連載記事:AI時代を生き抜く「自信が持てる子」の育て方

子どもの「考える力」を見逃さない方法【AI時代を生き抜く「自信が持てる子」の育て方 第2回】


■子どもにも意見はある。その瞬間を見逃さないためには

子どもの「考える力」を見逃さない方法【AI時代を生き抜く「自信が持てる子」の育て方 第2回】

「テレビを見ながら、『これどう思う?』と、質問してみてください。子どもたちは、意外な意見を出してきたり、鋭い分析をしてみせたりします」『家でできる「自信が持てる子」の育て方』(沼田晶弘/あさ出版)(撮影:中村 年孝)


やる気スイッチは、子どもの中にもあるといいます。

沼田先生はこうヒントをくれます。
子どもはアイデアマン。僕がニュースを見て、北方領土のことをやっていたら、子どもたちに『ロシアは何で還してくれないのかな?』と聞いてみます。すると子どもたちも一生懸命考えて、そもそもロシアってどこにあるんだっけと、地図で探し始めたりして、自分なりの意見を言ってくれます。

子どもは子どもなりにしか話せないけど、彼らにはちゃんと意見がある
それを僕は受け流さないし、耳をきちんと傾けます。すると子どもたちがどんなところに興味をもって、乗ってくるのかがわかるときがあって、それがアイデアのタネになったりするんです」

沼田先生のメソッドとして「勝手に観光大使」というものがあります。これは、子どもたちが自分で担当する都道府県を決めて、その地域の魅力は特色をPRするというもの。

沼田先生いわく「担当する地域を自身で決めたということは、この地域について自分は勉強するぞと宣言したことに等しい」とのこと。まず、その地域を知らなければPRのしようがないですから、子どもたちは一生懸命調べることになります。

沼田先生はここで終わらせません。次にあらたな課題を与えます。それはパワーポイントでのプレゼン資料作り。
すると生徒たちは、「誰よりもかっこいい資料を作りたい」と、みんな、自分で率先して学び、調べ、工夫をして資料作りに邁進(まいしん)していくそうです。

最後には、その地域の自治体の関係者にお願いし、実際に子どもたちはみごとにプレゼンをやり遂げます。

「調べる」という能力において、人はAIには太刀打ちできません。
では、子どもたちにこれから求められる能力は何かと考えたときに、「考察する力」そして「考えを言葉にする力」ではないかと、ボクは思っているからです。
子どもの「考える力」を見逃さない方法【AI時代を生き抜く「自信が持てる子」の育て方 第2回】

テレビ朝日系のバラエティ番組『ナニコレ珍百景』でも紹介された「ダンシング掃除」(撮影:中村 年孝)


みなさんも、子どもと話していて自分でも想像していなかったことに子どもが興味を示したり、くいついてきたりする瞬間があるのではないでしょうか? 沼田先生はそういった子どもの気持ちや興味を絶対に見逃さないとのこと。親もこの瞬間を見逃さずに仕掛けることで、子どものやる気スイッチを入れられるようになるのかもしれません。


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