方を改め、ストレスに対処することができるようになる☆内容☆FLEXは、マインドフルネスの実践をベースに、心理学、生物学、神経科学の最新研究に基づき、プログラム構成されています。参加者自らが様々な気づきを得られるようデザインされた、実践体感型プログラムです。自らの心と体を使って実践する豊富なワークや演習が用意されています。1/3が理論編、2/3が実践編で構成されています。理論編:心理学、生物学、神経科学の最新研究に基づき、感情と思考のパターンや反応について学びます。実践編:マインドフルネスの実践や豊富なワーク、演習を通じて、レジリエンスを高めます。参加者同士のシェアリングは、困難な状況の捉え方や取り組み方法には個人差があることを認識する最良の機会となります。FLEXカリキュラム(※)上記カリキュラムは進行状況に合わせて変更することがあります。☆特徴☆困難な状況に直面すると、ネガティブな感情や思考が現れ、視野狭窄や思い込みの中で行動を選択してしまいがちです。FLEXでは、マインドフルネスを活用し、感情との関係性を見直し、自己受容力を高めます。認知プロセスにアプローチし、現実をありのままに見る力と現実的な楽観性を育みます。☆日時☆各回9時~12時:4月16日、23日、30日、5月28日(土曜日)☆定員☆8名(最小催行人数4名)☆金額(税込)☆標準価格 50,000円 → パイロット版価格 標準 25,000円 → 早割価格 20,000円《申込締切 3月31日(木)》※標準価格 5万円相当の予定です。今回はパイロット版価格でご提供いたします。☆こんな方にオススメ☆・変化への適応力を身につけたい方・困難な状況を乗り越えられるようになりたい方・様々な状況でリーダーシップを発揮したい方・孤立感を和らげたい方☆申込☆ 【主催】マインドフルネスプロジェクト( )「心でつながる社会」というビジョンを掲げ、科学的に有効性が確認されているマインドフルネスやエモーショナル・インテリジェンス(EI)を活用し、リーダーシップ、エンゲージメント、心理的安全性、レジリエンス、ストレスマネジメントなどのテーマで研修プログラムを提供している。組織開発、人材開発のコンサルテーションや会議のファシリテーション、経営者向けコーチを請け負う。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月15日BSIグループジャパン株式会社(所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい、代表取締役社長:漆原 将樹)が最新の年次報告書「BSI組織レジリエンス指標年次レポート2021年版」を分析した結果、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりもたらされたビジネス課題が、ビジネスリーダーに従業員の信頼を高める機会を与え、その結果、組織のレジリエンス(抵抗力・復元力)が高まったことが、明らかになりました。ビジネス改善企業で標準化機関であるBSIグループは、長期にわたる本レポートの作成にあたり、世界各国の500人のシニアリーダーを対象に調査を行いました。Prioritizing People Model(C)2021年版の指標では、世界各地でリーダーシップチームのパフォーマンスが向上したと認識されており、有能なリーダーは同僚に対して共感を示し、新型コロナウイルス感染拡大前よりも厳密な整合性を重視していないと見られています。今回の調査では、自分の組織は十分にレジリエンスがあると感じているビジネスリーダーが33%と、2019年の28%から上昇しました。また、新型コロナウイルス・パンデミックの期間中、文化、コミュニティ、連携などの人的要因に係るパフォーマンスが向上しました。本レポートでは、新型コロナウイルス感染拡大収束後にレジリエンスを再構築するためには、従業員のウェルビーイング(幸福度)の向上に重点を置くことが重要であると結論づけています。ビジネスリーダーのうち47%が、ウェルビーイングの向上が不可欠であると考えており、リモートワークによるメリットに期待する39%を大きく上回っています。また、将来を見据えた果敢な経営判断に対する評価から、従業員から得られたリーダーシップへの信頼が、ハイブリッド/リモートワークへの移行で従業員が同僚から孤立してしまうことで、損なわれる可能性があると警告しています。本レポートの結果は、新しいベストプラクティスのアプローチであるBSIのPrioritizing People Model(C)の発表に活用されました。このモデルは、個人の自己実現であるウェルビーイング(幸福度)と組織レジリエンスを高めるための適切な条件となる、信頼の文化を創造するためのベストプラクティスがどのようなものであるかを示しています。このモデルは、組織が人材を優先するための道のりをサポートする規格への道しるべとなっています。その中には、職場における精神的健康管理と改善に関する実践的なガイダンスを提供する世界初の国際規格である、ISO 45003「労働安全衛生マネジメントー職場での精神的健康管理に関する実践的なガイダンス」が含まれています。レジリエンスの高い組織のリーダーは、従業員を大切にするため迅速に対応し、従業員の長期的な心身の健康を視野に入れて行動していると考えられます。■BSIの健康・安全・ウェルビーイング(幸福度)部門グローバルヘッドKate Fieldのコメント「今回の新型コロナウイルス感染拡大下では、ビジネスリーダーは従業員に対し有事のリーダーシップを発揮しましたが、今こそ、長期的なレジリエンスのために、この信頼を定着させる機会をつかむべきです。成功したリーダーは、上下関係を排除し、従業員に直接働きかけて信頼の文化を浸透させ、断固とした行動をとることで、組織全体に明確な連帯感をもたらしました。」「安定化から再構築への移行に伴い、リーダーが従業員との関係を失う危険性があります。リモートワークでは、マネージャーの自宅を直接見ることができ、子供やペット、自分の好みのインテリアを持つ個人として理解することができます。フルタイムで職場に戻る、またはハイブリッドモデルを採用するリーダーは、ロックダウン中に実現した意思決定の可視化や従業員のエンゲージメントを維持するために、リーダーシップスタイルを適応させることを検討すべきです。」BSIのPrioritizing People Model(C)は、マズローの欲求段階説1から「欲求」のフレームワークを採用したもので、組織が、ウェルフェアや心身の健康と安全、多様性と包摂性、キャリア開発、イノベーションなどの側面を取り入れた人間中心のアプローチを示すことができるだけでなく、組織レジリエンスの向上を頂点とする組織の成果を示すフレームワークとなっています。BSIのベストプラクティスモデルを採用することで、従業員やその他のステークホルダー、シェアホルダーに対して、持続可能な健康・安全・ウェルビーイング(幸福度)が組織の最優先事項であることを示すことができます。さらに、これらの分野でベストプラクティスを採用することは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを示す効果的な方法でもあります。BSIのPrioritizing People(人を優先すること)のホワイトペーパーは以下のサイトでご覧いただけます: ■BSI(英国規格協会)とBSIグループジャパン株式会社BSI(British Standards Institution:英国規格協会)は、1901年の設立以来、世界初の国家規格協会として、また、ISOの設立メンバーとして活動する規格策定のプロフェッショナルです。現在、193カ国で84,000組織以上のお客様の活動に貢献しています。BSIが開発した多くのBS規格(英国国家規格)は、ISO 9001(品質マネジメントシステム)、ISO 14001(環境マネジメントシステム)、ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)などISO規格の原案として採用されており、その実績は世界随一を誇ります。BSIグループジャパンは、1999年に設立されたBSIの日本法人です。マネジメントシステム・医療機器の認証サービスとトレーニングコースの提供をメインとし、規格開発のサポートを含め規格に関する幅広いサービスを提供しています。マネジメントシステムの認証サービスに関しては、国内に約60社ある認証機関の中で、最も多くの規格の認証サービスを提供している認証機関の一つであり、数多くの規格の認証件数において国内No.1の実績を誇る、業界をリードする認証機関です。参照URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月12日障害がある人の就労スキルを評価!ーー『発達障害の人の就労アセスメントツール』発達障害がある人は、仕事自体はできても、いわゆる「常識」と呼ばれるような生活ルールを守ったり、あるいは良好な対人関係を築くことが難しかったりすることがあり、そのせいで就労に支障をきたす場合があります。本書のベースとなっている「就労アセスメントツール」(BWAP2)は、元々は知的障害がある人の就労課題を評価するもので、仕事のハードスキルだけではなく、ソフトスキルが把握でき、障害の程度や課題、支援ニーズを明確に見出せるツールです。障害者職業総合センター研究員を経て、多くの障害者就労問題・課題に関わってきた梅永雄二先生が手がけた本書、『発達障害の人の就労アセスメントツール』は、誰でもできる簡易なアセスメントで、職場や作業所など多様な現場で活用でき、個々の能力・特性にあった支援を行う手助けとなる1冊です。支援に携わる人など、アセスメントについて関心がある方にぜひおすすめしたい一冊です。困難に直面しても立ち直る力を育む!ーー『「たすけて!」は生きぬくための合言葉 レジリエンスが育つ たすけ合い体感ゲーム』レジリエンスとは、困難に直面して落ち込んでも立ち直る心の力のことです。そんなレジリエンスについて着目した本書。著者は、小学校の教師として多くの子どもたちと関わりながら、「子どものレジリエンス研究会」の代表も務める上島博さん。上島さんは、変化が激しい今の時代の子どもにとって、失敗してもそれを糧として成長していく、しなやかでへこたれない心の力は必要不可欠だと語ります。本書は『たすけ合い体感ゲーム』といったゲームを通じて、レジリエンスについて学べる仕組みが整えられています。ゲームをしていくうちに、「たすけて!」と声に出すのは決してはずかしいことではないことや、困っている人をたすけられたら自分も幸せな気持ちになれること、が自然とインプットされていきます。子どもの生きやすさ、成長を考えるうえで非常に参考になる一冊です。睡眠についての最新研究をご紹介ーー「発達障害当事者の睡眠困難と発達支援の研究」近年、子どもや若者の生活リズムの乱れや心身の不調が大きな問題となっています。その背景としてあげられるのが、睡眠時間の短縮や夜型化です。現代のこども・若者の睡眠困難に着目する中で、発達障害当事者の多くが何らかの睡眠困難を有していることがわかっています。本書は、そんな発達障害当事者が有する睡眠困難の実態や支援ニーズを解明し、発達支援の課題を明らかにすることを目的として執筆されました。本書は国内外の論文から、最新の睡眠困難についての研究動向を紹介すると同時に、学齢期や成人期など年代ごとに起こりうる睡眠困難について研究を深め、支援方法を検討しています。子どもの睡眠困難に悩む保護者の方や、支援に携わる方に読んでいただきたい一冊です。
2021年03月06日逆境に強く、ポジティブ思考の人になるためのキーワードがあります。それが「レジリエンス」。 “心の筋肉” とも言われ、鍛えれば人生がパワーアップするそうです。また、レジリエンスは、近年注目されている「やり抜く力(GRIT)」を構成する4つの要素、根性(GUTS)・回復力(RESILIENCE)・自発性(INITIATIVE)・執念(TENANCY)の1つでもあります。レジリエンスを鍛えることで、やり抜く力もアップするはず。今回は、親子で身につけたい能力であるこのレジリエンスについて、詳しく見ていきましょう。レジリエンスとは「折れない心」であり「回復力」いま話題のレジリエンスとは、「折れない心」であり、逆境から立ち直る「回復力」のこと。一般社団法人 日本ポジティブ心理学協会では、次のように説明されています。レジリエンスとは、心理学においては、「逆境やトラウマ、惨事、脅威、さらには重大なストレス源に直面したときにうまく適応するプロセス」であり、総じて「困難な経験から『再起する』こと」と定義されます(アメリカ心理学会の定義より)。(引用元:一般社団法人 日本ポジティブ心理学協会|JPPA認定 第3期レジリエンス・トレーニング・コースのご案内)※太字は編集部が施したストレスマネジメントの専門家である小関俊佑氏(桜美林大学准教授)は、「レジリエンスとは、ストレスに負けずに自分がやりたいことをやるためにあるもの」と言います。人生にストレスはつきものです。ストレスを上手にかわすためにも、レジリエンスを育みたいところ。レジリエンス育成はできるだけ早い時期がいいとされています。なぜならば、いろいろな経験の積み重ねこそがレジリエンス育成につながるから。では、レジリエンスとは具体的にどういう力なのか。次に見ていきましょう。レジリエンスが高い子と低い子の違い臨床心理士で医学博士の小玉正博氏は、レジリエンスには次の7つの要素が含まれていると言います。気持ちや感情をコントロールする力変化する状況に順応できる柔軟性「自分は大切な人間だ」という感覚人に助けを求められる力楽観的であることネガティブな気持ちを引きずらない力 「成績が悪かった」「友だちとケンカした」など、子どもにとって困難なことが起こり、落ち込んだり挫折したりしたとき、これらの要素をもつ子(レジリエンスが高い子)ともたない子(レジリエンスが低い子)では次のような反応の違いが出てきます。【レジリエンスが高い子】・・・楽観的、人に頼ることができる「なんとかなる」「この状況は長くは続かない」「いままでのようにきっと大丈夫」「お父さんかお母さんに相談してみよう」【レジリエンスが低い子】・・・悲観的、自分の殻に閉じこもる、ひとりで耐える「どうしたらいいのかわからない」「きっともうダメだ」「もうどうでもいい」「恥ずかしいから、誰にも話したくない」「怒られるかもしれないから、親には話せない」「自分でなんとかしなきゃ」このような反応の違いには、ふたつのポイントがあります。まずひとつめは、子どもに自己肯定感があるかどうか。自己肯定感とは、自分のよい面だけでなく欠点も含めて「私は私」と認められる感覚のこと。自己肯定感を高める活動をしている日本セルフエスティーム普及協会は、「自己肯定感を高めることでレジリエンスも高くなる」と説明しています。レジリエンスの土台は自己肯定感なので、レジリエンスを高めたいのであれば、まずは自己肯定感を高めるべきなのだそう。そして、ふたつめのポイントは、周りにSOSを出せるかどうか。これにはまず周りとの信頼関係が必要です。普段から親や友だちとの人間関係において、人との関わり方を学び、人から助けられる経験をすることがとても大切になります。問題を抱えてひとりではどうしようもなくなったとき、助けを求められるかどうかは、そのようなコミュニケーション体験の有無によるのです。これらをふまえたうえで、レジリエンスを育むコツをご紹介します。親子でやってみよう!レジリエンスを育む方法“折れない心” には、「自己肯定感」と「信頼関係」が必要だということがわかりました。次はいよいよ、レジリエンスを育むための方法をご紹介します。「自己肯定感を上げてレジリエンスを鍛えるトレーニング」と、「親子で信頼関係を築き、レジリエンスを強化する方法」です。ぜひ今日から親子一緒に実践してみてくださいね。方法1:劣等感に負けない、自己肯定感を育むトレーニング法政大学文学部心理学科教授の渡辺弥生氏は、「人がネガティブな感情をもつのはあたりまえで、むしろ必要」と言います。なぜならば、嫉妬や劣等感がモチベーションになり、よりよい自分であろうとするための成長ステップになるから。しかし、その過程でネガティブ感情に負けてしまっては意味がありません。そうならないために、渡辺教授が提唱する「レジリエンスを鍛える4つのトレーニング」で “心の筋肉” を鍛えてみてください。「I am」マッスル私は〇〇(自分を肯定する言葉)例:私は優しい「I can」マッスル私は〇〇ができる(自分ができること)例:私は泳げる「I like」マッスル私は〇〇が好き(自分が好きだと思うこと)例:私はサッカーが好き「I have」マッスル私には〇〇がいる、私は〇〇をもっている(自分が大事にしている人や宝物)例:私には頼りになるお父さんがいる、私は電車のおもちゃをもっているこのトレーニングは、子どもがもつ「いいところ」「いいもの」を「見える化」し、自分自身の劣等感に打ち勝つことを目的としています。子どもは、ポジティブな気持ちで眠りにつくことができるでしょう。そして、毎日続けることで自己肯定感もアップします。方法2:親子の絆を深め、レジリエンスを強化する方法子育てコーチング専門家でNPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子氏は、「レジリエンスがもともと低い子はいない」と言います。親との関係や、周りの人との関わりによって、子どものレジリエンスの高低は変化するのだそう。東京学芸大学名誉教授で臨床心理学者の深谷和子氏も、子どものレジリエンス育成の重要な鍵となるのは、親や家族との信頼関係だと指摘しています。家庭を「居心地のよい場所・心の拠り所」にすることで、子どもは外の世界で嫌なことがあったとしても、安全基地であるお父さん・お母さんのもとで充電し、気持ちを回復させることができるのです。それでは、深谷氏をはじめとした専門家の意見を取り入れた、親子コミュニケーションのポイントをお伝えしましょう。【親子の会話】子どもとの信頼関係を深めるのは、なんといっても “毎日の会話” です。しかし、親だけが一方的に話してしまうのはNG。もし子どもが失敗してしまったときでも、「だから〇〇しなさいって言ったのに」なんて言わず、「悲しいね」とネガティブな感情を受け止めてあげましょう。子どもの話をじっと聞き、どんなネガティブな感情を受け止めることで、親子の信頼関係のベースが築かれます。実際に、この方法で不登校が解消した例も報告されているようですよ。もしテストで思ったような点数がとれなくて子どもが落ち込んでいるときなどは、「勉強頑張っていたよね!」と努力の過程をほめてください。すると、ストレスを感じていたとしても、再度、挑戦する力が湧いてくるものなのです。また、親自身の「失敗談」や「立ち直りストーリー」を話すのも◎。「完璧な人はいない」というメッセージは子どもを安心させます。【子どものお手伝い】親を助ける、親の役に立つお手伝い経験は、子どもを無力感から開放し、「自分は家族のなかで大切な存在だ」と再確認できる機会です。洗濯物をたたむ、冷蔵庫からドレッシングを出す、買い物をお願いする、旅行の計画を立てるなど、簡単なお手伝いから少し難しいお手伝いまで、とりあえずどんなことでもお願いしてみませんか?「できた!」という達成感から自己肯定感も育まれますし、「失敗しちゃった……」という場面でも「頑張ってお水を運んでくれたよね。ありがとう!」と、親ができたことを認めてあげることで、子どもは、心を回復させる力を手に入れることができますよ。レジリエンスを学べる本そして家庭外では、ゲームなどのバーチャルではない、リアルな遊びを通して、できるだけ多くのお友だちと遊ばせましょう。また、スポーツに励むこともレジリエンス強化に効果があると、深谷氏は推奨しています。どうやら、レジリエンスを鍛えるには、まだまだたくさんの方法があるようです。おすすめの書籍をいくつかご紹介しますので、ぜひ読んでみてくださいね。『親子で育てる折れない心 レジリエンスを鍛える20のレッスン』うまくいかなくてもへこたれずに頑張ることができる、失敗しても立ち直れる――そんな「レジリエンス・キッズ」を育てる技術を紹介した1冊。どんなタイプの子どもにも有効なトレーニングばかりです。毎日3分、親子で取り組んでみませんか?『子どもの「逆境に負けない心」を育てる本』「挫折しやすい子」「キレやすい子」「すぐあきらめる子」が変わる!レジリエンス教育の第一人者による実践ワークブックです。日本の学校でも効果が実証済みの教育プログラムをイラストとともに説明しています。『イラスト版 子どものレジリエンス』著者は、子どものレジリエンス研究会代表の上島博氏。「気持ちを言葉にしよう」や「ストレスをパワーに変える」など、落ち込んでいる気持ちを回復させる方法がたくさん書かれています。子どもと一緒に読みたい1冊。『ヘコんでも折れない レジリエンス思考』健康心理学が専門の医学博士・小玉正博氏が「レジリエンス」について詳しく解説。また、ストレスから心を回復させるための思考法も事例とともに紹介しています。鋼のような強い心ではなく、復元力に富む「しなやかな心」をつくりましょう。***変化の激しい時代を力強く生き抜くために、「レジリエンス」はこれまで以上に必要不可欠な能力と言えるでしょう。レジリエンスを育むためには、子どもに大きな影響をもたらす大人(親)のレジリエンスを高めることも重要です。親子一緒にレジリエンスを鍛えていきましょう。(参考)一般社団法人 日本ポジティブ心理学協会|JPPA認定 第3期レジリエンス・トレーニング・コースのご案内SHINGA FARM|子どもの「心理的レジリエンス」を高める3つのコツとは?AllAbout|子どものレジリエンスを鍛える10のコツ!逆境を跳ね返す力とはベネッセ教育情報サイト|乳幼児から育む、折れない心【前編】困難に負けない、レジリエンスとはベネッセ教育情報サイト|乳幼児から育む、折れない心【後編】レジリエンスを伸ばす保護者の働きかけとは朝日新聞 EduA|逆境に負けない心、「レジリエンス」を育てるには他人に助けを求める能力も身につけて一般法人日本セルフエスティーム普及協会|レジリエンス(折れない心)は自己肯定感でつくる日経DUAL|レジリエンス、しなやかさ、負けないメンタル…「心が強い子」の育て方|レジリエンスを育むにはこの気質を理解することから個別指導塾スタンダード|どんな困難にもくじけない!我が子のレジリエンスを鍛えるには?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|劣等感を自尊心に!寝る前に親子で実践、「レジリエンス」の簡単トレーニング法STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの「レジリエンス」を高めるのは、親子の会話。結果ではなく“挑戦”を褒める!
2021年01月20日わが子の特徴(人と違う部分)をみて、小学校でからからかわれてしまうのではないかな…とか、子どもならではの容赦ない発言で傷ついたりしないかな…とか、ちょっとしたことでも心配になりますよね。私の小学生時代を思い出すと…私は身長が低かったので、チビと言われることは日常茶飯事でした。もちろん言い方によりますけど、からかわれるレベルであれば、気に病んだことはなかったのです。大人になっても背は小さいままですが、人付き合いにおいてデメリットを感じることはありませんでした。その代わりに、届かなくて不便だな~とか、悪いことしたらすぐ特定されるな~とかはありますけど(笑)なぜ私はポジティブだったのかではなぜこうもチビ(背が低かったこと)を肯定的にとらえられたのか、考えてみました。もちろん私の生まれ持った性格によることも大きいのですが、幼いころの母親の関わりにも一因があったと思っています。母に甘えたい年ごろに、歳の近い妹が2人もいたので、私が母と関われるのはお手伝いしてる時が多かったです。「まだ無理なのでは…?」と思うようなことも頼まれて、それをやり遂げると母はとても嬉しそう。褒められたり、役に立ったということも嬉しいのですが、それ以上に、母が私を見て嬉しそうにしていることが何より嬉しかったなと思います。そんな積み重ねで、身長が低いなんてことはたいしたことではなく、身体が小さくてもなんでもできるよ~ってことが自信になっていったように思います。母になり改めて思うこと時は流れ…私も4人の母になりました。末っ子だけは頭囲が大きめで私の体で自然に経腟分娩はできませんでした。(→出産体験記は こちら )そんな経緯があったので、なんとなく頭の大きさが気になっていました。年の離れた末っ子なので、もう頭が大きめなのもひたすら可愛いとしか思えなかったのですが(笑)、そこもママの大好きなところなんだよ~っ、もうそのまま全部可愛い・大好きって伝えてきました。そして、こんなやりとりが…頭が大きいって言われてもなにも気にしてない末っ子。幼稚園で言われたこともありますが同じく「脳みそいっぱい入ってるんだ~!」と答えているようです(笑)失礼なことや、悪意をぶつけてくる子がいなければいいけれど、そうはいかないのが人生。自分をそのまま受け入れるには成長して思春期になると周りからどう見られるかなどが気になりだし、今まで平気だったことが気になってくることもあるでしょう。お化粧したり、ダイエットしたり、努力で変えられることもありますが、努力ではどうにもならないところで「あぁ~自分のココ嫌だな」と思うこともあるかもしれません。でも、自分で自分に否定的な視線を向け続けないためにも、幼いころ親が肯定的に見てくれていた、家族が好きって思ってくれていたということは、色濃く残ってくれると思います。(例外もあると思いますが…)まず社会生活スタートの家族のなかで、受け入れられてる、愛されていることが本人に伝わっていたら、自分をそのまま受け入れることができ、多少のことではグラつかない「折れない心」を持った人生の雨風に強い子になる、そんな気がしています。
2019年11月25日落ち込んでも立ち直る力があれば、生きていくのは楽になるはず! そんな心のありようをレジリエンスといいます。前回までの記事で「レジリエンスを育てるためには、『できたこと』に焦点をあてて褒めることが大切」ということを学びました。けれども、そもそも褒めることが苦手な場合はどうしたらいいですか? 引き続き東京学芸大学教授の藤野博先生にお話しを伺ってきました。 「『どうせムリ…』あきらめがちな子どもが陥っている悪循環とは」 「つまずきやすい子のやる気の引き出し方」 の続きです。■「褒める」が苦手なママ。それでも必要なワケ褒めるのが苦手問題、ママの「ある・ある」ですね。「子どもを褒めるのが苦手というお母さんは多いものです。『できたこと』や『子どもの長所』をいちいち言葉にするのは野暮ったく感じるかもしれませんが、あえて話すようにしてください。一つひとつの言葉が子どもの自己認識を変え、その子の力となっていきます」(藤野先生)ものすごくザックリいえば、レジリエンスとは、「自分を適正に励ませる力」なのではないか? と、筆者は感じました。「適正に」というのも、ポイントです。この「適正に」を考えるときのキーワードは、「仮想的有能感」です。■間違った褒め方では、間違った自信がつく仮想的有能感とは、いわば自信のバブル化現象のこと。自尊感情とは対極にある感情で、他者を批判的に批評したり軽視したりすることで生まれる偽物の有能感です。「子どもを褒めるのは基本的には良いことですが、他の子と比較して褒めることは避けましょう。そのような褒め方では、本来の自信ではなく、仮想的有能感が育ってしまいます」(藤野先生) 子どもを褒めるときは、その子自身をしっかり見て、「できたこと」に焦点をあてる。誰かと比較しない。子どもの何を、どのように褒めるか? これは、時間をかけてじっくり考えてみたい大切な事柄だと筆者は感じました。「レジリエンスを育てるためのステップ」で、「1、人を頼って成功する」「2、家庭内で役割をもつ」までの説明が終了しましたので、レジリエンスを育てる最後のステップ、「気持ちを切り替える」について考えてみます。【気持ちを切り替える】「人に相談してうまくいく」「役割を果たす」という経験をするなかでも、うまくいかないこともある。そんなとき、「気持ちを切り替える」というふうに考えてみる<レジリエンスを育てる3つのステップ> ■「イライラしてる」をキャッチできただけでOK! 「『どうせムリ…』あきらめがちな子どもが陥っている悪循環とは」 で、レジリエンスの構成要素に感情調整があると書きました。 「感情は、やっぱりきちんとコントロールをしないといけないんだ」と思うと、何だかハードルが高いです…。できなかったら、「やっぱり、だから私はダメなんだと」という気持ちにもなりがちです。どうしたら良いのでしょうか?「落ち込んだとき、イライラしたとき、まずはイライラした気持ちに気がついただけで充分です」(藤野先生) 「感情調整をしなきゃ!」ではなく、「イライラした気持ちに気がついただけでOK」と思うと、気が楽です。「あ! イライラしているな」ということをキャッチできたら、ひとまず手をとめる、その場を離れるる…。そんなあたりから始めてみるのが良いのではないでしょうか。 ■「ママがちゃんとしなければ」という肩の力を抜くことまた、気晴らしに、気の合う誰かと他愛のないおしゃべりをすることも、とても有効だそうです。「最近のレジリエンスの研究では、個人の資質やスキルも大切ですが、『サポート・ネットワーク』があることも重要だとされています。つまり人に頼れて安心できるネットワークのなかで、人の心は癒えていくのです」(藤野先生)気の合う人との他愛のないおしゃべりは、とても大切なこと! レジリエンスを育てるためには、「私がちゃんとしないと!」と肩に力をいれるのではなく、むしろ、その逆なんです。■レジリエンスを育てるにはママの余裕が大切なワケ「じつは、子どものレジリエンスを育てるためには、ママの気持ちの余裕がとても大切なんです。なぜなら大前提として家庭が『心のエネルギーを補給できる場』でないと、子どものレジリエンスは育ちませんからね。急がば回れではありませんが、何より大切なのが、親が楽に生きることなんです」(藤野先生)そして親が楽になる五か条「らりるれろ」を教えてくださいました。●親が楽になる五か条。「ら」楽に生きようあれこれ気にしすぎず、親がまず楽になる。親が悩んで、子どもに口うるさくしない「り」 理解しよう子どもを理解すること。理解すればするほど、その子にとって必要な支援は見えてきます「る」 ルールはほどほどに守りやすい、ほどほどのルールを設定すること。ルールにがんじがらめにならない「れ」 連携は、こちらからの歩みより人と連携することも大切です。何事も自分から歩みより、丁寧に相談しましょう「ろ」 ロンリネスはよくない孤独に陥らないこと。人間は承認され、仲間に支えられることが大切です出典: 『発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本』 より抜粋。上記の親が楽になる五か条は、主に日戸先生かが伺った話をまとめたものである。いかがでしたか? 「ママが楽な方が、結果オーライなんですよ」という話を伺い、筆者は何だか少し肩の力が抜けました。藤野先生は、「近年のレジリエンス研究で重視されているサポートネットワークの観点からみると、とりわけ『れ』と『ろ』が大切だと思っています。ひとりで抱え込まず、気楽に頼れる誰かが身近にいることが子育てには大切なんですね」と言います。本連載が、みなさんの「気楽な子育て」の一助になるとうれしいです。●「レジリエンス」を育てるポイント1)一つひとつの言葉が、その子の自己認識になる2)子どもを褒める時は、その子自身をしっかり見て、誰かと比較しない3)何より大切なのが、親が楽に生きること■今回、お話を伺った藤野博先生の著書 『発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本』 (藤野 博, 日戸 由刈 (監修)/講談社 本体1,300円(税抜き))「レジリエンス」とは心の回復力であり、立ち直り力のこと。自分の思い通りにいかず、落ちこんだときに、気持ちを切り替え、またがんばろうと思える力をいいます。書籍では道具の管理や家事の手伝いといった、子どもにとって身近なことを例として挙げながら、レジリエンスの育て方やポイントをイラスト図解で徹底解説します。藤野博先生東京学芸大学教職大学院教授 博士(教育学) 子どものレジリエンスを育てる研究をしている。専門はコミュニケーション障害学、臨床発達心理学。とくに発達障害の子のコミュニケーションやソーシャルスキルにくわしい。言語聴覚士、臨床発達心理士スーパーバイザー。特別支援教育士スーパーバイザー。
2019年10月15日「毎日、子どもを叱ってばかり」「こんなに叱ってばかりで、子どもをダメにしちゃう」内心、そんな心配をしているママは多いはず。コツを知って、「叱るエネルギー」を「子どものレジリエンスを育てる機会」にしてみませんか?レジリエンスとは、英語で「回復力」や「弾力性」を意味する言葉です。専門に研究されている東京学芸大学教授の藤野博先生にお話しを伺ってきました。前回の記事 「『どうせムリ…』あきらめがちな子どもが陥っている悪循環とは」 では、レジリエンスを育てるための第一歩は、生活習慣を整えることだと学びました。今回は、その先のステップ「人を頼って成功する体験」「家庭内で役割を持つ」について考えてみましょう。<レジリエンスを育てる3つのステップ>【家庭内での役割を持つとは】その子の長所や興味がいきるような役割を設定し、子どもに選んでもらう。本人の選択を尊重し、その役割を果たせるように手助けをするそもそも、ママ自身、人に頼ることが苦手な人も多いかもしれません。そこで、家庭のなかで「人を頼って成功する体験」を、どんなふうに作り出すかを具体的に考えてみます。■レジリエンスを育てるコツ1「やらなければいけない」に焦点をおかない人には、その人なりのペースがあります。ですから子どもも、その子なりのペースで育っているんです。ここで大切なことは、「やらなければいけないこと」に焦点を合わすのではなく、「この子が、いま、できることは何か?」という子どもありきの目標を設定することです。たとえば、頭ごなしに「明日の時間割をそろえなさい! 毎日、言わないとできないんだから」ではなく、まずは、その子にとって「言われなくても、時間割りをそろえること」の難易度がどれくらいなのかを、次のようにピラミッドを使って考えてみます。 仮に、「時間割りをそろえること」が、ピラミッドの「2、もう少しでできること・大人のサポートを受けたらできること」だとします。ここで、「時間割をそろえるとき、ママが声かけをするようにしようか?」と、提案します。もしくは、「ママに時間割をそろえるように、声かけしてねと頼めると素敵だね」と、伝えてみます。つまり、子ども目線にたってToDoをスモールステップに分けてみるのです。■レジリエンスを育てるコツ2親に頼ってできたことも認める子どもから「声がけをして欲しい」という依頼があって、親が声掛けをして、時間割をそろえられたのなら、「すごいね! できたね」と、伝えます。これでひとつ、「人に頼って成功する」という体験を作ってあげられましたね。重要なのは、スモールステップを設定して、成功体験を積み重ねることです。ほぼできていることを目標にして練習していくと、その活動がたしかな生活習慣として定着します。「そんなこと?」と思われるほど、小さな歩みです。けれども、子どもにとってはこれくらいのペースで、着実に成功していくことの方が自信になるのです。■レジリエンスを育てるコツ3子どもの苦手克服より「好き」を伸ばす次に、「家庭内で役割を持つ」について考えてみましょう。「子どもに家庭内での役割を与えてあげると、子どもは役割を果たして達成感を得られ、レジリエンスも高くなっていきます」(藤野先生)「少しくらいお手伝いしなさい!」とイライラする気持ちをいったん横においておいて、「どの家事だったら、この子が楽しくできるかな?」という視点を持ってみます。「子どもの苦手なことを支援し失敗を減らすのも大切ですが、その子の得意なことを理解し、伸ばしていくことも重要です」(藤野先生) その子の好きな家事を見つけてあげられると良いですね!●小学校低学年までの役割の例□新聞を新聞受けからとってくる□朝、起きたらカーテンを開ける□食事の前に、テーブルを拭く□食事が終わったら食器を台所へ運ぶ□衣服を脱いだら洗濯かごに入れる出典: 『発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本』 より抜粋■レジリエンスを育てるコツ4、「できない」より「できた」を見るお手伝いメニュー(選択肢)が決まったら、どれにするかは子どもに選ばせます。「自分で選んで決めたことで、決断をした責任を持つという経験が自己形成に繋がっていきます」(藤野先生)子どもが家事ができたら、うれしい気持ちを伝えます。役割を果たせなかった場合も、「新聞をとってくるのは忘れちゃったけれど、カーテンは開けられたね」と、できた部分はきちんと褒めます。「『できたこと』に焦点をあてて声かけをすると、子どもは『自分のことをちゃんと見ていてくれているんだな、気にかけてくれているんだな』と感じます。メッセージは言葉にして、ちゃんと伝えてあげましょう」(藤野先生)●叱るではなく、褒めるメッセージの見つけ方たとえば、作業が多少粗くても、それは言葉にせず、よくできたところを褒めます。『洗濯物をとりこむのが早くて助かるわ』。また、いつもは5分しか集中できない子が、10分集中して宿題をできたなら、『いつもより5分多く集中できたね』と、そこを褒めます。「早く宿題を全部しちゃいなさい!」ではなく、です。●ママにできるレジリエンスを育てるポイント1)目標設定はスモールステップに。小さな成功体験を積み重ねることが大切2)お手伝いは選択肢を示し、子供に選ばせる3)「できたこと」という実績に焦点をあてて褒める次回は、「そもそも褒めることが苦手な場合はどうしたらいいですか?」。そんなママたちのあるある疑問を考えます。■今回、お話を伺った藤野博先生の著書 『発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本』 (藤野 博, 日戸 由刈 (監修)/講談社 本体1,300円(税抜き))「レジリエンス」とは心の回復力であり、立ち直り力のこと。自分の思い通りにいかず、落ちこんだときに、気持ちを切り替え、またがんばろうと思える力をいいます。書籍では道具の管理や家事の手伝いといった、子どもにとって身近なことを例として挙げながら、レジリエンスの育て方やポイントをイラスト図解で徹底解説します。藤野博先生東京学芸大学教職大学院教授 博士(教育学) 子どものレジリエンスを育てる研究をしている。専門はコミュニケーション障害学、臨床発達心理学。とくに発達障害の子のコミュニケーションやソーシャルスキルにくわしい。言語聴覚士、臨床発達心理士スーパーバイザー。特別支援教育士スーパーバイザー。
2019年10月14日「一度落ち込むと、なかなか立ち直れない」「失敗することを、極度に怖がる」…。そんな子には、「レジリエンスの力」をつけてあげると、大きな支えとなるかもしれません。レジリエンスとは、英語で「回復力」や「弾力性」を意味する言葉です。専門に研究されている東京学芸大学教授の藤野博先生にお話しを伺ってきました。藤野博(ふじの ひろし)先生東京学芸大学教職大学院教授 博士(教育学) 子どものレジリエンスを育てる研究をしている。専門はコミュニケーション障害学、臨床発達心理学。とくに発達障害の子のコミュニケーションやソーシャルスキルにくわしい。言語聴覚士、臨床発達心理士スーパーバイザー。特別支援教育士スーパーバイザー。■心が「強い」のではなく「しなやか」レジリエンスという言葉は、聞いたことがありますか?レジリエンスのイメージを一言で言い表すと、「風にそよぐ柳の木」。鉄塔のような、けっして折れない強い心ではなく、ときには折れたり曲がったりするけれど、また立ち直る心。レジリエンスとは、そんな心のありようのことをいいます。ポイントは、心が折れてしまうことを否定していないこと。社会で生きていけば、困難なことは必ずあります。傷つき落ち込む出来事だって、あるでしょう。だったら傷つくことを避けるより、落ち込んでも立ち直る力がある方が現実的に考えて楽なんです。 ■「折れない心」を持っている人は、どんな人?「レジリエンスの研究は、『レジリエンスがある人とは、どんな人なのか?』を探る形で進められてきました。その結果、次の3つの要素があることあきらかになってきました。これらを日常の生活の中で、少し意識してみると良いかもしれませんね」(藤野先生)。●新奇性追求●感情調整●肯定的な未来志向<レジリエンスの3大要素>■レジリエンスと自尊心、どう違う?レジリエンスは、自尊心と似ている気もしますが、何が違うのでしょうか?「自尊心は成功したり、ほめられたりすることで育っていくものです。一方で、レジリエンスは成功したときにも育ちますが、失敗して人に助けられたときにも育ちます。自尊心は『自分を信じる力』、レジリエンスは『自分とまわりの人を信じる力』ともいえます」(藤野先生)レジリエンスとは、自尊心を裏打ちするような、そんな心のありようでもあるんですね。さらに、「レジリエンスの特徴として体質や性格といった『持って生まれたもの』ばかりではないこともあげられます。日々の生活のなかで、少しずつ育っていくものなのです」(藤野先生)。■「余白の時間」が減ることで起こる悪循環では、そんなレジリエンスを育てるためには、どうしたら良いのでしょうか? 「子どものレジリエンスを育てるためのポイントは、『安定した生活を保障すること』です。基本の土台作りとして、子どもが、栄養と睡眠を十分にとれるようにしてあげることが大切です」(藤野先生)「そんな簡単なことでいいんですか?」と、筆者はビックリしてしまいました。「いま、睡眠が十分とれていない子は、多いんですよ」と藤野先生からは、こんなお話しを伺いました。「最近感じるのは、子どもの『余白の時間』が減っていることです。勉強やスポーツ、習い事をすることも大切です。ただ、人間には、ボーっとする、自分の好きなことだけをするといった時間も必要です。ToDoを詰め込みすぎるあまり、そうした時間がとれなくなってしまうと余白の時間がズレこみ、結果的に睡眠時間が減ってしまうという悪循環になってしまうんですよ」■子どもの「ToDoリストの整理」が必要なワケ「あ、そうかもしれないな」と、感じる方も多いのでは? だからこそ、いま、ママが意識したいのは、「子どものToDoの取捨選択」なのかもしれませんね。アレもコレもはできないから、その子にとって、いま、何が大切か? 優先順位を決めて、親が「ToDoの間引き」をしてあげる。そんな視点です。生活習慣を基軸に子どもの生活を見直すことで、ママの時間や心にも余裕が出るかもしれません。「生活習慣には、枠組みが必要なんです。子どもの心を卵にたとえてみると、生活の枠組みが、卵のカラにあたります。起床・睡眠リズム、毎日の食習慣といった生活習慣の枠組みのなかで、心が育ちます。それは、まるで卵が過熱されて徐々にかたくなっていくようなイメージです(藤野先生)」■レジリエンスを育てる3つのステップ生活習慣という土台が整ったら、いよいよレジリエンスを育てるための子どもへの関わりを考えてみます。レジリエンスは、一朝一夕に手に入りません。少しずつ育てていくものなので、ステップを3つに分けてみました。このステップは同時進行する場合もあります●「立ち直る力」レジリエンスを育てるポイント1)レジリエンスとは、心のしなやかさ。「心の強さ」より、現実的に役立つ力である2)「感情調整」「新奇的追求」「肯定的な未来志向」が、レジリエンスの3要素3)レジリエンスを育てる土台は、生活習慣を整えること次回は、レジリエンスを育てるための各ステップを具体的に教えていただきます。■今回、お話を伺った藤野博先生の著書 『発達障害の子の立ち直り力「レジリエンス」を育てる本』 (藤野 博, 日戸 由刈 (監修)/講談社 本体1,300円(税抜き))「レジリエンス」とは心の回復力であり、立ち直り力のこと。自分の思い通りにいかず、落ちこんだときに、気持ちを切り替え、またがんばろうと思える力をいいます。書籍では道具の管理や家事の手伝いといった、子どもにとって身近なことを例として挙げながら、レジリエンスの育て方やポイントをイラスト図解で徹底解説します。
2019年10月13日「これからの時代を生き抜くための力を育てるには、『失敗』が不可欠なんです」と言うのは、花まるグループ「西郡学習道場」代表の西郡文啓(にしごおり ふみひろ)さん。そう言われても、そもそも論として、「失敗が怖い」筆者は、わが子に失敗をさせてあげる胆力(心の余裕)がありません。どうしたら良いのでしょうか? 「Vol.1 “良い大学”では生き抜けない時代。子育ての新しい道筋は?」 の続きです。「いまの学校教育が育てているのは、“受験に合格する力”です」と語る「花まる学習会」グループの西郡さん。AIが進化して答えのない時代に、いま、子どもに、本当に必要な力を、どう育てていけば良いのでしょうか?■“成長”の前には、必ず失敗や困難がある「みなさんも、自分の人生を振り返ってみれば、『自分が成長したな』『壁を乗り越えたな』と感じたときには、その前に必ず失敗があったのではないでしょうか?」と西郡さんは言います。たとえば、部活動で試合に負けて、その悔しさをバネに練習をがんばったとき、大人になってからは、お客様に叱られる、大きなミスをする。そうしたことを乗り越えて、何かを成し遂げたとき。「そんなとき、自分の成長を感じた方も多いのではないでしょうか?」(西郡さん) 成長は、失敗や困難の先にある。失敗ではなく、その先にある成長の方に意識を向けられるようになってくると、いま、目の前にある「失敗」は、成長のためのジャンプ台に見えてくるのかもしれませんね。…と、そんなことを書いてみてはいる筆者ですが、じつは最近、仕事で大失敗をして、ただいま激しく落ち込んでいます。そんななか、「失敗は、ジャンプ台」なんていう気分には、じつは、まったくなれません(涙)。■「失敗」を避ける日本の教育失敗恐怖症ともいえる筆者。「なぜ、自分はこれほどまでに失敗が怖いのか?」ということを理論的に知ることも、失敗恐怖症を和らげるのに役立つかもしれません。従来の日本の教育では、なるべく「失敗」を避けて効率的に生きることが良しとされています。良い大学に入れるように、テストで良い点を取るための勉強をする。「成功の方法は教えてもらえますが、失敗したあとの方法は教えてもらえないのです」(西郡さん)そこには、「失敗」をして遠回りする時間の余裕がないという、致し方ない側面もあります。試験で点数を取るためには、知識を効率よく詰め込む必要があります。「そのため、自分のやり方ではなく、『正しいとされている』やり方を教えられるのが日本の教育なのです」(西郡さん)現在の教育のあり方そのものが、「失敗」を排除する方向にいきがちである。そういった認識を持っておくことが、子どもの失敗を許容できる母への第一歩なのかもしれませんね。■なぜ、うちの子は「失敗」を嫌がるのか?しかし、西郡さんは「『失敗』を奪っているのは教育現場だけではありません。親も、知らず知らずのうちに、子どもを失敗から遠ざけようとしています」とも、言います「親の接し方で、子どもは違ってきます。たとえば、子どもに対して『これはこうでしょ!』と上から目線で伝えるのではなく、『もっとよく見て、これはどうなると思う?』と、示唆的に考えさせるような会話をすることが大切です」(西郡さん)問題を解けなければ、叱る。正解すれば、褒めるという教え方では、子どもはできないことに焦りや不安を感じてしまいます。「失敗をした上での成功体験を持っている子どもは、わからないことそのものを楽しく感じます。その差が、将来の学力の差になるのだと思います。『わからないからおもしろいんだよ』と、繰り返し伝えてあげてください」(西郡さん)。■「できちゃった」が「またやりたい」を生む西郡さんがおっしゃる、「わからないからおもしろいんだよ」と子どもに言える母である、という境地。母であるなら、ぜひとも辿り着いてみたいものです。けれども、現在の筆者は辿り着けていません(涙)。どうしたら良いのでしょうか? 「そもそも、学習とは、ひと言で表せば、『できなかったことをできるようにすること』なんです。『できなかったこと』が、『できちゃった』とき、子どもは大きな快感を味わいます。そして、より勉強をおもしろいと感じるようになり、明日もやりたいという『学習意欲』が生まれます」(西郡さん)やはり、その根底には、『失敗』があります。たとえば、問題が解けなかった。その後、どうすれば解けるようになるか考えて試行錯誤し、最終的に正解を導き出すことで、「やった!」「解けた!」という大きな達成感が生まれるのですから。「その感覚が楽しいから、また勉強をがんばります。そして、もっともっと学びたい、いろいろなことを知りたいという『向上心』が生まれるのです」(西郡さん)■子どもが「明日またがんばろう」と思えるためには「『学習意欲』と『向上心』。この2つを得ることができれば、どんな子も伸びていきます」(西郡さん)。「学習意欲」と「向上心」と書くと難しく感じるかもしれませんが、要するに「明日またやろう」「より良くしよう」という気にさせることだそうです。そのために大切なことは、大人が「できなかったことができるようになっているか」という部分に着目してあげること。「つまり、他人ではなく、以前のその子自身と比べて伸びているかどうかが重要なのです」(西郡さん)昨日の自分にはできなかったことができちゃった。それが楽しいから明日もまたやりたい。「この連鎖が、何よりも子どもを成長させていくのです」(西郡さん)<「失敗する子」の育て方>1)これからの時代を生き抜く子を育てるためには、「失敗」が不可欠2)「できちゃった」が「またやりたい」を生む3)その子自身の成長に注目してあげると、学習意欲と向上心が育つ■花まる学習会/西郡学習道場代表 西郡文啓さんの新著 『ちゃんと失敗する子の育て方』 高濱 正伸、西郡 文啓 (著)/総合法令出版 1,300円(税抜き)●高濱 正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: ●西郡文啓(にしごおり ふみひろ)さん1958年生まれ。熊本大学教育学部卒業。花まるグループ内に「子ども自身が自分の学習に正面から向き合う場」として「西郡学習道場」を設立。現在「官民一体型学校」として指定を受けた小学校「武雄花まる学園」にて、学校の先生とともに、小学校の中で花まるメソッドを浸透させていくことに尽力中。高濱さん曰く、「私が経営者という立場で運営部分に頭を働かせているときも、彼はただただ、子どものことだけを考えてきた人間です。頭のてっぺんから足のつま先まで、根っからの教育者で、どんな子でも一度も見放したことはありません」。
2019年08月19日「現在の教育は、なるべく失敗を避けて、効率的に生きることが良しとされている」と語るのは、「花まる学習会」の西郡文啓(にしごおり ふみひろ)さん。「完璧に正しい子育てなど、ありません」と話し、花まるグループ「西郡学習道場」代表を務める西郡さんは、「花まる学習会代表」高濱正伸さんの高校の同級生です。創立時から二人三脚でやってきて、初期の頃は、2人で牛乳配達をされていたこともあったそう。そんな西郡さんに、これからの時代を生きるために必要な力について、お話を伺ってきました! 西郡文啓(にしごおり ふみひろ)さん1958年生まれ。熊本大学教育学部卒業。花まるグループ内に「子ども自身が自分の学習に正面から向き合う場」として「西郡学習道場」を設立。現在「官民一体型学校」として指定を受けた小学校「武雄花まる学園」にて、学校の先生とともに、小学校の中で花まるメソッドを浸透させていくことに尽力中。「花まる学習会」とは「数理的思考力」「読書と作文を中心とした国語力」に加え、「野外体験」を三本柱として、将来「メシが食える大人」そして「魅力的な人」に育てる学習塾。代表は、数多くのメディアでも紹介された高濱正伸さん。■子どもに求められる能力が変化してる!西郡さんは言います。「これから先、子どもたちが生きていく社会は、目まぐるしい速さで変化していくことでしょう」人口知能(AI)の進化と普及は、人の働き方を大きく変えていくといわれています。今後10年~20年のうちに、今ある仕事の半分近くが、自動化によって代替されていくとさえ予測されています。10年後は、どのような世の中になっているのか? それは、現時点では誰にもわかりません。そんな「変化が激しく、答えのない時代」を生きる子どもたちに対して、いま、親は子どもにどんな力をつけてあげれば良いのでしょうか?■「受験に合格する力」では、生き抜けない「いまの学校教育が育てているのは、“受験に合格する力”で、いわば“対策力”(知識を体系的に得る力)です」(西郡さん)対策力というのは、「こういう問題が出るから、こういう勉強が必要だ」という、前提ありきの力です。しかし、2020年度からは大学入試センター試験が廃止され、新しい共通テストが始まることが決まっています。大学入試そのものを、“新しい時代を切り拓くための力”が身についていなければクリアできないものに変える。そうすることによって、高校以下の教育もその方向に向かわせる。今回の大学入試改革には、そうした狙いがあると考えられています。■「良い大学」に変わる、新たな指標とは?ママたちも、「良い大学に入るための学力」と、「社会で生きていく力」が、違うことには何となく気がついているはず…。でも、「良い大学に入れば、良い会社に入れて、良い生活ができる」という幻想を手放せるほど、明確に「次なる指標」は見えていません。だから、つい、従来の「良い大学に行くために、テストで良い点を取れればそれでいい」という価値観に拠りどころとしてしまう…という堂々巡りを繰り返してしまっているのではないでしょうか?でも、前述のとおり、「これからは、大学に入ることそのものにも、いままでとは違う力が求められるようになっていくのです」(西郡さん)■「失敗が怖い母」は、どうしたらいい?従来の勉強だけでは受験も勝ち抜けない時代になっているいま、子どもに、本当に必要な力を、どう育てていけば良いのでしょうか?西郡さんは言います。「これから先の時代を生き抜くための力とはどんな力なのか、どのようにして育てていけば良いのか。本連載を通じてお伝えしますが、そこには、『失敗』が不可欠なんです」「お子さんには、失敗をさせてあげてください」これは教育関係の取材をすると、必ずといっていいほど出てくるフレーズです。けれども、「失敗をしてはいけない」という教育を受け、「失敗は、よろしくない」という社会で仕事をしている筆者自身、失敗が怖くて仕方ありません。おのずと、自分の子どもに対しても、「失敗しないように」という思考回路で接してしまうのです。■失敗しない人は、いない「大切なのは、子どもに『転ばぬ先の杖』を渡してあげることではありません。転んだ後、どうにか自分の力で立ち上がる。そのための方法を自分でつくりあげていくことができるように、大人たちが導いてあげることです」(西郡さん)そもそも、「失敗をしない人」は、いません。だれもが東大に合格できるわけではありませんから、どんなに勉強をしても東大に入学できない人は必ずいます。だれもがプロスポーツ選手になれるわけではありませんから、どんなに練習をしてもスポーツ選手になれない人もいます。仮に東大に合格しても、また、スポーツ選手になれたとしても、そのなかではさらに厳しい競争が待っています。つまり、仮に、何かで「一番」になったとしても、裏には数えきれない失敗や挫折があるはずです。それを乗り越えたからこそ成長がある。「『成功者』や『一流』といわれる人ほど、多くの『失敗』を経験しているのです」(西郡さん)<「失敗する子」の育て方>1)知識を体系的に得る力(対策力)のみでは、これからの時代は生きていけない2)大学に入ることそのものにも、今までとは違う力が求められる3)これから必要なのは、「ちゃんと失敗する力」である■花まる学習会/西郡学習道場代表 西郡文啓さんの新著 『ちゃんと失敗する子の育て方』 高濱 正伸、西郡 文啓 (著)/総合法令出版 1,300円(税抜き)●高濱 正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: ●西郡文啓(にしごおり ふみひろ)さん1958年生まれ。熊本大学教育学部卒業。花まるグループ内に「子ども自身が自分の学習に正面から向き合う場」として「西郡学習道場」を設立。現在「官民一体型学校」として指定を受けた小学校「武雄花まる学園」にて、学校の先生とともに、小学校の中で花まるメソッドを浸透させていくことに尽力中。高濱さん曰く、「私が経営者という立場で運営部分に頭を働かせているときも、彼はただただ、子どものことだけを考えてきた人間です。頭のてっぺんから足のつま先まで、根っからの教育者で、どんな子でも一度も見放したことはありません」。
2019年08月18日元号が平成から令和に変わりましたが、生活や気持ちに変化はありましたか? 昭和や平成の時代を生きてきたパパママにとって、令和は子どもたちが生きていく新たな時代だという印象もあるかもしれません。そんな令和時代を生きる子どもたちに対して、親たちはどのようなことを望むのか、今回は少し未来に目を向けてみたいと思います。■令和時代に親が子どもに望むこととは?アンケートでは、令和時代を生きる子どもに親が望むことについて聞きました。その結果、1番多かったのは「失敗しても立ち直れて成長できること」、2位は「自分の力で道を切り開けること」でした。パパやママたちの8割以上が、子どもたちに「失敗しても立ち直る力」と「切り開く力」をつけてほしいと期待しているようです。Q.令和時代を生きる子どもに親が望むことは? ・失敗しても立ち直れて成長できること 46.0%・自分の力で道を切り開けること 38.9%・世界の人とつながり協同できること 5.6%・AIに負けない考える力を持つこと 3.3%・その他 3.0%・特にない 3.1%■令和キッズに望むこと1、「失敗しても立ち直る力」4割を超える親たちは、「失敗しても立ち直れて成長できること」と答えました。パパやママたちがもっとも重視している「失敗しても立ち直る力」とは、一体どのようなものなのでしょうか。「新しい時代こそ、失敗してもいいのでいろいろなことに挑戦してほしい。そして、失敗してもリカバリーしやすい時代になってほしい」(三重県 40代男性)「今後、失敗だけでなく壁にぶち当たったり、試練もあると思います。それを乗り越える力をつけてもらいたいです」(神奈川県 40代女性)「自分で道を切り開いていってほしいけど、その途中で失敗もあるでしょう。そのまま沈むのではなくて、立ち直る過程で成長してくれたらきっと宝物になるはず」(和歌山県 40代女性)「失敗や挫折をしても、それを糧にできるような大人になってくれたらいいなと思います。『人生楽なことばかりじゃない』って自分なりに学んでほしい」(岩手県 40代女性)小学生ぐらいになると、失敗を恐れる子どもが多くなるように感じます。さらに、親たちもできるだけ子どもが傷つかないようにと行動しがち。どんなに親が先々の不安を取りのぞいたとしても、子どもが成長していけば、そうもいかなくなるでしょう。筆者自身も、小学校に入学した長男が徐々に親と離れて過ごす時間が増え、それと同時に失敗して落ち込み乗り越える様子を、できる限り見守らなければと考えているところです。「『レジリエンス』という困ったことが起こっても負けない折れない心を持つことが大事」と最近よく耳にします。同じように、子どもが失敗して、そこからどう乗り越えて自分の学びとしていくかを重視している親は多いようです。「自分で考える。失敗をこわがらずにチャレンジをする。そうして、自分でやったことに責任を持ってほしい」という声も寄せられました。子どもがいつか自立するときのために、「失敗することの大事さ」そして「失敗から立ち直る力」を願う親たちの思いが伝わってきます。■令和キッズに望むこと2、「自分で道を切り開く力」2番目に多かったのは、「自分の力で道を切り開けること」でした。「子どもたちには、何でもいいので『これ!』と見つけたら、遠回りでもいいから貫いてほしい」(愛媛県 30代女性)「なんでもチャレンジしてほしい。親としては、心配になるところをぐっと我慢し、子どもを信じて見守っていきたい。でも、困ったことがあったら相談してほしい」(富山県 40代女性)「考えて実行して、評価してまた実行してと、自分の力で前に進む勇気と決断力を持ってほしい」(神奈川県 40代女性)そのほか、「周りに流されることなく、自分の思いを貫けるような強い人になってほしい」という意見もありました。親からみて「こんな人になって欲しい」という願いはもちろんあるでしょう。でもその願いと同じ、もしくはそれ以上に、「自分はどうしたいのか」をしっかり考え、そして行動する人になってほしいという思いがあるようです。また、「勉強ができる頭がいい子ではなく、生き抜いていける頭のいい子になってほしい」という声も。自分の進むべき道を見つけ、その道を切り開いていく、そうした強さを子どもたちに身に付けてほしいと思っているパパやママが多いようですね。■令和キッズに望むこと3、「他人と協調して生きる力」「人は1人では生きていけないから、必ず人との関わりは出てきます『見極める目』を持ってほしい。いい仲間を作ってほしいですね」(神奈川県 50代男性)「仲間と協力すること、人を思いやる心を持てる優しい人間であってほしい。自分だけでじゃなく、誰かが失敗したら助けてあげれる人になってほしいです」(北海道 30代女性)これまで見てきた回答とは異なり、自分だけでなく、周りの人とのかかわりを重視している親からのコメントが多くありました。■令和キッズに望むこと4、「多様性のある社会で活躍できる力」「これからの子どもは世界と対等に戦っていく必要があるので、いい意味でズルく立ち回れるスキルを身に付けてほしいと思います」(神奈川県 50代男性)「日本国内に留まらず、いろいろな世界を見てほしい。価値観や文化の違いなどがあるなかでも自分を見失わず信じる未来に向かってくれたらと思っています」(神奈川県 40代女性)またほかには、「これから進むAI化をうまく使い、日本だけでなく世界の一員として大きく羽ばたいてほしい」という声もありました。「グローバル社会」という言葉を聞くようになり、もう何年もたちます。これからの子どもたちは、さらに海外でも活躍できる力を身に付けてもらいたいという思いを抱く親もいるようです。■令和キッズに望むこと5、「あたり前の幸せな社会」寄せられたコメントには、「平成が終わったから」、「令和になったから」ではなく、子どもたちにはいつの時代でも元気いっぱいでいてほしいという内容も多く見られました。「幸せになってほしい、幸せでいてほしい。時代は変わっても親が子どもの幸せを願う思いだけはずっと変わらない」(神奈川県 40代女性)「健康で平和に暮らしていってくれれば、それでいいです。これだけで充分です」(福島県 40代女性)「いまを精一杯生きてもらいたいです。今ある平和を大事にしてもらいたい。当たり前に感じていることがあたり前ではなくなることもあるのだから」(奈良県 40代女性)「子どもたちが健康であること。世の中が平和であること」、いまさらながらあたり前で、そしてとても大切な願いに気付かされるとともに、あまりに多くを子どもに求めすぎてないかという戒めにもなりそうな声です。あらためて身が引き締まる思いになります。■令和ママ、パパはどう子どもと向き合うべきかそれでは、親自身はどのようにあるべきなのでしょうか?「子どもにどうのこうのではなく、まずは親、大人が変わらない限り子どもも変わらない。親の背を見て子どもは育つと言うように、自分も含めて大人がもっとちゃんと生きたい」(三重県 40代女性)親が生きてきたなかで大切に培ってきた価値観、そして変わりゆく時代に対応するために親自身も変化していく必要があると感じる価値観。AIの登場によって、今後はますます時代の変革が激しくなり、親が子ども時代に常識だったことも、変わっていく可能性があります。そんなときにはガチガチの頭で子どもを押さえつけるのではなく、多様性を受け入れながら、従来の考え方にしばられずに、柔らかい頭で対応していきたいとも思います。ワンオペ育児だったり、三歳児神話といった昔ながらの価値観がまだ残っている育児、そして男性の育児休暇取得が進まない会社といった価値観については、いまの親世代が子どもに残さないようにしたいことのひとつではないでしょうか。最後に、こちらのコメントも紹介したいと思います。「健やかに、豊かに、人生を生きてほしい。そのために、自分を磨く努力をし、結果を残し、人生の終わりに『良かった』と言える人生であれば、それでいいと思う」(愛媛県 40代女性)はたして、自分は子どもにどんな人生を送っていってほしいのか…。時代が変わっても変化しない思い、そして新しい時代だからこそ親も見つめ直したいこれからの子どものこと。「令和キッズが大人になったとき、どんな社会になって欲しいのか」未来に思いを馳せてみること。それは、もしかしたら親も今一度、自分の生き方も考えてみるチャンスになるのかもしれませんね。Q.令和時代を生きる子どもに親が望むことは?アンケート回答数:4908件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年06月30日ウーマンエキサイトで連載中のちゅいママさんの記事 「小4長男が考えた、悪口を言われても傷つかない方法」 で、“スルースキル”に関するアンケートを実施しました。ちゅいママさんによれば、“スルースキル”とは、人間関係のトラブルが起きた際、「相手は変えられないものだ」と受け流して、自分の心を乱さないようにする力のこと。ちゅいママさんの長男くんは、友だちから心ない言葉を言われ嫌な思いをした経験から、こうして受け流すスキルを身に着けていったそうです。そんな息子を母親は「たくましくなった」と思う一方で、父親であるご主人は「なんでもスルーすればいいってもんじゃない。反骨精神も必要なのでは?」と疑問を投げ掛けます。子どもにとって“スルースキル”は必要なのでしょうか? “スルースキル”について、ママ、パパの考えを探ります。■98%がスルースキルを“必要”と回答アンケートで「子どもにスルースキルは必要だと思いますか?」という質問を投げかけたところ、圧倒的に「必要」との声が集まりました。Q.子どもにスルースキルは必要だと思いますか?ある程度必要だと思う 71%とても必要だと思う 27%あまり必要ではないと思う 1%全く必要ではないと思う 0.5%その他 0.5%「ある程度必要だと思う」71%、「とても必要だと思う」27%を合わせると、「必要」と思う人が98%にもののぼりました。仕事の人間関係など、大人が使うイメージのスルースキル。なぜいま、子どもにも必要と思われているのでしょうか。■スルーする“強さ”があれば、いじめは減る?今回のアンケート結果を最初に見たとき、じつは筆者は少し違和感を覚えました。というのも、「スルースキルは必要」と答えた人が圧倒的に多いにも関わらず、コメントでは「●●の場合はアリ」などのように、“条件付き”の支持コメントが多く、手放しで「スルースキルに賛成」という人が極端に少なかったからです。この結果が示しているものは何なのでしょうか。まずは、ママたちがスルースキルにどんなプラス面があると考えているのか、見ていきましょう。スルー力、とてもいいと思います! 身につけておくといじめの数も減りそうな気がします。嫌なこと言う人と無理に仲良くなる必要もないし、ケンカする必要もないと思います!反骨精神なんて、誰もが持てるわけではない。持ちたくても持てない人もたくさんいる。クヨクヨするくらいなら、スルーできる方が良い。スルーできるのも強さの一つだと思う。ネット社会があたり前のいまを生きていく子どもたちには、必要な力だと思います。目に見えない相手に対してすべて真っ向から立ち向かうなんて無理だし、大人になればなるほどスルースキルって必要に感じます…。でないと身が持たない。笑相手に嫌なことを言われて反発できる子もいれば、できない子もいる。そんな子が、自己防衛のひとつとして“スルースキル”を持っていれば、最悪の事態を防ぐことができると考える人が多いようです。現に、かつての自分を思い出し、「子どもの頃、このスルースキルがあれば傷つかずに済んだかも…」というママの切ないコメントも。私自身はスルーできず、気にしすぎて落ち込む方です。でも、気にせず堂々としていれば、いじめにも合わずにすんだ気がします。傷ついて泣いたりすると、またからかわれ、もっとひどくなります。息子には、自分と同じようにならないで欲しい。そうならないためにも、しっかり心の居場所になってあげたいと思います。■スルースキルで起こる弊害もある一方で、子どもがスルースキルを使うことに対して、難色を示す意見がありました。そのなかには、「スルースキルは必要」と答えた方もいます。現代の社会において、「スルーすること」はたしかに大切だと思います。さまざまな価値観、考え方があるなか、相手のことを尊重できない人たちからの攻撃は、スルーが一番のような気がします。しかし、こちらが嫌な思いをしていることが相手には一向にわかってもらえないといった、「スルーすることでつきまとう弊害」があることも事実だと思います。しつこく絡んでくる人(子どもも)が、いますから。子どものうちは、「嫌なことは嫌!」と言える術を身につけるべきではないかと思います。相手もまだ子ども。悪気がなく友だちを傷つけます。スルーしてしまうと、「自分の言動が他者を傷つけた」ということを気がつかないままとなるのでは。そしてスルーし続けた子どもは、我慢ばかりの人生になりそうです。ときには自己主張を!スルーばかりしていると人の意見を取り入れない人間になってしまうのではないか、「悔しい!」と思う気持ちがなくなってしまうのではないか、そんな懸念も寄せられました。またスルーされた人は、自分の行動を見直すチャンスがなくなってしまうことも。こういった心配ごとが、スルースキルを“完全に支持”できない理由になっているようです。■「スルーする、しない」を判断する力も必要では、スルースキルはどんなときに使い、どんなときに使わないほうがいいのか。そんな“条件付き”でスルースキルを必要と答えたコメントをご紹介します。●相手によって決める自分に関係のないその他大勢の意見はスルーしてもいいと思うけど、身近で大切な人の意見はちゃんと向き合っていかないといけないと思う。そこをはき違えている人も多い気がする。大切な人とはぶつかり合ってもスルーしてはいけないと思う。●自分で変えられること、変えられないことで判断する「自分では変えようとしても変えられないこと(生まれた環境とか肉体的なこととか)」はスルーできる力がある方がいいと思います。「努力して変えられること」はスルーでなく、自分の力に変えられるといいな。それを決めるのも本人がきちんと考えられるといいな、と思います。●指摘された内容、事柄で判断する何でもスルーすればいいとは思いません。自分のなかで「スルーすべきか、聞き入れるべきかを判断する力」をつける必要があると思います。実際、一緒に働いていた方ですべてスルーする癖がついていて、仕事場でも人の意見が聞けないという人がいました。ある程度スルーするスキルは必要ですが、そこをうまく選別できる能力が必要だと思います。■「心が折れない子」を育てるためにスルースキルも必要?深い心のダメージを受けるくらいならスルースキルで回避してほしい。でも、なんでもスルーしたら子どもの成長にならない。そんな相反する複雑な思いを抱く人が多かったからこそ、冒頭の「子どもにスルースキルは必要だと思いますか?」で、71%もの人が「ある程度必要だと思う」と答えたのではないでしょうか。しかし、コメントのなかにはこんな体験談もありました。私は、子どもの頃はいろいろ思っても、我慢したり気にしたりしないようにする力を覚えました。しかし、家族ができて子どもが生まれて、変わりました。自分のことはスルーできても、大事な家族を泣かせる人が現れたとき、スルーできませんでした。「守ろうとする力」が生まれました。きっと、私のベースには愛情を受けて育ってきたというものがあったからだと思います。だからいまは、家族の愛情をたくさん知ることの方が大事だと思います。困難にぶつかること、失敗することは、これから生きていくうえで避けて通ることはできません。そんなとき前に進めなくならないように、「心が折れない子」を育てていきたいと親は望むでしょう。「スルースキル」は、生き抜くためのひとつの力となるかもしれません。でもそのスルースキルを使うべきか、立ち向かうべきかは、子どもが日々の生活のなかで学び、培っていくのではないかと思います。その過程では、つらい思いをしたり、失敗することもあるでしょう。そんなとき、ちゅいママさんが言う「自分の居場所」や「自分を絶対的に愛してくれる人がいる」という安心感が子どもにあれば、悪い方向にはいかないと信じたいです。Q.子どもにスルースキルは必要だと思いますか?回答数:1,273Q.スルースキルについて、エピソードやご意見があれば教えてください。回答数:164アンケート集計期間:2018/10/11~10/22
2018年10月26日40年以上もの間、世界でもっとも幸福な国であり続けるデンマーク。その国で「親が子どもに与えられる最高の贈り物」とされているのが「リフレーミング」というテクニックです。今回は、そんな「リフレーミング」についてお伝えします。【世界一幸せな国デンマークの子育て】連載 Vol.1 日本の子育ては、子どもを「幸せな大人」にできるのか? ■大人になって成功できるのは「折れない心」「リフレーミング」とは、自分が世界を見ている額縁(フレーム)をとり替えること、いわば情報を再解釈するテクニックです。アメリカの多くの企業では、リフレーミングの研修が行われています。なぜなら、リフレーミングは、レジリエンス(折れない心)に欠かせない能力と見なされているからです。レジリエンスは、最近の教育界の「キーワード」でもあります。教育関係者に取材すると皆さん異口同音に、「今、もっとも子どもたちに必要なのは、レジリエンス(折れない心)です」と、おっしゃいます。ハーバード・ビジネス・レビュー誌の記事では、アメリカのある創業者社長がこんなふうに言っています。「経験よりも訓練よりも、人のレジリエンスのレベルが成功者と落語者を決定づける。それはガン病棟でも、オリンピックでも、役員会議室でも言えることだ」。 ■「折れやすい心の子」にしてしまう親の言葉ところで、私たちが既に持っている「フレーム」は、何によって形づくられているのでしょうか? それは、言葉です。普段、何気なく子どもにこんな「フレーム」を投げつけていませんか?あなたは、何をやってもダメよねこの子は、繊細すぎるあなたは、わがまま!この子は、数学が苦手あなたはスポーツがあまりできない親からそう言われ続けている子どもは、これらの「フレーム」につじつまを合わせる行動をとるようになります。やがて子どもは「自分はそういう子だ」と信じ込むようになって、何かにトライするなんていうことはせず、「折れやすい心の子」の一丁あがりです。与えられた物語がいったん人生の一部になると、自分のなかから追い出すのは至難の業。つまり自分や子どもについての気に食わないことをくり返し口に出すことで、まさにその欠点を強化してしまうのです。■デンマーク流の言葉がけでは、どうしたら良いのでしょうか? デンマーク人は、子どもに対しての言葉がけがとても上手です。子どもが不機嫌な時、一緒に感情の波に巻き込まれて乱暴な「フレーム」を投げつけるかわりに、そうなった理由を子ども自身が気づけるように促します。少し長くなりますが、デンマーク流の親子の会話例を引用してみましょう。私は、この会話を声に出しながら読んでみました。声に出してみると「心に入って来る言葉」はわかるものですね。読み進むうちに、私はゆったりとした気持ちになりました。「どうしたの?」「別に」「様子がちょっと変だけど、何かあった?」「まぁね」「どういうことなの?」「わからない」「悲しいの? 怒ってる? 嬉しい?」「悲しい」「どうして悲しいの?」「悲しいのは、ゲイリーが遊び時間に私の人形を取ったから」「彼が人形を取ったのね。どうしてあなたの人形をとったのかしら」「彼が意地悪だから」「彼は意地悪だと思う? ゲイリーはいつも意地悪なの?」「そうよ」「でも、先週はゲイリーとたくさん遊んでいたんじゃなかった?」「そう」「そのときは意地悪だった?」「ううん」「なるほど。じゃあゲイリーは優しいときもあるのね?」「うん。優しいときもある」出典: 『デンマークの親は子どもを褒めない』~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~ デンマークの親は、子どもが自分の感情をきちんと言い表せるようになるのを上手に手伝い、建設的な思考へと導きます。これはリフレーミングに欠かせない作業です。自分の感情を、きちんと言い表せるようにする。これ、本当に大切ですよね。私自身、ひとりの母親として、「子どもと、そんな会話をしたことなかった」と反省しきり…。■ネガティブなことばかり言ってしまう場合会話の続きに戻ります。「彼が人形を取ったとき、どうなったの?」「私が泣いちゃったの」「人形を取られて悲しくなったのね。その気持ち、わかるわ。じゃあ、今度ゲイリーに人形を取られたとき、悲しくならないためには、どんなことをすればいいと思う?」「ゲイリーに返してちょうだいって言う。それとも、先生に言おうかな」「返してちょうだいって言うのが、良い解決策だと思うわ。ゲイリーは人形遊びが好きなの?」「時々ね」「返してちょうだいって言う以外に、何かできることはあるかしら?」「一緒に人形で遊んでもいいかもしれない」「それは素晴らしい解決策だわ。ゲイリーは、本当は優しい子なんだから、今度そんなことがあったら、一緒に遊びたい? ってきいてみたら?」「そうする!」出典: 『デンマークの親は子どもを褒めない』~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~ 「物ごとの良い方の面を見る」というテクニックは、あらゆる状況に活用できます。出来事をきちんと分析し、状況を建設的にリフレーミングするために必要なキッカケを探す。そこから物語を紡ぎなおす。ママ自身がリフレーミングを知ることで、いまよりもっとハッピーな気分になれるのではないでしょうか? たとえば子どもに対してネガティブな決めつけを言いそうになったときは、「わが子の違ったストーリー」を見つけてみては? ふとわれに返れたとき(返れなくても、落ち込まず…)、自分に少し余裕があるとき、一つずつでも「わが家の言葉」を変えていくだけで、子どもに大きなプレゼントができているのだと私は思います。「リフレーミングは、練習を積めば楽にできるようになり、楽しめるようになるでしょう」とは『デンマークの親や子どもを褒めない』の著者の弁。何だか、希望が湧きますね!■今回の記事の参考文献 『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』 ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー/イーベン・ディシング・サンダール 著/鹿田昌美 訳/集英社 ¥1,500(税別)ジェシカ・ジョエル・アレキサンダーさんアメリカ人の作家、コラムニスト、文化研究者。デンマーク人と結婚して13年になり、常に文化の違いに強い関心を持ってきた。イーベン・ディシング・サンダールさんナラティブ・セラピーの認定療法士など資格を持ち、コペンハーゲン郊外で個人診療を行う。専門は家族と子どものカウンセリング。翻訳者 鹿田昌美(しかた まさみ)さん国際基督教大学卒業。訳書に「フランスの子どもは夜泣きをしないーパリ発『子育ての秘密―』(集英社)など多数。
2018年04月19日運動会のかけっこの練習をしているときに5歳の息子が「昨日も○○くんに負けたし、やりたくないなぁ」とポツリ。「今、彼は心が折れている」と夫と目配せをして「大丈夫!練習すれば絶対勝てるよ」や「でもさ、いつも2番なんでしょ。それだってすごいことだよ」と思いつく限り前向きな言葉がけをしました。でも、これって間違っていたのかも!?子どもが凹んだとき親はどうしたらいいのだろう?と悩んでいたときに「レジリエンス」という言葉に出合いました。「レジリエンス」とは?金城学院大学多元心理学科の日詰慎一郎教授によると「竹のようなしなやかな心」のこと。「折れない心」と訳す場合もあります。より詳しくは「ストレスをときに跳ね返し、ときにスルーして、一時的に傷ついて落ち込んでも、しばらくするとやる気を回復して、前向きに生活を送ることができる力のこと。『人生には失敗やストレスがある』ということを受け入れ、それでいて前向きになれる力です」とのこと。さらに日詰先生が強調していたのが「ネガティブな感情にフタをするものではない」ということでした。今、そしてこれから、なぜ「レジリエンス」が必要なの?「メンタルタフネス」や「ポジティブシンキング」という言葉を聞いたことがありますか?「日々の練習や努力で、何があっても倒れない丈夫な大木になる!」というのがメンタルタフネスで、「悪いことは忘れて早く次に進む」「他と比べればまだマシ」という考え方がポジティブシンキング。「これらも重要な概念で、ストレスマネジメントの主流だったこともあります。でも、成功体験を繰り返すのは難しく、またメンタルタフネスやポジティブシンキングでは悪い考えにフタをしてしまい、心の歪みが体に出てくるリスクがあります。そこでレジリエンスに脚光が当たっているのです」と日詰先生。私の声かけは「レジリエンス」からはズレていた!?こうしてみると、私が息子にした声かけはまさにメンタルタフネスとポジティブシンキング。私自身がこう言われて育ってきたのだから、当たり前といえば当たり前かもしれません。でも時代はレジリエンス!ぜひ子どもに身につけさせてあげたい!日詰先生、どうしたらいいでしょうか?「レジリエンスは子どものころに身につけると生涯にわたり有効です。お母さんが意識して道筋を作ってあげましょう」幼少期からママにできることは?レジリエンスを身につけるテクニックはいくつかありますが、その中から小さな子どものいるママが今すぐできる4つを紹介します。1、気分転換でネガティブループから脱出させる!「嫌なことが起ったときの感情を何度も思い返すことで、より気持ちが沈んでいきます。運動をしたり音楽を聴いて気晴らしをさせ、気分転換することを教えてあげましょう」2、子どものモヤモヤした気持ちを言葉にする!「子どもが自分で自分の感情を自覚するのは難しいもの。子どもに元気がないときに『今日、嫌なことがあった?』『そのあとに考えたことや気持ちはどうだった?』と聞いて具体的な言葉にしてあげます。自分の気持ちに気づくことが、ネガティブな感情から抜け出す第一歩です」3、どんな感情もいったん受け止める!「感情を話してくれたら『それでいんだよ』『今はそういう気持ちなんだね』と表現できたことをほめ、受け止めてあげます。それだけで気持ちが落ち着くし、ネガティブな感情は持ってもいいと伝わります」4、「いいこと探し」を一緒に楽しむ!「寝る前に『今日はどんな楽しいことがあった?』と子どもに聞いて、いいことばかりを振り返ってみましょう」ある研究では、その日あった3つの良いことと、その理由を書き出すことを1週間続けると、ポジティブ感情を高める効果が半年続くと証明されているそうです。ママも子どもも少しずつ意識して変化していこう日詰先生の話を聞いてから、意識して子どもへの接し方を変えてみました。1歳8カ月の息子が転んで泣いたとき、今までだったら「痛くない痛くない。泣かないの」と言っていました。でも最近は「そうかそうか。転んじゃったね」と声をかけるようにしています。また、5歳の息子とは、その日あった良いことを、夜、お互いに報告し合うようになりました。はじめは「え〜、わかんない」と答えていた息子ですが、だんだんと報告してくれることが増え、日常の「楽しいこと」を見つけ、覚えていることが上手になったような気がします。冒頭のかけっこでのレジリエンスにつながる声かけはコレ!最後に、冒頭のかけっこでの私たち親子のやり取りを読んで、日詰先生がレジリエンスにつながる声かけを考えてくれました。「2位になって悔しいんだね。でも、前より腕の振りが良くなってるよ!」や「2位になったけど、前より1位との距離が短くなってるね」。気持ちを受け止め、いいところを見つけて伝える。効果がすぐに見えるものではないけれど、こうした日々のやり取りの積み重ねで、子どもたちにレジリエンスが身につきますように!そして私自身、日々心が折れてばかりなので、一緒にレジリエンスを身につけて、しなやかな心の母親になりたいと切に思いました!<文:フリーランス記者飯作 紫乃>
2016年11月10日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。今、メンタルヘルスの世界で『レジリエンス 』という概念が注目されています。日本語に訳すと「精神的回復力」という言葉になりますが、もう少し具体的に言えば「逆境を乗り越えて適応する力 」のことです。要するに、“レジリエンス因子”を十分に持っている人はその働きによって、精神的に落ち込むような事態に直面しても重篤なうつ状態などに陥ることが少なく、なおかつ身体面での健康も損なう確率が低い、という仮説の中核をなす概念のことです。精神科医の斎藤環さんは2016年5月発売の著書『人間にとって健康とは何か』の中で、『大衆から人気を博し支持を得る人物は多少なりとも“悪”の要素をはらんでいる必要がある が、その理由は彼らが持つレジリエンスの高さと健康さに所以する』といった趣旨の論説を全編にわたって展開されています。職場や家庭でさまざまなストレスにさらされることによって、“うつ状態”に陥ってしまうことが多い私たち現代人。レジリエンスを高めることでうつ状態は改善するのかということについて、考えてみたいと思います。●“レジリエンス因子”にはどのようなものがあるか都内でメンタルクリニックを開業する精神科医のT氏によると、レジリエンス(逆境を乗り越えて適応する力)の因子には、次のようなものがあると言います。(1)コルチゾールやセロトニンなどの生理学的なファクター(2)自尊感情(特に、多くの苦難を経験したのに自尊心が強い者はレジリエンスが高い)(3)肯定的な未来志向(4)自分を支持してくれる人がそばにいてくれること(5)ユーモアのセンス(6)好奇心が強く、新しいもの好きであること(7)楽観主義(8)鈍感力(9)変わらない愛着や愛情を注ぐ対象があること(郷土、パートナー、子どもなど)●レジリエンスを高めることでうつ状態は改善するが、レジリエンスを意識的に高めるには専門医の指導を受ける方が望ましいこのT医師によれば、「レジリエンスを高めることでうつ状態は改善するか」といった類いの問いは、『論じる必要もないほど自明なこと』だといいます。ただT医師は、「それではレジリエンスは自分で意識して高めることができるのか」という問いには、『レジリエンスが高い人の多くは育った環境などの自分では選択することのできない要素によってレジリエンスが鍛えられてきたため、既に大人になってしまったレジリエンス低めの人が努力でレジリエンスを高めるためには精神神経科の医師による専門的な指導 を受ける方が望ましい』とおっしゃっていました。●“悪(ワル)”ばかりが高いレジリエンスを持っているというのもちょっと……こうして斎藤環先生の著書やT医師のお話から考えてくると、“悪(ワル)”ばかりが高いレジリエンスを持っているというのもちょっと、どうしたものか……という思いになってしまいます。たしかに、親が何度も家業をつぶしその夜逃げに付き合ってきたような子や、勉強もスポーツも芸術も得意ではないため徒党を組んで“ヤンキー”をしていた少年少女たちが、下手なインテリなどよりたくましく地域社会でネットワークを作り、人によっては地域の活動を通して地方議員や場合によっては国政に進出するほどの出世を果たすといった例は多く、いくらでも実例を挙げることができます。もちろん、そういった人たちが“悪”だというのではなく、ワル的な強さを持っている という意味においてです。T医師が挙げたようなレジリエンス因子を、ごく普通の庶民の一人ひとりが今より少しでも高めることができれば、長引くうつ状態に悩む人はきっと減少することでしょう。そのためにはT医師が言うように「専門医の指導を受ける」か、あるいはまた「時が流れ環境が変わっても自分を支持してくれる愛すべき対象をもつ」ことが有効なのではないかと筆者は考えるのですが、いかがでしょうか。【参考文献】・『人間にとって健康とは何か』斎藤環・著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年08月16日「あの人、毎日なんだか楽しそうだな」という人、いますよね。なんにも悩みなんてないんだろうな、とつい思ってしまいますが、その人はレジリエンスが強いのかもしれません。メンタルが強い人、弱い人学校でも職場でも、メンタルの強い人と弱い人がいて、その差ははっきりわかるものではありませんか? 最近の教育現場では「折れない心を育てる授業」などが行われているそうです。そのような授業のことを「レジリエンスプログラム」と呼ぶそうです。レジリエンスとは聞きなれない言葉だと思いますが、これは「逆境から立ち直る力」のことで、授業では逆境を乗り越えたスポーツ選手などを例に挙げ、レジリエンスを鍛えているそうです。このレジリエンスが睡眠とも関係があると言われています。一体、どういうことなのでしょうか?睡眠をとっても疲労がとれない?「嫌なことがあったらサッサと寝てしまえ!」という人も多いのではないでしょうか?じつはこれあまり効果的な方法ではないようです。というのは、ネガティブな感情には強度な粘着性があるため、そのままの状態で寝ても精神的な疲労はとれないからだそう。いくら睡眠をしっかりとっても心・体ともに疲れはとれないと言われています。確かに、嫌な気分のまま寝ると、その嫌なことが夢に出てきたり、翌日にはさらに悩みが深くなっていたりすることってありますよね。どうしたら、嫌な気分を解消して、質の高い睡眠をとることができるのでしょうか?レジリエンスを鍛えよう!このレジリエンスという概念が注目されはじめたのは、今から40年以上も前の1970年代のことだそうです。思ったよりも古くからある概念なのですね。ちなみに、この概念が生まれたきっかけの1つは、ホロコーストで迫害を受けた孤児たちの研究だったそうです。どうしたら強烈なトラウマを乗り越えて、前向きに社会生活を送れるかということを研究者たちは必死に考えたということですね。その結果、レジリエンスには「思考に柔軟性があり、厳しい環境でもポジティブな面を見つけられる」ことが欠かせない、ということがわかったそうです。すぐにレジリエンスを身につけることは難しくても、意識してみると少しずつ変化が出てくるかもしれませんね。Photo by Give Me A Peace
2015年04月06日