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小学校から社会人までサッカーをしていてガツガツ行けるタイプだった夫とは正反対で、身体も小さくおっとりしている息子。トレセンにも選ばれたこともあるし、下手じゃないはずだけど、夫には息子のやる気が伝わらず「勝つ気持ちが見えない」「ほかの子を出したほうがよかった」と言う。息子は夫の目を気にしてプレーしてるし、このまま同じチームにいて良いの?というお母さんのご相談。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの知見をもとに、今後どうすべきかをアドバイスします。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<やる気が見えない息子に「ダメ人間」などと暴言を吐く夫を何とかしたいです問題期間中登録で、あなたの過干渉タイプがわかる過干渉チェックシートプレゼント>><サッカーママからのご相談>はじめまして。小学4年生(11歳)の息子が1年生の後半からサッカーをやっていますが、夫がそのサッカークラブのコーチをしています。夫自身も小、中、高、社会人、とサッカーをしており、小学生時代は自分は上手くて韓国遠征にも行ったと自分の事をよく話しています。4年生の息子は背も身体も小さめでおっとりした性格、プレーも「俺が絶対点をとる!」というようなガツガツ当たっていく感じではないそうです。かといって、本人はやる気がない訳でもないし、勝ちたい気持ちもある、と言ってます。夫は自身がガツガツ行くタイプだったようで、「息子のプレーには勝つ気持ちが見えない」「あいつ今日もダメダメだった」「A君(他の子)はすごい伸びてるし、プレーも強気だし息子よりA君出した方が全然いい」などよく言います。息子自身もトレセンメンバーに一応選ばれた事もあり、周りからもコーチの息子だしトレセンメンバーに選ばれた事もあるからうまいと思われているプレッシャーがあるのではないかと思うのですが、なにより夫であるコーチの目を気にして練習や試合をやっているのではないかと......。練習や試合会場までの送迎も一緒なので、うまくできなかったときは帰りの車内の雰囲気もよくないそうです。帰宅後も庭で自主練をやらずゲームをやっていると「気持ちがないよな」と言われた事があり、そう言われるから練習しないと、という流れになってしまっています。このまま親子同じチームでやらせていいのか、母として悩ましい日々です。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。結論から言うと、すぐにでも今いるチームを辞めさせましょう。そして、他の場所でサッカーができるよう、息子さんのプレー環境を整えてあげてください。理由は、このままでは息子さんのこころのバランスが大きく崩れてしまうことが目に見えているからです。お父さんは、自身と異なる性格の息子を認められないようです。勝つ気が見えないと自身の主観だけで息子を非難し、否定し、あろうことか他の選手と比較までしています。やる気が見えないと言いながら、子どもの自己肯定感を下げるような言動しかしていません。■あなたの夫のやっていることは、わが子に対する言葉の暴力この連載でも何度か説明しましたが、「やる気」は叱られると湧いてきません。脳科学的には、ある行動をとろうとするときに、その行動の先に快感(良い気分)が予測されることを「やる気」と言います。この「行動」と「快感」を結びつける働きをするのが、左右の大脳半球の奥にある「線条体」という神経核です。この線条体、認められたり、褒められたりすると、活発に動いてくれてやる気が出ます。ところが、ネガティブな言葉をかけられると活動しません。縮こまって停滞してしまいます。お父さんはもしかしたら、強い言葉で言えばやる気を出すと考えているのかもしれませんが、実は逆効果なのです。もしもやる気を出してほしいと思って他の子と比べているわけでもない、自分がむしゃくしゃして言ってしまったのなら、ただの意地悪だし、言葉の暴力です。いずれにせよ、過去の言動を息子さんに謝るべきです。■母であるあなた自身がどう動けばいいか加えて、お母さんが2人の間に入ってどう対応されているのか気になります。お父さんが意地悪で理不尽なことを言っても、それをお母さんがたしなめて息子さんをかばっているのなら、まだ救いがあります。日本の家庭文化はまだまだ男性優位ですが、現時点ではお母さんのほうが本質をとらえているし、息子さんの気持ちに寄り添おうとしているようです。ここがお母さんの踏ん張りどころです。息子さんのために一番良い選択は何なのか。そこをぜひ考えてみてください。私としては、息子さんに「お父さんと離れて、違うチームでサッカーをしよう」と提案してみてほしいです。そこで彼が同意したのなら、お父さんに「このままではこころが壊れてしまうし、サッカーを嫌いになってしまう。チームを替えさせたい」と伝えましょう。■両親のパターン別、子どもをつぶすリスクサッカー少年の親御さんには、今の時代の子育て観を学んでほしいと私は思っています。気をつけないと子どもをつぶすリスクがあるからです。育成年代を20年以上取材してきたなかで、両親がいる場合のリスク順に簡単に説明すると以下のようなパターンが見られました。★子どもをつぶすリスク【大】=両親ともに子どもを追い詰めるタイプ★リスク【中】=父親が子どもを暴言や理不尽な言動で追い詰め、それに狼狽する母親が手を打てないうちに、子どものこころが折れてしまう(うつ病、不登校、サッカーをやめてしまう)★リスク【小】=父親か母親のどちらかが熱血でも、片方が冷静で包容力、判断力、行動力があれば、時間の長短の違いはあるものの子育てを軌道修正できる★ノーリスク・ハイリターン=両親ともに子どもを尊重できるタイプ。主体性のある子どもが育つ■スパルタ的な指導を肯定する意見を見て、自分は間違ってないと思っているのではしかしながら、日本の育成は欧州などのサッカー大国に比べると遅れています。ネットで報じられるサッカーの育成に関する記事やSNSでも、いまだに子どもに対し威圧的に振る舞う指導者を称えたり、スパルタ的な子育てを肯定するものが目立ちます。そういった情報を、お父さんが見てしまって「自分はこのやり方でいい」と思い込んでいるかも知れません。人は「育てられたように育てる」動物ですから、長年そのように指導されてきて、韓国遠征をするような選手だったのであれば「俺は厳しい指導のお陰で成長した」と考えてもおかしくないでしょう。■子育ても指導も今の時代に合わせてアップデートが必要その一方で、厳しい指導を奨励し、S級をとってプロの指導者になった元Jリーガーたちが過去に何人もパワーハラスメントで訴えられたり、ライセンスをはく奪されたり、監督を辞めさせられたりしています。これに対し、選手として長く海外でのプレーを経験したり、指導を学ばれている指導者はそういったことがありません。彼らはずっと先を歩いています。つまり、お父さんには新たな学びが必要なのです。今回は自分の息子でしたが、今後ほかの子どもに対して不適切な指導をするかもしれません。ぜひともお父さんを啓もうできそうな本を買ったり、記事を見せるなどして夫婦で話し合ってみてください。■父親が厳しく指導したのち不登校、サッカーをやめたケースも(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)私が取材したなかで、息子さんが中学生に入ってサッカーをやめたケースがあります。父は少年サッカーのコーチ、息子は選手。そのいびつな関係性が続いた結果、父親に激しく叱られた後、息子さんは不登校になりそのままサッカーもやめてしまいました。その家庭は、父親が常に強権をもって、母親がハラハラしつつもそれを止められないままでした。お母さんは私を頼ってくださいました。できればのちのち後悔しないよう、夫との関係性を見直し、これから少しでも対等に話し合って家庭を運営できるようにしてください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2025年01月08日身体能力も高くサッカーの才能もあるのにやる気が見えない息子。そんな息子に夫は毎日イライラ。息子も試合当日の朝練で上手くいかないと夫に当たり、空気が悪いまま試合に行くという......。試合に勝ってもひどい言葉を浴びせるし、言うのを辞めてほしいと伝えれば「もう知らない」と見捨てる発言。最近ではサッカー辞めさせようとしてる。どうしたらいいの?というご相談。スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、お母さんにアドバイスを送ります。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<最後の試合も上手な下級生優先でわが子ひとりだけほぼ出場なし。これまでしてきたチームへの手伝いは間違っていたのか問題サッカー少年少女の考える力やチャレンジ精神を育てる方法をLINEで配信中>><サッカーママからのご相談>こんにちは。やる気の無い息子(11歳・小5)と温度差のある父(夫)について相談させてください。息子は年長からサッカーを始めております。本人がしたいと言った訳ではなく、引っ越しした事もあり、まずは友だち作りの為にはじめました。1年生になる頃には夫との自主練で泣いたりする様になり、お互いイライラしながらの自主練になっていました。息子は正直、身体能力も高く才能はあると思います。なのに、イマイチやる気が見られないんですよね。そんな姿に夫はイライラする毎日......。試合の朝など、自主練をしても出来ないとイライラしだし、夫に当たる事が毎回。それに対して夫もイライラして帰宅し、空気が悪い中、試合に行くと言う日々です。夫のほうも、試合に勝っても「弱い相手に勝って喜んで何が嬉しいんだ」「こんなやる気ないなら今すぐ辞めてほしい」「ダメ人間」など、聞いていて私でも嫌になる言葉を浴びせます。「そんな事言われたらそりゃ、やる気出ないでしょ」と私が言っても、そうだなと思う事も無く「じゃあもう知らない」と見捨てる様な発言。最近はもう、年内の公式戦を最後に休会か辞めると夫が決めています。私もどうして良いかわかりません。サッカーを続けてくれたらと思う気持ちもありますが、そんな事(夫からのひどい言葉)を何年も言われ続けたら何もかもできない人間になるのではと心配です。夫や息子が前向きになれる様にするにはどうすれば良いのでしょうか。サッカーを通じた子育て、ではなく家族間の問題を相談するような形ですみませんが、何か助言をいただけると幸いです。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。わずか6歳か7歳の小学校1年生に自主練を(恐らく)やらせて泣かせる。「今すぐ(サッカーを)やめろ」「ダメ人間」などと言ってしまう。そのうえ、年内の公式戦を最後に休会、もしくはサッカーをやめさせることを夫が決めていると書かれています。このような子どもの人権を無視した拒絶的な態度や暴言は、子どもに心理的外傷を与えます。エスカレートすれば子どもへの心理的虐待になります。私は息子さんがかわいそうでなりません。■あなたのとらえ方がズレている「将来」じゃなく「今」のつらさに目を向けてそれなのに、お母さんはとらえ方がかなりズレているように私には見えます。例えば「そんな事(夫からのひどい言葉)を何年も言われ続けたら何もかもできない人間になるのではと心配です」と、今現在の彼のつらい気持ちよりも、何もできない人間になったらどうしようと将来を案じています。さらには「夫や息子が前向きになれる様にするにはどうすれば良いのでしょうか」と私に質問しておられます。大人の夫と、わずか11歳の息子を同等に置いてはいけません。夫は前向きになる前に、猛省しなくてはなりません。お母さんには失礼な言い方ですが、あまりに能天気すぎるのではないでしょうか。■わが子が期待通りでないと、自分の子に嫌悪感を抱く父親がいるまず、一般論を言います。父親が心理的虐待をしてしまうケースは、少年サッカーでは少なくありません。期待が大きければ大きいほど、目の前のわが子の姿が自分の期待通りでなければ、父親はわが子に対し強い「嫌悪感」を抱く傾向があります。嫌悪は憎悪に姿を変え、心理的虐待に及ぶまで時間はかかりません。そうなったとき、子どもを救うのが母親の役割です。■息子の味方であってほしい母親のあなたも「やる気のない息子」を悪いと結論付けている次にこの相談について。父親から虐待まがいの扱いを受けている息子さんが唯一の味方であってほしいはずのお母さんは、彼の気持ちに寄り添っているように見えません。なぜそうなるのか。それは、お母さんもお父さん同様に「やる気のない息子」を嫌悪しているからです。相談文の冒頭に「やる気の無い息子と温度差のある父」と表現されています。他にも「イマイチやる気が見られないんですよね」と書かれています。お母さんはお父さんの態度は良くないと断じつつ、こころのどこかで「でも、やる気のない息子も悪いんだよね」と結論づけていませんか?■息子さんのやる気を奪っているのは両親ともになのでは?やる気がなくて何が悪いのよ?と私は思います。私なんてしょっちゅう仕事にやる気をなくします。しかも息子さんはまだ11歳の子どもです。もっと言えば、そもそも息子さんの意欲を奪っているのはご両親ではありませんか?私は親向けのセミナーも行っていますが、保護者から「やる気スイッチはいつ押せばいいか」と相談されるたびに、「そんなものはありませんよ」と言って、脳科学のエビデンス伝えています。拙書『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』を執筆する際、諏訪東京理科大学共通教育センター教授で脳科学者である篠原菊紀先生に取材しました。それまでも何度もお話を聞いてきた、教育をベースに脳科学を研究されてきた方です。先生によると、ある行動をとろうとするときに、その行動の先に快感(良い気分)が予測されることを「やる気」というそうです。この行動と快感を結びつける働きをするのが、左右の大脳半球の下側にある「線条体」という神経核になります。スポーツであれば、こうやって練習したら上手くなるに違いないと思うと意欲的になれますね。■暴言や過度な指示命令は「恐怖学習」抑圧するほど子どものやる気は出ないところがこの線条体は、誰かに否定されたり、怒られると動きが鈍くなります。つまり、大人が暴言や過度な指示命令で抑圧すればするほど、子どものやる気は出ません。脳が意欲的にならないからです。それなのに、大人たちは発奮させようと「渇を入れる」などとガツンと怒ったりします。この方法は「一発学習」別名「恐怖学習」とも言われ、子どもの記憶に強く残るため、一時的にパフォーマンスが上がります。つまり、即効性が高いのです。よって、学校現場やスポーツ指導、それこそ子育ての場面でも、手っ取り早い一発学習が長く採用されてきました。ところが、恐怖学習が繰り返されると、子どもはそれがトラウマになりバーンアウトしやすいという副作用が生じます。怒鳴られたり、たたかれるような強い刺激を受けてしまうと、それなしでは物事に取り組めなくなります。小学1年生から自主練で泣かされて、こんな心理的虐待まがいの扱いをされれば、意欲を失います。ミスしたらお父さんに怒られる。試合に勝っても「弱い相手に勝って何が嬉しいんだ」と叱られる。何も認められず、励まされもしない。線条体は鈍いままです。■希望を感じる二つのこと1つ目は「親に抗う力が残っている」こと、もう1つは......(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)それでも、二つほど希望を感じます。息子さん、試合の朝に自主練をして、何かが出来ないとイライラしてお父さんに当たったのですね。親に抗う力が残っているのが救いです。そして、もうひとつの救いは、お母さんが私に相談してくださったことです。「最近はもう、年内の公式戦を最後に休会か辞めると夫が決めています。私もどうして良いかわかりません」と書かれているところをみると、お母さんは夫であるお父さんにある意味支配されていないでしょうか?夫婦は対等でしょうか?家庭内のすべてのことはお父さんが決めてしまうことになっていませんか?パワハラ夫のことで私に相談してくる女性たちの多くが、夫と渡り合う言葉を持ちません。彼女たちは「言い負かされて何も言えない」と頭を垂れます。そこで、私は「説明なんてしなくていいんだよ」と言います。どちらが正義か。論点はそれだけでもいいと思います。お母さんも夫に対し長々と説明する必要はありません。「この子には人権がある。自分で決めなさい。自分の好きなことをしなさい」と息子さんに言ってあげましょう。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年12月18日年中からサッカーしているが、公園で友達に誘われてもサッカーしたがらない、サッカー経験者の夫ともサッカーしない。上手くなりたいと言うけど自主練は嫌がる。下手を自覚しているのにバレたくない感じを出すし、上級生が「教えようか」と言ってくれても拒否。本当にサッカー好き?楽しんでるわが子を見たいのに、しんどい。というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、悩めるお母さんにアドバイスを送ります。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<コーチのアドバイスに聞く耳を持たず言い訳ばかりする息子。父親として何もできず悩みます問題サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>><サッカーママからのご相談>年中からサッカーを習い始め、「サッカーを楽しもう!」と言うチームに小2まで通っていましたが、あまりにも技術が身に付かず。自分でも下手な自覚はあるようでした。公園などで友達に誘われてもサッカーをしたがらない、サッカー経験のある父(夫)ともやりたがらない、なぜサッカーをしているのか親としては分かりませんでした。小3になり、上手になりたいと言うようになったので話し合い、本人の意思で 昔から強いと評判の少年団に入りました。少年団は、みんな基礎がしっかりしていて、勝つ為にサッカー中心の生活をしている子ばかり。やる気がない子には怒るし、上手くなると褒めてくれるような子ばかりです。以前に比べたらドリブルもずいぶん上手くなりましたが、練習中も試合中も周りがガツガツ動くのでボールを触る回数はわずかで、試合に出してもらえるのも勝ちが決まった試合の後半などのみ。コーチも上手な子たちに比べて我が子には期待もしていないのか、特に声を掛けたりもほとんどない状態。 試合から帰宅すると「何もできなかった......」と落ち込んだ様子ですが、だからと言って自主練をするわけでも試合の動画を見返すわけでもありません。練習中も、自分が下手なのを見られたくない、バレたくない、と言った感じが伝わってくるような気まずそうな顔をしていたり、「教えようか?」と上級生が来ても「今はまだいい......」と拒否したり。親としては見ていてもどかしく、サッカーが好きなのかわからなくなっています。辞めることを提案しても辞めたくないと必ず言うし、頑張りたい、上手くなりたいと言うけれど自主練を嫌がったり、「アドバイスされると命令されてるみたいで嫌」と嫌がります。自信がない中でも毎日文句ひとつ言わず練習に通い頑張っているとは思うし、昨日の自分と比べたら上手になったね!と褒めてはいますが、もっとチャレンジしなさい、考えなさい、練習しなさい、と言ってしまっているのも確かです。関わり方がわからず最近しんどいな、と感じています。きっと本人はもっと息苦しい思いをしているかもしれません。楽しんでプレーしている息子が見たいから、もう何も口出ししない、褒める以外は何も言わない、と決めたのですが、試合中ベンチで砂いじりをしている息子を見て叱ってしまったり、結局どうしたらいいのか頭を悩ませています。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。結論からお伝えします。お母さんは何も悩む必要はありません。ご相談文に書かれているように「もう何も口出ししない、褒める以外は何も言わない、と決めた」を貫かれたらいいのです。正しい道をご自分できちんと見つけています。■口出ししない、褒める以外何も言わないの判断はとても良いお母さんが頭を悩ませている対象は、息子さんではなく「砂いじりをしている息子を見て叱ってしまったり」する自分自身ではありませんか。仮にそれをお話ししたら、恐らく「わかってはいるけどできないんです。だから困っているんです」と言われそうな気がします。こうすればいいとわかっているけれどできない。そんなとき、私たちはどうすればいいでしょうか。私が提示したい対策があります。それは、お母さんが「こうすればいい」と考えた理由を深く掘り下げること。例えば「なぜ、そうすればいいのか」。多くの「なぜ?」を考えましょう。そこが腹落ちすれば「こうしたほうがいいんだよねえ」と漠然と感じてきたものが「絶対にこうしよう」という信念に変わります。そもそも、口出ししないと決めたのは、干渉することは逆効果だと感じたからではありませんか。さらに「褒める以外は何も言わない」は否定することが、悪影響だと考えたからですよね。この手法の変更は、とても良いと思います。信念に変えるため、やってほしいことが2つあります。■言葉や行動の表面で判断せず、その裏にある「なぜ?」を考えようまず息子さんの言葉や行動の表面だけ見て判断せず「この子はなぜこうなるのか?」という「なぜ?」を、ここでも考えましょう。例えば相談文に「下手な自覚はある。公園などで友達に誘われてもサッカーをしない、サッカー経験の父親ともやりたがらない」とあります。さらに「辞めることを提案しても辞めたくないと言い、頑張りたい、上手くなりたいと言うけれど自主練を嫌がり、アドバイスされると命令されているみたいで嫌と言う」とお子さんの様子が詳細に書かれています。この状況、私からは、公園でやらないのは友達に何かネガティブなことを言われるかもしれないと予防線を張っているように見えます。サッカー経験のある父親からも同様の予想をしていると思われます。お母さんから見ても、自分が下手なことを知られたくないことが伝わっているようです。この様子からすると、今息子さんは、サッカーに取り組むために必要なエネルギーがなくなっている状態です。車がガス欠のため、自分で懸命に押して動かしているようなもの。ガソリンになる自己肯定感が著しく低下しています。■一見ポジティブだけど「現状のままではダメ」という意図が含まれている声かけになっているそして、それは息子さんのもともとの性格もあるかもしれませんが、周囲の大人たちの接し方に課題があるのかもしれません。砂いじりをしたことを叱るなど最近言い過ぎたということのみならず、息子さんが小さいときからの子育てはどうだったかに注目してみましょう。励ますつもりが「もっと挑戦しなさいよ」などと命令調になっていなかったでしょうか。ああしろ、こうしろと、本人の意見や好き嫌いを無視して指示や強制をしていなかったでしょうか。もっと挑戦しなさい、という言葉は、一見励ましているような、ポジティブな言葉に聞こえます。が、「もっと○○しなさい」は、現状のままではダメだという否定の意味も含まれます。無論、「もっとできると思う。信じてるよ」といった励ましが効果的なタイミングもありますが、それは、すでに子どもがそのことを、ある程度主体的に自分で考え遂行できているときです。今の息子さんには「僕はOK。どんなことがあっても大丈夫」といった自己肯定感が持てていません。それなのに強い言葉や態度で追い詰められるので、「お母さんやお父さんはいつでも助けてくれる」といった心理的安全性も確保されていない。こころのコンディションがよくありません。このような状態なのに「努力しないのになぜサッカーしてるの?」とか「本当にサッカー好きなの?」と自分への評価を突きつけられています。もうお気づきだと思います。これは息子さんではなく、お母さんの問題なのです。「え?私が悪いの?」とショックかも知れませんが、そこを逆手にとってください。■家を安全基地にすることで子どもはエネルギーをチャージできる(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)なぜならば、お母さんが変わりさえすれば、息子さんは変わる。このように考えて、矢印を自分に向けましょう。これが2つめです。ただし、何か新しいことをする必要はありません。冒頭で申し上げたように、すでにお母さんは対策を知っています。「何も口出ししない、褒める以外は何も言わない」これが正解だという確信をもって、ご自分の対応を変えましょう。そして夫にもそのことを伝え、家庭を息子さんが安心して過ごせる安全基地にしてください。そうすることで、息子さんはエネルギーをチャージできます。昨日の自分と比べたら上手になった、などと褒める必要はありません。自分がうまくなったかどうかは本人が一番わかっています。美味しいご飯を作って洗濯をしてあげてください。そして、君がご機嫌に過ごしてくれれば十分だと伝えましょう。何かしなければという足し算ではなく、無駄なことを削っていく引き算で子育てしてください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年11月20日未就学児や1年生から始めた子もいれば、4年生からサッカーを始めた子もいるチーム。技術差があるけど一緒に練習しても大丈夫?レベル差で分けて、基礎から教えたほうがいいの?という質問をいただきました。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上のあらゆる年代の子どもたちを指導してきた池上正さんが、レベル差のあるチームでみんながうまくなる方法を、具体的な練習メニューとともにお伝えします。(取材・文島沢優子)親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ケンカやいさかいが絶えないチーム、真面目な子に迷惑がかかるから解決したいけど、どうすればいい?<お父さんコーチからの質問>初めまして。今年の2月からサッカーの指導者(見習い)をはじめた者です。(指導年代:U-10)同じような質問がこれまでもあったと思いますが、改めて教えて欲しいです。1年生からサッカーをしている子と4年生から始めた子では実力差があるのですが、どういう練習方法がいいですか?練習でサッカー経験の長い子と短い子を混ぜてもよいものですか?レベル別にグループ分けをして、歴の短い子たちに基礎から教えた方が良いのでしょうか?また個人によりやる気の差があるのですが、小学生のやる気を上げられる練習方法もお願いします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。皆さんがおっしゃるところの「実力差」は主に止める蹴るという足元の技術かと思われます。でも、私はその技術のあるなしにかかわらず、戦術的な練習をしてもらいます。講習会などで「技術がないのにそんな練習をしていいの?」といった意見は多く聞かれます。よって、そこに来た子どもたちに「今から試合するよ」と言うと「え?試合するの?」と不思議そうな顔をします。■技術=止める、蹴るだけではないサッカーの成り立ちを理解させる練習をして対面パスをしたり、コーンドリブルをして足元がうまくならないと試合をしてはいけないと思い込んでいるようにも見えます。大人から「うまくなるためには練習しろ」と言われるので、そのためには止める・蹴るができないといけない。技術をそんなふうにとらえているようです。どうかそのような考え方をやめてください。低学年からでもサッカーの成り立ちを理解するために、ゲームや2対1などオープンスキルの練習をたくさんやらせてください。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■仲間に「教える」というのも学びになる初心者の子どもには、先にサッカーを始めていてある程度できる子たちが教えてあげればいいのです。うまくいかない仲間をどう助けるか。そんなことを考えて工夫するのも大きな学びになります。例えば、初心者の子がボールを止められなかったら、ミスしたその子を責めるのではなく、パスしたほうの子にも「名前を呼んだり、パスするよって言ってあげるとやりやすくなるね」と大人がアドバイスしてください。また、4年生くらいならばレベル分けせずにやったほうがいいでしょう。5年生ならば高学年とやることもあるので、時には分けてやる必要はあるかもしれません。いずれにしても、子どもたち個々のプライドもあるのでそこを考慮して大人は動きましょう。■楽しくなることが最優先!トレーニング中の様子をよく観察しようモチベーションアップについては、最初は外発的な動機付けからスタートしてもいいでしょう。楽しくなることを最優先します。提案したトレーニングが楽しそうかどうかをよく観察してください。そして楽しくなるのはどうしたらいいか?を考え続けることです。とはいえ、どの子でも楽しめる万能な練習はありません。ほとんどの場合、その練習がはまる子、はまらない子に分かれます。はまるトレーニングが多くなっていくと、「やりたくない」という子は減ります。半分以上の子が楽しんでくれれば、最初はそうでもなかった子どもたちもつられて一緒にやるようになります。■考案した練習メニューがはまらないときには......それでも、そうじゃない子は出てくるので、そういった子どもとどう向き合うかが課題になります。まずはそういう子たちに気づいてあげましょう。コーチが「あまり楽しくないかな?じゃあ、メニューちょっと変えてみよう」とか「やり方をもう少しやさしくするね」と提案してください。そうすることで「コーチは自分を見てくれている」という信頼感にもつながります。■全員が参加できて楽しめる、結果的に上達する練習メニュー例その逆で、練習がうまくいかなかったり、子どもが楽しめず集中できないと「やる気がない!」などと子どものせいにする指導者は少なくありません。どうかベクトルを自分に向けて工夫してください。工夫のひとつは、勝ち負けがあるメニューにして、そこにペナルティをつけることです。例えばあとで入ってきた子どもたちがシュートを入れると10点にする。あるいは、その子たちからパスをもらってゴールを決めたら10点にする。遅れて入ったためまだ力が追い付いていない子どもたちを主役にします。そうすれば孤立することなく、一緒に楽しめます。パスがたくさん集まるため、そういった子どもたちの練習になり結果的に上達します。このように、あるルールでやったとき、子たちがどう考えてくるか。そこを観察します。じゃあ次はこんなふうにしてみるけど、どうかな?と、子どもたちに提案し意見を聞きます。より全員が参加できて、全員がより楽しくなるかたちを追求するのです。■日本サッカー協会が伝えている「練習のオーガナイズ」とは以前、小学校の巡回指導の際にサッカー経験のある男子はゴールしても0点で、サッカー経験のない女子が決めたら2点という設定にしました。すると得点にならないのに、サッカークラブに通っている子どもたちが終始自分たちだけでサッカーをし続けました。他の子どもはほぼコートに立っているだけでした。そんなときは、さらにまたルールを変えます。「じゃあ、次はこんなルールにしたら君達はどう考えますか?」と問いかけます。若干ストレートな表現になりますが、子どもたちを困らせるような提案をする。それが、サッカー協会が皆さんに伝えている「練習のオーガナイズ」です。私の練習を見に来られた方々が「めちゃめちゃカオスな時間ですね」と感想を述べられます。何が起きてるかわからない。でも、確実にサッカーをしている、と。とはいえ、そもそもサッカーの試合はカオスになります。親が変われば子どもも変わる!?サッカー少年の親の心得LINEで配信中>>■中学生でも鳥かごでダイレクトの指示が入ると動き方がわからなくなる(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)先日、私が指導する中学生に5対2の鳥かごをしてもらいました。5人は移動しながら、動きながらパスを回してもらいます。途中で私が「はい、ダイレクトで回して」と伝えると、全くできなくなりました。集めて「どうしましたか?」と聞いたら、「難しい」と首をひねっています。5人が動くから、ごちゃごちゃになって「どこに行けばいいかわからない」と言います。そこで、「相手が上手くもらえるところを探してみよう」と伝えました。もうひとつ「最初からできなくて当たり前だから。できなくていいんだよ。こんなときどうしようかなって考えることが一番大切なんだよ」と伝えました。考えてやってみたけどうまくいかなかった。相手に何度も取られる。でも、そこで投げ出さず、失敗を繰り返さなくてはうまくならないのです。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2024年07月26日ジメジメと蒸し暑く、不快な梅雨の時期。朝起きただけで、なぜかすでに疲れていて、なんのやる気も起きない時がありませんか。それでも、仕事や勉強、家事、育児など、やらなくてはいけないタスクが毎日詰まっているため、どうにか身体を動かさなくてはいけませんよね。やる気の出し方2024年6月26日、も~(@mori2ta)さんは、自身が実践しているという、『やる気の出し方』を漫画に描き、Xに投稿。その内容が反響を呼んでいます。も~さんのやる気を出す方法は、ずばり『島民』になりきること!ハワイアンな音楽をかけ、派手なワンピースを着て、食べ物に『南の島にありそうなネーミング』を付けて食べると…自然と気分が上向きになり、モチベーションが上がるといいます。確かに、心地よい環境で、気持ちに余裕が生まれると、身体もスムースに動くことってありますよね。投稿には多くの『いいね』が付き、「意外と効果があるかも。幸せな気持ちになるライフハック!」「最高。明日職場で実践する」「笑った!ド派手なワンピースを調達します」などの声が寄せられていました。ちなみに、食べ物のネーミングは、適当に『ルレ』『モギ』など2文字で付けるとそれっぽくなるとか…。あなたも、南の島で気ままに暮らすイメージをしながら、充実した1日を過ごしてみてはいかがでしょうか!なお、も~さんはブログでも日常漫画を公開しています。気になる人はチェックしてみてくださいね。も~さんの隙あらば自分語り[文・構成/grape編集部]
2024年07月03日最近なんだかサッカーに対してのやる気が感じられない。という状況も保護者の皆さんを悩ませる原因の一つですよね。自主練もしない、練習も行きたがらない時がある。子ども自身、何か悩んでる?と感じてもどうしたらいいか意外と分からないもの。先輩ママであるサカイクアンバサダーの皆さんはそんな時どうしているのか聞いてみました。写真はサッカー少年のイメージ<<関連記事:サッカー少年のママたちの大敵「人工芝」先輩ママがやってる対策を紹介サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!>>■サッカーに対してやる気がないとイライラする?心配する?子どものサッカーを楽しんでることが一番だけど、何となくやっているだけに見えたり、自主練をしないなど、やる気が感じられない状況にイライラやきもきしてしまうこと、ありませんか?サカイクInstagramのアンケート結果「周りの子みたいにやる気を出してほしい」「自分から『やる』って始めたのに」といった嘆きを聞くこともあります。一方で、もしかしたらチームで嫌なことがあったのかな?サッカー行きたくないのかな?と心配になることもありますね。お子さんによって対応は変わりますが、先輩ママのエピソードを参考にしてみてください。■褒めたり、本人の良いプレー集を見せて気分を良くするサカイクアンバサダーの皆さんからは以下のような回答をいただきました。・他の好きなことで満たしてあげた・とにかく良い時のプレーを褒めたり、良いプレーやゴールシーンだけを編集して見せた。良いシーン集はうちの子にはテンション回復にかなり効果があります。・いい時のプレーを見せたり、プロの試合を一緒に見たり、一緒に自主練しようと誘って、とりあえずどんな些細なことでも褒める。低学年なこともあるけど、基本はサッカーが大好きだから、気分を上げるのは今のところは簡単です(笑)・行きたくないと言った時、「じゃあ休んだら」と言ったことはあります。小学生ですし、まだサッカーだけが全てじゃないので。それで休んだことも、やっぱり行くー!ってなったこともあります・行きたくない日は休ませました。本人も「今日は休もうかな」って感じで。現在中学生ですが、サッカー続けてますなど、サッカー以外の好きなことをさせたり、撮り溜めていた良いプレー編集して見せるなど親の愛情が感じられる回答でした。■本人の気づきを促す上記以外にも・将来どうなりたいのか、そのために何が必要なのか、それで夢は叶うのかと言葉をかけるといった回答や・活躍された方が小学生年代に悩んだ気持ちが書かれた本を読んであげたり、インスタに上がっている元選手の名言集(本田圭佑さんやイチローさんなど)を見せる。うちの子には親が『頑張って』と言うより効くようですと、本人に気づかせる対応をしている方も。■子どものサッカーで何より大事にしているものAチームからBチームになった、試合でミスしたことをからかわれた、サッカーやってない友達と遊びたい、などサッカーに行きたくない理由もその子によって違います。ですので、親の対応はそれぞれですが、多くの方から寄せられたのは「言い方には気を付けている」ということです。みなさん「サッカーを楽しんでほしい」「サッカーを好きでいて欲しい」との思いを一番大事にされているので、追い詰めるような言い方はしないよう心掛けているようです。「親は監督、コーチじゃないし応援するだけ」「親は子どもの一番のファンだから」といった声も寄せられました。■子どもは親が思うより考えている写真はサッカー少年のイメージ中学生以降のお子さんを持つお母さんからは、子どもが小学生だったころを振り返ってこんなアドバイスも。「子どもって意外と考えて、頑張ってやってるから。やる気がないって思ってるのは親だけ。親が『うちの子やる気ないな』と感じていることを子どもも感じ取るから、ますます子どものテンションが低くなるのかな、と。今日は疲れているのかな?ぐらいの感じで子どもとコミュニケーションを取ったら良いと思います」■小学生年代で上手い下手、出れる出れないは最重要じゃなかったそして、先輩ママからサッカー少年少女の保護者に伝えたいこととして、今目の前の結果に一喜一憂しないことが大事だと教えてくれました。「小学校の時は、上手い下手とか、出れる出れない すごい一気一憂してたけど、高校生になると、今までサッカーが好きで続けてることにすごい価値を感じるようになりました。仲間やいろんな人とふれあえて。そう思うと、小学生の時は『もっとうまくなって欲しい』と思っていたけど、大事なのはそこじゃなかった。それを小学生の保護者さんに伝えたいですね」いかがでしょうか。好きで始めたサッカーのやる気が感じられなくなると、親は色々心配してしまうものですが、先輩ママたちが教えてくれた「こんな風に乗り切ってます」というエピソードを参考にして、思い詰め過ぎないようにしてくださいね。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!>>
2024年05月29日今回のお仕事ハックは「やる気が何か分からない」とのお悩みについて、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。やる気が何か分からない上司からよく「お前はやる気が感じられない。やる気を見せろ!」と言われます。でも私は自分なりにやることはやって普通に働いているつもりです。一体、やる気ってなんなのでしょうか?そんなにやる気って大事ですか?(制作職/20代)「やる気がない」「やる気を出せ」「やる気を見せろ」。日常的に使われるフレーズですよね。でも、これらの表現、よく考えたらとても曖昧。「やる気」という、そもそも目に見えないものを「出せ」「見せろ」と要求され、「見えない」と文句を言われた日には……出してるわーーーーい!と、反論したくなることだってあるでしょう。なぜなら、目に見えないものについて、「ある」「ない」「出してる」「出してない」と論議しているわけなので。……何が言いたいのかというと、今回のお悩みを読んで、そもそも「やる気」という言葉のチョイスに問題がある!と気づかされたのです。職場は経済活動を行う場所。つまり売り上げに結びつく何らかの貢献をすることが求められます。営業職のように売り上げがハッキリ分かる職種でなくても、部署やチームの中で何らかの貢献をしていたら、つまり仕事ぶりが評価されていたら、「やる気が感じられない」とは言われないはず。もちろん中には「仕事はできるが態度が悪い」「仕事はできるが遅刻が多い」といった人もいたりしますが、その場合もっと具体的な言い方で注意されると思います。では、「やる気」は、何を注意したい時に使われる言葉なのでしょう?「やる気を見せろ」と叱ってくる人は、あなたに何を求めているのでしょう?「自発性」だと思います。「自分なりにやることはやって普通に働いているつもり」とあなたは言っており、おそらく上司もそこは分かっているはず。でも、上司は満足していません。なぜならあなたの仕事に自発性を感じられないから。ものすごくシンプルに例えると。「この窓を拭いておいて」と指示された時、隣の窓も汚れていたらそこも拭いてきれいにする人は、“やる気のある人=自発性のある人”。そこまでは指示されてないし、と放置する人は、“やる気が感じられない人=自発性のない人”。つまり、「やる気がない」とは、最低限のことしかしない、言われたことしかやらない、「こうすればもっと良くなると思ったのでこうしてみた」などの+αを加えない……ということ。どうでしょう、思い当たる部分ありませんか?「思い当たるけど、それをダメだと言われるのはちょっと……」と感じるのであれば、今の職場や職種はあなたに向いていないのかも。人それぞれ望む働き方は異なるものですし、職場によっても人材に求める意識や姿勢は異なります。指示されたことを正確にやれば基本的にはOK、という職場や職種もあるので、異動や転職を考えるのも一案です。一方、「やる気ってそういう意味か……今後は自発性を持つよう意識してみよう」と思えるのであれば、今の環境で心機一転、頑張ってみましょう!自分なりに真面目にやっている時に言われる「やる気」とは「自発性」のこと。注意された!なんで?と腑に落ちない時は思い出してみてください。Point.・「やる気」は目に見えず定義も曖昧なので、自分と他者との間で齟齬が生じやすい・真面目に仕事をしている時に言われる「やる気を見せろ」=「自発性を見せろ」・言われたことしかしない、+αを加えない、などが自分に思い当たらないか考えてみよう・求められる働き方と自分の望む働き方が一致していないなら、異動や転職を考えるのも一案(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
2024年05月28日人って、意識が変われば急激に成長しますよね。うちの小学5年生の娘が、今年に入ってから変わってきました!! 以前の記事 でご紹介した通り、娘は小学1年生の時から週1(3時間)でバドミントンの練習に参加しています。 一度もやめたいと言ったことはないものの、「バドミントンが好きだから参加する」というよりは、「練習があるからとりあえず参加する」というようなスタンスで続けてきました。そんな娘の意識が、今年に入ってから少しずつ変わってきました。■突然「やる気スイッチ」ONになった娘バドミントンが楽しいからもっと練習に行きたいと言いうようになりました。そんなことを言われれば、親も頑張らないわけにはいきませんよねぇ…親も基本的には一緒に参加するのがルールなので(練習補助のお手伝いがある)、私も娘に付き添って週3でバドミントンに参加するようになりました。先日のゴールデンウィークも家族でバドミントン三昧でした…正直しんどいですぅ(泣)けれども娘は全然大変そうじゃなくて、きつい練習も余裕でこなしています。子どもの体力恐るべし!です。やる気スイッチがONになってからは、家でも自主練をするようになったし、試合の後はどこが悪かったのか反省ノートも書くようになりました。練習の準備(ネットを張ったり)や後片付けも、率先してやるようになりました。小学五年生になって、もうすぐ最上級生になるという自覚が芽生えてきたからなのか、娘の意識が大きく変わってきたことに、ただただ驚くばかりです!今までの三倍以上練習するようにはなったけれども、昔から頑張ってきた子に追いつくのは、やはりとても大変です。試合ではまだまだボロ負け。反省ノートを書きながら、「一年生に戻りたいなぁ」とつぶやいていました。一年生の時から頑張れば良かったと後悔しているようでした。■過去の自分に戻りたいという娘に…私は、娘にこの「後悔する気持ち」が芽生えたことがとてもうれしかったのです。今までは、試合で負けてもなんとも思っていない感じだったのが、1年生に戻って練習したいとまで思うようになるなんて!!!生きていれば後悔の連続ですよね。その後悔を糧にして、未来をよくするために今どうすればいいのかを自分で考えて行動できるようになってほしいなぁと思います。さて、バドミントンのやる気スイッチはONになったものの…こちらのほうも早いとこONになってほしいと願う母なのでした〜(泣)
2024年05月15日将来の夢はプロサッカー選手と言う割に、親が声をかけないと自主練はしないし暇があるとテレビ、YouTube、ゲームの息子。プロ選手からの直接のアドバイスも響いてない。本人がプロになりたいなら出来るだけ支えるけど、モチベーション上げるのって親の役割なの?というご削談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに3つのアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<J下部で出場機会がない息子は13歳。中学生はまだ自分で判断できない子どもだから親はどう導けばよいか問題<サッカーママからの相談>こんにちは。色々な悩み相談、いつも参考にさせてもらっています。ご相談したい内容は、「そもそもどうして親が子どものモチベーションを上げる必要があるのか?」ということです。息子は4年生(10歳)で、1年生の頃から近所のサッカーチームに所属しています。メンバーがあまりいないので、ほぼレギュラーで試合に出ており、勝ったり負けたり楽しそうです。練習も楽しそうに参加してますし、臨時のサッカースクールなども本人の希望で参加したりしています。ただ自主練はほとんどしません。親が声をかけてしぶしぶしています。将来の夢はプロサッカー選手らしいのですが、暇があればテレビ、YouTube、ゲームです。現役のプロサッカー選手とマンツーマンでパス練習をする機会があり、直接アドバイスを頂きましたが、全く響いていませんでした。プロになりたいのなら出来るだけの支援と応援をしたいとは思いますが、親がモチベーションを保たせる努力をすべきなのでしょうか?私としては、好きで好きで自主的に頑張れる子や、天才的な才能を持った子がプロになれるんじゃないかなと思っていて、我が子はイメージに当てはまりません。正直、この段階で自主練を嫌がっている様ではプロはムリだろうと思っています。ちなみにここのサイト(※編集部注:サカイク3分間トレーニングと思われる)に倣って、YouTubeのボールタッチ10分を習慣化させようと半年声掛け頑張りましたが、声をかけなくなったらやらなくなりました。やった日はカレンダーにシールを貼ったり、頑張った月はご褒美を用意したりしましたがダメでした。それでも本人がプロになりたいと言っている以上は、日ごろから親がモチベーションを高めるような声掛けや環境づくりをした方が良いのでしょうか?親の諦めが早すぎでしょうか?<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。メールに「いつも参考にさせてもらっています」とあるので、この連載を読んでいただいているようです。ありがとうございます。結論から申し上げると、親が子どものモチベーションアップに努める必要などありません。世間ではよく「やる気スイッチ」はどこにあるでしょうか?なんて言われますが、スイッチなどどこにもありませんし、あるとしてもそれを発動するのは本人です。少なくとも親ではありません。ひとつ言えるとしたら、日ごろから子どもが意欲的に取り組める環境を作ることです。そのためにも「やる気のメカニズム」を知っておきましょう。■やる気のメカニズムこの連載でも何度か書いたことですが、私たち人間のやる気をつかさどるのは左右の大脳半球の下側にある「線条体」という神経核です。一度机の上を片付けたら結構達成感があり、良い気分になった。この良い気分をつくっているのはドーパミンで、分泌するドーパミン神経の束は「報酬系」といわれます。この「片付けをする=良い気分」のマッチングが繰り返されると、その結びつきは強化されやる気が出るのです。例えばサッカーで、ある練習をしたら何かが上手くなる手応えを感じることがあります。それを息子さんが実感し「こうやって練習したら上手くなるに違いない」と思えば練習に対し意欲的になります。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■自分がやろうとしていないことを急かされても習慣化はしないところがこの線条体は、誰かに否定されたり、怒られたりすると、動きが鈍くなります。大人が圧迫すればするほど、子どものやる気は出ません。つまり脳が意欲的にならないからです。お母さんがYouTubeのボールタッチ10分を習慣化させようと半年声掛けしても習慣化しなかった、とあります。自分からやろうとしていないことを急かされても「あーあ、仕方ないなあ」と半ばげんなりしてボールを触っていれば、線条体は生き生き動かないのです。そこまで怒鳴ったりしなかったとしても同じです。であれば、息子さんが自ら「頑張ったら得をした」という経験をし、彼の脳が意欲的になるのを楽しみに待てばいいのです。そう考えると、子どもがサッカーを頑張るときはサッカーにはまった、つまり大好きになったときだと考えます。■「好き」はとても大事な出発点1万組超の双子を調査し、遺伝と環境の関係について調べている行動遺伝学者の安藤寿康(じゅこう)・慶応大名誉教授をインタビューした記事(『才能は生まれか育ちか遺伝、環境、努力、双子1万組を調査した答え』朝日デジタル=2024年1月8日)で、安藤教授はこう話しています。「『好き』に加えて『できる』の組み合わせが天才の条件とも言えますが、入り口は結局は『好き』ということです。『好き』だけど『不向き』の組み合わせだったとしても、一流にはなれなくとも良きサポーターになれ仕事でも趣味でも生かせる才能になるでしょう。『好き』はとても大事な出発点です」この言説は、私が何度か記事にしている「好きの破壊力」と類似しています。※例えば別サイトの記事ですが、webフラウの連載『スケートボード金・堀米雄斗、11歳から支えたコーチが語る「好き」を育てた親の姿』(子育てアップデート53好きの破壊力=2021年8月2日/外部サイトに飛びます)を読んでみてください。■子どもを「評価」するのではなく「観察」して待ってみよう私は同じサカイクで連載をされている池上正コーチと仕事を始めて17年ほどになります。最初のころは子どもが小学生だったので、ワンオペ育児だった私は池上さんに自分の子育てを相談したことがあります。「全然言うことを聞いてくれない」「思い通りにならない」「サッカーに興味があるのかないのかわからない」などと愚痴をこぼしました。そのとき、池上さんから「こうしたい、ああしたいじゃなくて、ああ、この子どうするのかな?と眺めていればいいんだよ」と言われたのです。目の前の子どもをこうしたい、ああしたいと思っていると、力ずくで動かしたくなる。そうではなく「この子、どうするのかな?」とちょっと観察してみる。その言葉を信じて、「宿題しなさい」「ゲームやめなさい」と腹が立っても、じっと観察したのです。私からじっと見られていることに気づいていないはずですが、息子は「よし、もういいや。お風呂入ろっと」とゲーム機をサッサと片付けて浴室に向かいました。よく「子育ては待つことが大切」などと言われますが、まさにそれでした。私はせっかちで待てないタイプなので「待つ」といった心持ちではなく、ただひたすら「こいつアホやな」とか「さあ、どうする?」と心の中でつぶやきながらわが子を眺めていただけ。この観察する時間がまさしく「待つ時間」になったわけです。お母さんも「この段階で自主練を嫌がっている様ではプロはムリ」などとわが子を評価するのではなく観察してはどうでしょうか。寄り添うことに注力するのです。■「好き」が発露するタイミングは人によって異なる(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)そもそも子どもの成長や「好き」の発露が訪れる時期は、それぞれ異なります。7歳で出会う子がいれば、20歳で発見する子もいます。そういえば、先に紹介した記事で安藤教授はこうも言ってました。「個人の性格的な要素として、何事にも目的意識を立てた考えをする、つまり『努力ができる』ということにも50%ぐらいの遺伝率があります。努力ができるというのも才能の一つなのです」遺伝ですって。怖いですね(笑)。少し肩の力を抜いて、自分の子育てを眺めてみてください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年01月24日夏休みの宿題として、定番の自由研究。子供の自由な発想力を伸ばし、興味関心の幅を広げる目的があります。動物の観察をしたり、普段はやらないことに挑戦してみたりと、子供たちは長期休暇を生かして、さまざまな取り組みに挑戦しているでしょう。小学生の自由研究『歴史メシ』に絶賛の声!2023年の夏、らてまる(rate.maru9)さんの家では、自由研究について、小学6年生の息子さんが頭を悩ませていました。息子さんの通う小学校は、希望者のみが自由研究を提出する決まり。そのため、これまで息子さんは自由研究に取り組んだことがなかったのだとか。今回は、息子さんにとって小学校生活で最後の夏休み。親子で話し合った結果、自由研究に挑戦することにしました。息子さんがテーマにしたのは、『歴史メシ』。歴史上の料理について調べ、実際に自らの手で作る…というものです。歴史と食べることが大好きで、これまで「本に載っている歴史上の料理を食べてみたい!」といっていた、息子さん。最初は自由研究に対して乗り気ではなかったものの、『歴史メシ』というテーマが決まると、目を輝かせ始めたといいます。息子さんはこれまで日本で親しまれてきた料理について調べ、何軒も店を巡ってたくさんの食材を用意し、調理に挑戦。縄文時代から現代までの一般的な家庭料理を作り、それぞれの時代を意識した服装を着用した上で、完成写真を撮っていきました。最後のまとめで苦戦し、時には親子げんかをしながらも、自由研究は夏休みの最終日になんとか完成。2023年の夏の思い出が詰まった、息子さんの汗と涙の結晶といえる作品を、ご覧ください!※動画はInstagram上で再生できます。 この投稿をInstagramで見る らてまる【ずぼらママ、ミニマリスト】(@rate.maru9)がシェアした投稿 なかなかうまくいかず、何度も泣いたりくじけそうになったりしていた、息子さん。それでも決して諦めず、最後まで自由研究をやり遂げた姿を見て、らてまるさんは我が子の成長に心打たれたといいます。らてまるさんが「最後まで諦めず、本当によく頑張りました!」と花丸を贈った、息子さんによる自由研究。投稿を見た人からも「こだわりと熱意がすごすぎる!」「泣きそうになった。花丸をあげたい!」といった称賛の声が上がっています。『歴史メシ』を実際に作ることで時代背景を知り、息子さんは歴史がより好きになったのだとか。自由研究の本来の目的に沿った、素晴らしい研究といえるでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年09月02日学生の本業は勉強。しかし、誰しも「遊びたい」という強い気持ちを持ってしまうものです。中でも長期休暇である夏休みは、自由時間が多いため、さまざまな娯楽の誘惑が多数襲いかかってきます。学校や塾から課された宿題の山と向き合うには、それらの誘惑を振り切る、強い心が必要といえるでしょう。宿題のやる気を出す『ライフハック』Dr.リノ(@awaguni_deko8)さんがSNSに投稿したのは、宿題のやる気を出すライフハック。投稿者さんの娘さんは、どうしても夏休みの宿題がはかどらない時、ある方法を使って自身のやる気を出すようにしているのだそうです。タスクがあってもやる気が湧かない際、『自分へのご褒美』を用意したり、誰かに応援してもらったりしたりする人が多いのではないでしょうか。しかし、娘さんが考えた方法は、現代ならではのユニークなものでした。それは…宿題を解く様子でタイムラプス動画を撮影すること!【宿題のライフハック】ライフハックというほどのものでもないですけど、ど〜〜しても子どもが夏休みの宿題やる気が出ないとき、最後の手段で宿題する手元をタイムプラスで撮影してやると捗ります。後から見返すと課題プリントとかドリルが高速で答え埋まっていくのが面白いらしい pic.twitter.com/RAwrWyIfLL — Dr.リノ (@awaguni_deko8) August 14, 2023 一定の間隔で写真を撮影し、それらを高速でコマ送りの動画にする、タイムラプス動画。宿題を終えた後に、完成したタイムラプス動画を再生すると、宿題のプリントやドリルの問題が凄まじいスピードで埋まっていく動画が完成するのです!最初は真っ白だった解答欄が次々と埋まっていく様子は、スッキリとするもの。視覚的に気持ちのいい動画を見るために、「宿題を頑張らなきゃ!」という気持ちになれるのでしょう。また、自分がどれだけ頑張って宿題に取り組んだかを確認することができるため、今後のモチベーションアップにもつながりそうです!現代の子供ならではといえる、娘さんが考案した『やる気の出し方』。子供が宿題になかなか手を付けず困っている親や、自身が宿題に追われている人から、絶賛する声が上がっています。・天才か?これなら小さい子供も喜びそう。・これはいいことを聞いた!早速、子供の宿題を撮影してみようっと。・動画を見返す時に復習効果もありそう。そして、娘さんの字がキレイでビックリ!今の時代、スマホとスマホスタンドがあれば、誰でも簡単にタイムラプス動画を撮影することが可能。どうしても娯楽の誘惑に勝てない時や、ベッドから抜け出せない時は、この方法に頼ってみてはいかがでしょうか![文・構成/grape編集部]
2023年08月18日皆さんは突然トラブルに巻き込まれたことはありますか?今回は「やる気のない警察官に呆れた瞬間」とその感想を紹介します。イラスト:エトラちゃんは見た!好き放題する近所の人空き巣に大切なパソコンを盗まれてしまった主人公。「相談をした警察官はやる気がなく、真面目に捜査をしてくれません。自力で盗んだ犯人をあぶり出すために、新しいパソコンを購入し盗まれたパソコンのバックアップを探す主人公。調査の結果、犯人は近所の人だったのです。真実を知り、再び警察に相談したものの…。想像通りの対応出典:エトラちゃんは見た!想像通り、やる気のない対応をする警察官。その後反撃を決意した主人公は、パソコンを取り返すための作戦を実行するのでした。読者の感想主人公の近所の人もおかしいですし、警察もおかしいです。こんな地域に住んでいたら、人間不信になってしまいそうだと思いました。(27歳/パート)近所の人のモラルのなさに驚きました。ご近所トラブルだからとやる気のない警察も信じられないと思いました。(31歳/会社員)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。※実際に募集した感想をもとに記事化しています。
2023年08月09日皆さんは、新人教育で悩んだことはありますか?今回は「教えるほど”やる気をなくす”新人」を紹介します。教えるほど”やる気をなくす”新人営業部で働く主人公は、入社3年目にして初めて新人教育を任されることになります。ところが本当は広報部を希望していた新人は、希望と違う部署に配属されてやる気が皆無…。主人公が教えたこともメモを取らず、覚えようともしません。そんなある日、新人が大きなミスをしてしまい、主人公は少し厳しめに注意します。すると、その音声を録音していた新人は会社の総務に訴え、主人公は新人の指導を外されてしまうのでした。新しい教育係はベテランの上司が担当することになったのですが…。間違いだらけの資料出典:モナ・リザの戯言言い訳する新人提出した資料が間違いだらけで、ベテラン上司に問い詰められる新人。主人公が教えてくれなかったと言い訳をするものの、ベテラン上司には通用せず…。「同じことを何度も教えるほど私は甘くない」と叱られてしまうのでした。希望した部署でなくても教えてくれる上司に感謝し、仕事にも責任を持って対応するのが社会人としてのマナーですよね。初めての新人教育で、やる気のない新人に当たってしまった主人公に思わず同情してしまうエピソードでした。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2023年05月05日以前は上の学年の試合に出ていたが、部員が増えたら呼ばれなくなった。コーチには「頭が悪い」と言われたけど、悔しがっている様子もない息子に親の自分がイライラ。チームが強くなるには他の子たちも上手くなる必要があるのは分かっているけど、息子が追い越されると悔しくてしょうがない。これからもこんな気持ちが続くのに、子どもをどう見守ればいい?とのご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり、男女のサッカー選手を育てた先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<クラブで理不尽に扱われた長男をやめさせる際に次男も一緒に退団。後悔してます問題<サッカーママからのご相談>はじめまして、こんにちは。息子は4歳からサッカークラブに所属し、今年で4年目の小2(8歳)です。最初は同い年がいなくて1人上級生に混じって練習し、試合に出ていましたが、1年生の頃同い年の部員が4、5名増えました。そのうちの一人が頭がよくコーチの指導をよく理解し動ける子で、息子はコーチから頭がわるいと言われてしまいました。今、上級生の練習や試合にはその子を指定し、息子は呼んでくれない雰囲気があります。息子の技術的には全然劣っていません。息子はあまり悔しがってる様子ではないですが私はかなり悔しく、この気持ちを自宅での自主練習に励むよう息子にぶつけてしまいました......。私のイライラの気持ちをどう納めたらいいのか、他の親御さんはどうしているのか気になります。チームが強くなるためには、息子だけでなく他の子どもたちも上手くならないといけない事を願う反面、息子が追い越されると悔しくてしょうがないです。こんな気持ちはこれからどんどん増えていくと思います。どんな風に息子を見守ればいいか教えてください。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。「悔しい」「イライラする」と、ご自分の気持ちを率直に語ってくださり有難いです。お母さんは、辛い目に遭っているわが子を前に傷ついているのです。辛いですね。そんなお母さんと似た気持ちで試合に出られないわが子を見守っている親御さんは、この日本にたくさんいるかと思います。■子どもがレギュラーか補欠か、など競争に一喜一憂する親が多いサッカーだけでなく、ミニバスケットボール、バレーボール、少年野球。本来は「スポーツって楽しい!」とスポーツの楽しさを味わうだけで良いジュニア期に、日本のスポーツは勝利や強くなること、他者との競争に負けないことを強いています。そんなことを踏まえて、お母さんには、まずはこの連載の42回目にあたる『土日も連休も丸つぶれなのに...わが子が試合に出られないと親が報われないぜ問題』を読んでいただければと思います。そこに、私の体験が描かれています。息子が小学1年生のころ、2年生の試合に連れて行かれた際、何試合もあるのにまったく出られなかったことがありました。一緒に参加した1年生の子は試合に出ていたため、息子が不憫なのと、ベンチにいる姿を見ているのが私自身非常に辛かった。そのときは気づかなかったけれど、私のこころは傷ついていました。そして、試合に出ていた同じ1年生のお母さんと一緒に観ていたのですが、最後の試合の前半で私は先に帰ってしまいました。帰り道に泣きながら休日出勤の夫に電話しました。すると夫から「それだと、○○(息子の名前)が、終わった後、ママは僕が出られないから先に帰っちゃったんだ、ってがっかりするんじゃない?」と言われました。親として、こころから反省しました。自分の感情ではなく、子どもの気持ちを優先して考えるべきでした。欧米は一部の競技で早期教育が問題になってはいますが、日本のようにほとんどの子どもが巻き込まれる状況にありません。対する日本は、小学生の子どもにスポーツをさせている多くの親御さんが、子どもがレギュラーか補欠かといった競争にさらされる姿に一喜一憂しています。かつての私もそうでした。そしてお母さんも同じ状況ではないでしょうか。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■アドバイス①「今のあなたでは満足してない」と子どもを否定する言動をとらないでは、どうすればいいのか。かつて毒親だった私から、三つアドバイスさせてください。自分がなぜイライラするのか?そこを分析して自分を見つめ直しましょう。それがひとつめです。例えば、子どもが試合に出られず腹が立つ。頭がよくコーチの指導をよく理解し動ける子のほうが試合に呼ばれて悔しい。その怒りを息子さんにぶつけてしまうのは正解でしょうか? 心のなかにあるこんな毒を息子さんに吐き出すお母さんは正しいでしょうか?私は「いいお母さん」の物差しは人それぞれ違っていいと思いますが、正しいか否かの正解はあると考えます。試合に出られないからと言って子どもに自主練習を押し付けたりするのは、正解ではありません。イライラして怒るのもいけません。それらすべての行動が、息子さんに向かって「今のあなたではお母さんは満足しない」と否定することになります。私自身がそうだったから余計わかるのです。試合に出られない子どもに「残念だったね」「悔しいね」と共感しても、(試合に出られないのはあなたが頑張ってないからだよ。お母さんは悔しいんだよ)と胸の中で言ってしまえば、それは子どもの気持ちと同化しているのと同じ。共感しても、同化してはいけません。■アドバイス②ジュニア期は楽しむことが大事、自己肯定感を高めることそしてふたつめ。もし自分が正しいと言えないなと感じたのであれば、違う自分を探しましょう。まずは自分を整えるのです。自分を整えるときのキーワードは「今の私は子どもを成長させられる親か?」という問いかけです。息子さんはあまり悔しがっている様子はない、と書かれています。それならば、ほうっておけばいいのです。冒頭でお伝えしたように、ジュニア期で最も重要なのはそのスポーツを楽しんで好きになるかどうか。その一点に尽きます。「サッカー、好きなんだね」「今日は楽しかった?」そんな声掛けだけで十分です。あとは早寝早起きをさせて、朝ごはんを食べさせ、遠征や試合の日はお弁当を作ってあげて「楽しんでおいで」と送り出せばいいのです。それだけで十分、子どもは成長します。なぜなら「僕はお母さんから心配されていない。信頼されている」と安心する。自己肯定感が高まるからです。■アドバイス③自分が育てられた教育や子育てを踏襲していいのか、新たな学びが必要(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)三つめ。子育て受難の時代です。私たちが受けた教育や子育てが、子どもを成長させるものかどうかを検証する必要があります。今までは、レギュラーか補欠かといった競争に子どもをさらし勝ち抜かせていく。子どもを圧迫して発奮させる。それがひとつの教育とされていました。しかし、自分もそういうふうに育てられたからと、同じ子育てを踏襲してはいけません。新たな学びを入れる必要があります。以下に三冊の本を紹介します。参考にしてみてください。①『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』(庄子寛之著/青春出版社)公立小学校の現役教師が書いた本。「子どもを伸ばす親には、待ち上手という共通項があった」と話しています。副題の「イライラしない親は子どものどこを見ているのか」でもわかるように、イライラせずに子どもを見守るコツが書かれています。お母さんの疑問に答えてくれる本だと思います。②『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(島沢優子著/文藝春秋)拙書です。子どもにスポーツをさせている親の実態と、毒親にならないためにどうすればよいのかを書いています。③『高学歴親という病』(成田奈緒子著/講談社+α新書) ※2023年1月20日発売私に、子どもに共感してもいいけれど、同化してはいけないと教えてくれた小児脳科学者の本です。高学歴親と標榜されていますが、日本の学歴偏重社会で歪みがちな子育てを考え直せる本です。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年12月21日当社は、このたび、全国の20~40歳代会社員の男女500名を対象に、「年末年始のやる気・モチベーションに関する調査」を実施しましたので、その結果をご報告します。本調査では、年末年始の連休前後のやる気や、会社を休みたいと思った経験、普段モチベーションにしていることなどについて調査。約74%が年始に仕事に行きたくないと思った経験があることが判明。「給料・ボーナス」をモチベーションにしている人が多い中、男女でモチベーションにしているものが異なる傾向も明らかになりました。また、「疲れ」についても調査し、7割以上が最近疲れを感じていることや、疲れると仕事の失敗も増えると感じる人が約80%いることが分かりました。疲れによって起きてしまった仕事上の大小様々な失敗談も寄せられました。年末年始における会社員の心の内が垣間見える調査結果となっています。■調査トピックス(1)75.0%がやる気が上がらず会社を休みたいと思った経験あり年末年始、やる気が出ないもの1位は「大掃除」(2)モチベーションに繋がるものは「給料・ボーナス」が最多。男性は「達成感」、女性は「推し活」で男女差もモチベーションを高めるために行っていること「美味しいものを食べる」自分へのご褒美は「1万円未満」が主流(3)7割以上が「最近疲れを感じやすくなった」。失敗談も「一桁間違えて発注」「名前を呼び間違えた」モチベーションが下がるのは「連休明け」「疲れている」時疲れると仕事の失敗も増えると感じる人約80%■調査概要・調査テーマ:年末年始のやる気・モチベーションに関する調査・調査方法:WEBアンケート調査・調査期間:2022年11月16日(水)~11月18日(金)・調査対象者:全国の20~40歳代会社員の男女500人(性年代均等割付、公務員含む)・調査主体:アリナミン製薬株式会社・調査機関:株式会社ネオマーケティング以上<調査結果詳細>1.75.0%がやる気が上がらず会社を休みたいと思った経験ありまず、年末年始の連休前のやる気について調査しました。年始に仕事に行きたくないと思ったことがあるかを聞くと、7割以上の人が「ある(74.2%)」と回答しました。また、やる気が上がらず、会社を休みたいと思ったことがあるか聞いてみたところ、「よくある(38.0%)」と回答した人は約4割でした。「たまにある(37.0%)」と合わせると75.0%もの人が、普段から会社を休みたいと思った経験があるようです。連休が楽しみな年末年始ですが、何かと忙しい時期でもあります。年末年始にやる気が出ないものを調査すると、1位は「大掃除(44.2%)」でした。会社員にとって、年末最後の大仕事は大掃除なのかもしれません。2位は「年賀状(26.2%)」で、「親族の集まり(19.8%)」や「忘年会・新年会(18.6%)」を抑えて、3位は「年末調整(20.2%)」でした。毎年訪れる大掃除や年賀状。やらなくては、と思えば思うほど腰が重くなり、つい後回しにしてしまいがちです。「サクッと取り掛かりたいけど、最初の一歩が動けない」という方も多いのではないでしょうか。<年末年始にやる気がでないものランキング>1位:大掃除(44.2%)・寒い中掃除をするのが面倒だから(宮城県・34歳男性)・年末で仕事が無い時くらいはゆっくりしたいから(岐阜県・22歳男性)・やることが山積みすぎて、体力的にきつくなる(福島県・40歳女性)・こまめに掃除をする習慣がないから、一気にやるのが大変(東京都・28歳女性)・とりあえず道具揃えたりするところから面倒(大阪府・33歳女性)2位:年賀状(26.2%)・書く内容が特に無いのでストレス(埼玉県・35歳男性)・デザインや写真を考えることや、誰に送るかを悩むのが億劫なため(東京都・38歳男性)・書かないといけないという義務感から(静岡県・25歳女性)・面倒くさいし、送る人もほとんどいないので(北海道・37歳女性)3位:年末調整(20.2%)・手続きが面倒だから(三重県・29歳男性)・計算が面倒くさいし頭を使うから(宮城県・29歳女性)・書かなければいけない書類が多すぎて処理に時間がかかるから(千葉県・31歳女性)2.モチベーションに繋がるものは「給料・ボーナス」が最多。男性は「達成感」、女性は「推し活」で男女差も年始の仕事は多くの人のモチベーションを維持できていないことが分かりましたが、普段はどのようなことをモチベーションにして過ごしているのでしょうか。まず、自分のとった行動で自分自身が満足した時と、他人が喜んでくれた時で、どちらの方がモチベーションに繋がりやすいかを聞きました。その結果、約7割が「自分が満足した時(68.4%)」と回答。具体的に日々のモチベーションに繋がっているものを調査すると、男女ともに「給料・ボーナス」が最多でした。「休日」や「趣味」の割合も高く、自分のプライベート時間を確保する意見が多く見られました。次に多かったのは、男性は「達成感(20.0%)」、女性は「推し活(16.0%)」でした。続いて、日々のモチベーションを高めるために行っていることを調べると、男女の差が目立ったのは「美味しいものを食べる」「自分へのご褒美を買う」という回答で、8.8%の差で女性の方が自分へのご褒美をモチベーションにしている人が多いことが分かりました。また、「推し活」や「親しい人に愚痴をはく」という回答も女性の方が多い結果でした。一方、男性は女性と比べて「ジムに通う・運動する」という意見が多く、男女の違いが見て取れました。運動が、やる気成分であるドパミンの放出に繋がっていることは科学的に分かっています※。モチベーション維持のために運動している人は、知らず知らずのうちにやる気成分も出しているのです。男女で方法は違えど、科学的にやる気成分を引き出す方法を実践しているようです。※やる気成分と運動の関係は「フルスルチアミン 疲れLab.」にて紹介中自分へのご褒美は1万円未満が主流先述の調査結果で上位に入っていた「自分へのご褒美」。自分へのご褒美にいくらまで出せるかを聞くと、半数以上が「5,000円未満(35.8%)」「5,000円~10,000円未満(20.2%)」と答え、比較的堅実的な人が多いことが分かりました。一方で、「100,000円以上(3.6%)」の人もわずかながらいました。ささやかな楽しみから大きな楽しみまで、様々な「ご褒美」が自分のモチベーションを保つ秘訣なのかもしれません。3.7割以上が「最近疲れを感じやすくなった」。失敗談も「一桁間違えて発注」「名前を呼び間違えた」モチベーション維持の秘訣や高める方法が明らかになりましたが、モチベーションが下がる原因はどのようなものなのでしょうか。どのような時にモチベーションが下がるかを調べると、「連休明け(48.0%)」が最多でした。楽しい休日から一転、仕事モードに切り替えなくてはいけない連休明けは、どうしてもモチベーションが下がりやすいようです。次に多かったのは「疲れている(42.4%)」、「失敗した(39.8%)」という回答でした。最近、疲れを感じやすくなったかを尋ねると、7割以上が「そう思う(32.2%)」「どちらかというとそう思う(40.2%)」と答えました。例年、年末に仕事が忙しくなる人は約4割を占めており、特に年末年始は疲れが現れやすい時期だと言えます。疲れると起こりやすいのが「仕事の失敗」。疲れによって仕事の失敗が増えると感じる人は、「そう思う(30.8%)」「どちらかというとそう思う(49.0%)」を合わせて約8割に上りました。疲れをうまく解消することで、仕事の失敗を防ぎ、結果的に自分のモチベーションを低下させないようにしたいですね。最後に、疲れが原因で失敗したエピソードを募ったところ、誤字脱字のミスや、桁を間違えた発注ミス、納期の勘違いなど、仕事上の大小様々な失敗談が寄せられました。<疲れが原因で失敗したエピソード>・一日頑張って作ったデータを飛ばしてしまった(千葉県・42歳男性)・誤字脱字だらけの文章を上司に提出してしまった(神奈川県・23歳男性)・効率の良い作業ができず、時間が掛かってしまった(埼玉県・38歳男性)・間違えた書類を大量に送ってしまった(東京都・26歳男性)・個数を一桁間違えて発注してしまった(愛知県・48歳男性)・提出書類の日付を全部間違えた(滋賀県・27歳女性)・メールの見落としが増える(埼玉県・33歳女性)・患者さんの名前を呼び間違えた(茨城県・44歳女性)・後でメモを取ろうとしていたことを忘れました(千葉県・34歳女性)・締め切りを勘違いしていた(東京都・28歳女性)仕事を失敗してしまうことは誰しもあることですが、疲れが溜まればモチベーションも下がってしまうもの。疲れをうまく解消する時間的・金銭的余裕はなかなかなく、何をするにしても大量の選択肢の中から即断・即決しなければならない現代人は、常に集中しっぱなしで心休まる時間が取れないというのが本音ではないでしょうか。そこから更に失敗を重ねてしまえば、疲れも溜まりモチベーションも上がらずますます悪循環に…。やる気をテーマに調査した中で見えてきたのは、大多数が年末年始は仕事に行きたくないというもの。あの手この手でリフレッシュや愉しみを作ったり、時に休んでみたり。普遍的な悩みを乗り切るためのほんのちょっと背中を押してくれる、やる気スイッチを押してくれる、そんなものが現代人には必要です。「フルスルチアミン 疲れLab.」ではそんなお役立ち情報を発信中です。■アリナミン製薬の「フルスルチアミン 疲れLab.」について「フルスルチアミン 疲れLab.」では、現代人を「疲れ」から守ることをポリシーに、目の疲れ・肩や腰の痛みなどの、現代人の疲れの症状に効くフルスルチアミンの効果をご紹介しています。フルスルチアミンはビタミンB1を改良したビタミン誘導体です。ビタミン自体はサプリメントや食品で広く知られていますが、具体的にその働きや意義を伝えるのがこのサイトのミッションです。アリナミン製薬はフルスルチアミンの創生メーカーとして、本サイトを通して、「フルスルチアミン」と「疲れ」を中心に、意外と知られていないメカニズムや、最近の情報、本調査のやる気・モチベーションとフルスルチアミンの関係まで、詳しく紹介中。モチベーションが上がらない、でもいつもお金を遣ったり有給休暇を使うわけにもいかない、という方は是非サイトをチェックしてみてください。「フルスルチアミン 疲れLab.」URL: フルスルチアミンとは?私たち人間は、細胞の中で三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)からエネルギーを生み出し、生命を維持しています。糖質からエネルギーを生み出すために不可欠な栄養素がビタミンB1です。ビタミンB1はアルコールの代謝時やストレスを受けたときにも大量に消費されます。ビタミンB1が不足すると、糖質から十分にエネルギーを生み出すことができなくなり、食欲不振や疲れ、だるさなどの症状が現れるため、身体にとってなくてはならない栄養素です。ただ、ビタミンB1は水溶性で、水に溶けやすく熱にも弱いため、食材からとる場合、調理時の水洗いや加熱などによって失われやすく、また一度にたくさん摂っても腸から吸収できる量に限りがあることが分かっています。そんなビタミンB1の弱点を補い開発されたのが、ビタミンB1の構造を変えて腸から吸収しやすい形(これを誘導体といいます)にした「フルスルチアミン」です。フルスルチアミンは医薬品成分であり、医薬品(医薬部外品含む)にのみ配合が認められています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月20日年齢を重ねるにつれ、日常生活のさまざまなシーンで記憶力の低下を実感する人も多いだろう。「やる気や記憶力は加齢とともに低下する傾向がありますが、その衰えを緩やかにする方法もあります。脳はいくつになっても新しく学習できることも明らかになっています。脳のメカニズムを正しく理解していれば、脳を若々しく保つことにつながるのです」こう話すのは、脳科学者の西剛志先生だ。“脳の老化”は、衰えが顕著な機能ごとに「やる気喪失型」「もの忘れ型」「注意力低下型」「共感力低下型」「聴力低下型」の5つのタイプに分けられるという。いずれも放置しておくと認知症リスクを高めてしまうことになるというから気をつけたいところ。ここでは、各タイプの特徴と、それに応じた脳のトレーニング方法を西さんに解説してもらった。まずチェックリストを使って、自分がどのタイプにあてはまるかを確認してみよう。「『やる気喪失型』は、更年期の女性に多く見られます。これはホルモンバランスの乱れがきっかけとなり発生することが多いようです。この年代は家事や仕事に忙しく、行動範囲は職場と家の往復だけ、新しく人に会う機会が得られないということも。これが脳の老化に影響していることがあるようです」(西先生・以下同)このタイプは、意識的に“気持ちを上げること”に取り組もう。「新しいファッションを楽しんだり、アイドルの動向を頻繁にチェックする“推し活”もおすすめ。ドーパミンが分泌され、やる気が湧くようになるでしょう」短期記憶の低下が著しい「もの忘れ型」は、脳がストレスにさらされていることも影響し、記憶の定着が弱くなることが。「思い当たる人は、とにかく脳をリラックスさせて、心を安定させる物質である『セロトニン』の分泌を促しましょう。手っ取り早い方法は、よくかむことです」かむ行為を続けていると、脳がリラックスして集中力が増し、記憶力を高めることができるそうだ。「女性の場合、アロマオイルを活用するのもおすすめです。ペパーミントは集中力を高め、ラベンダーはワーキングメモリ、ローズマリーは将来展望の記憶力増強に働くことがわかっています」「注意力低下型」は、片付けができない、2つ以上のことが同時に行えない、感情の抑制がきかなくなる、といった状態になりやすい。「頭の前のほうにあり、感情の制御、行動の抑制などをつかさどる前頭前野が正しく機能しなくなることが原因です。このタイプの人に最適なのは、旅行の計画を立てること。旅行を計画する際は、移動手段を考えたり、時間の計算をしたりと、脳の複数の機能を同時に働かせることが求められます」ほかに部屋の掃除もよいそうだ。「“ゴミ屋敷”に住んでいる人の部屋をきれいに片付けたところ、1カ月ほどで前頭前野の働きが回復した、という研究があります。物が整って置かれていると、前頭前野が活性化してくることがわかっています」「共感力低下型」は文字どおり、相手の感情に共感できにくくなることを指す。感情表現が乏しくなり、無表情になりがち。「誰の話にもうんうんとうなずきながら聞くのが対策になります。ラブロマンスやヒューマンドラマに相づちをうつのもいいでしょう。また、ふだんから脈拍や心拍数を測って“自分のリズム”を把握しておきましょう。共感や感情などの認知機能に関係する前帯状皮質の機能改善につながります」最後に「聴力低下型」。脳は視覚野や体性感覚野を使って聴覚を補おうとするため、聴力と脳の認知機能は関係が深いのだという。「聴力が低下している人は、何より耳をいたわること。イヤホンを使わない、また脳をリラックスさせ、聴覚を改善させることに努めましょう。ストレスを軽減し、視覚野や体性感覚野など、脳の別の分野を刺激することが大切です」自分の脳の弱点を意識的に鍛えて、認知症リスクを遠ざけよう!
2022年11月19日ほかの子は積極的にボールを蹴りに行くのに、息子は見ているだけ。失敗してもいいからチャレンジしてほしいのに、指示待ちなのが悲しい。サッカー自体、子どもの運動能力を心配して親がやらせたので、そもそもやる気がないのはあると思うけど、指示待ちは何とかしたい。親が干渉しすぎたのが原因?というご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<子どもについて悩み相談したらコーチにスルーされるように。尋ねちゃダメなの問題<サッカーママからのご相談>島沢さんこんにちは。息子(7歳)はサッカーを習い始めて5か月くらいになります。自信がないせいか、ボールを遠くで追いかけるだけで蹴りに行くことが少ないです。目の前にボールがきても、見ているだけで仲間が蹴るのを待つということもとても多いのです。子どもに聞くと、コーチに「パスを待ち、他の子のシュートの邪魔をしないように離れて待つように」と言われたそうです。とはいえ、他の子はボールを取りに行くのに我が子は取りに行かないことにモヤモヤして......。子どもにどう声かけてあげたら良いのでしょうか。もともと、本人はサッカーはそれほど好きではなく、親が子どもの運動能力を心配してやらせているため、そもそもやる気がないというのも一因だと思います。ただ、少しでも前を向き、失敗していいからいっぱいボールを蹴りに行ってほしいと思ってます。いつも待ってばかりの息子、自分で動こうとしない指示待ちに悲しくなってしまうのです。親が干渉し過ぎゆえなのでしょうか。助言をいただけませんでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。お母さんがおっしゃっているように「そもそもやる気がない」のでしょう。息子さんが「お母さん、僕、サッカーしたい!」と目を輝かせて直訴して始めたわけではありません。まだサッカーの面白さに自分で気づいていないし、楽しさを味わってもいません。もっといえば、果たして今の息子さんは、サッカーを好きになれる環境にいるのでしょうか?ここで、彼を取り巻くサッカー環境を、指導者(コーチ)と保護者といった2つの人的環境から考えてみましょう。■ボールを取りにいかないのは、どう動けばいいかわからない可能性があるまず、指導者です。息子さんのコーチは「パスを待って、他の子のシュートの邪魔をしないように離れて待て」とおっしゃったようです。しかし、これがどんなシチュエーションで発せられたのかとか、この言葉通りなのかどうかも含めてわかりません。判断が難しいところです。攻撃の場面なので、全員がボールに集まらずもっと広がれという指示だった可能性もあります。「他の子はボールを取りに行くのに我が子は取りに行かない」というのは守備なので、息子さんが積極的にボールを取りに行かないのは自分がどうしたらいいのか、まだわからないのかもしれません。まだ小学1年生です。息子さんの言葉通りだと決めつけてしまうと誤解が生じるかもしれません。サッカーのピッチで行われることは、基本体にコーチと子どもに任せたほうがいいです。子どもにとって、サッカーを好きになる気持ちが「成長のエンジン」です。接する人の言動や、その接し方に大きく影響されます。良い指導者と巡り合えば大きく伸びます。逆に、暴力や暴言など不適切なコーチングをする人の下では、子どもは委縮してしまうのでミスを恐れず思い切ってチャレンジできません。加えて、同じ子どもばかりを試合に出して補欠の子どもたちは一切出られないといった理不尽な扱いだけ、親は注視すればよいかと思います。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■子どもがサッカーを好きになれるようサポートしているか次に、保護者です。お母さんは、息子さんがサッカーを好きになれるようサポートしているでしょうか。他の子はボールを取りに行くのにわが子は取りに行かないことにモヤモヤして「なぜ取りに行かないのか」と責めていないでしょうか。人の意欲「やる気」は、左右の大脳半球の下側にある「線条体」の働きが関係しています。ここの神経核が活発に動くと、人は意欲的になります。例えば、算数のテストをやる前に誉め言葉のシャワーを浴びたグループと、否定された子どもたちでは、前者のほうが成績が良かったという実験結果が出ています。それとは逆に、誰かに否定されたり、怒られたりすると、線条体の動きは鈍くなります。私にこの仕組みを説明してくれた脳科学者は「線条体がスーッと止まってしまう」とおっしゃっていました。大人が抑圧すればするほど、線条体の動きが鈍り脳は意欲的になりません。それどころか抑圧が繰り返されると、そのことがトラウマになりバーンアウトしやすくなるとも言われています。■親に結果ばかり求められたサッカー少年の末路ある小学生の男の子は、少し肥満気味だったので母親に勧められサッカーを始めました。最初は渋りましたが、同じ学童クラブの仲間たちが少年団に入ったので1年遅れて入団したのです。息子さんは技術が少し劣るものの、楽しくプレーしていました。仲間と一緒にボールを蹴って、コーチたちからも温かくサポートしてもらいチームに馴染んでいました。3年生になるとチームも地区の大会で優勝するなど、少しずつ力をつけてきました。小学生は途中出場ながら、試合にも出て、公式戦でチームみんなが彼にボールを集めてくれて初ゴールも決めました。みんな大喜びしたそうです。ところが、4年生になると、お母さんが彼にダメ出しをするようになりました。試合から戻ると「ゴール決めたの?」「何分試合に出たの?」と結果を尋ねるようになりました。試合を見に来ると「君だけ全然ダメだね」とため息をついたそうです。そのうち「今日ゴールを決めなかったら、サッカーをやめなさい」と言うようになりました。その母さんは、息子に結果を求めたのです。サッカーを楽しんでほしいといった感覚ではなかったかも知れません。彼はディフェンダーなのでシュートをする機会は多くないのですが、そんなことも見えないほど盲目になっていたのでしょう。男の子はサッカーをやめました。自分からやめたかたちですが、お母さんからのプレッシャーに耐えられなかったのだと思います。放課後は塾に行くくらいで何もせずゲーム三昧になりました。母子関係は悪くなり「もう死んでやる」と言って家を飛び出すこともあったそうです。■子どもを指示待ちにしているのは、保護者自身である(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)いかがでしょうか。お母さんが「少しでも前を向き、失敗していいからいっぱいボールを蹴りに行ってほしい」と本当に思うなら、彼のサッカーを否定したり、抑圧せず、ひたすら見守ることをお勧めします。「子どもの運動能力を心配してやらせている」とありますが、息子さんはどうなのでしょうか?自分の運動能力を伸ばしたいと思っていますか。親が一方的にサッカーをしろと命じてはいないでしょうか。息子さんを指示待ちにしているのは、親御さん自身かもしれません。天に唾することになっていませんか。何をしたいのか。何に興味があるのか。まずは彼に問いかけることが重要です。どう声かけてあげたら良いか?と質問されていますが、何かを言う前に彼の気持ちを聞いてあげてください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年11月09日雨が降ると少し憂鬱な気分になるものですよね。散歩を楽しみにしている犬たちにとっても、できれば晴れてほしいものでしょう。犬の兄弟、雨が降ると…?ワイマラナーという犬種のルピくんとロアくんと暮らす飼い主(@lupiloa_weim)さんによると、愛犬2匹は、日々、天気によってテンションが変わるそうです。まずは、こちらの動画をご覧ください。弟もニンゲンらしくなってきたので、毎朝の天気チェックを欠かさない pic.twitter.com/AR0U0ywLQn — ルピロアワイマラナー (@lupiloa_weim) October 13, 2022 ソファの上で、人間のように座っている兄のルピくん。そのかたわらで、弟のロアくんは「今日の天気は…」と窓の外をチェックしています!窓の外をチェックしたロアくんは、天気のよさにうきうきしているようで、かわいらしいですね。一方、雨の日の2匹はというと…。曇り予報が雨に変わったことを知った2人 pic.twitter.com/OsRe7Vk0nC — ルピロアワイマラナー (@lupiloa_weim) October 14, 2022 ソファにぐったりともたれかかり、すべてのやる気を失っているルピくん。弟のロアくんは、「やだやだ~!散歩に行きたいー!」と駄々をこねているように見えます!散歩に行ける日といけない日のテンションの差は、一目瞭然です。まるで、人間のような兄弟犬に、さまざまな声が寄せられました。・お兄ちゃん…!やる気のなさがすごい!・落ち着いているお兄ちゃんと、やんちゃな弟の姿がかわいすぎる。・へこみ具合が人間みたい…。中に人間が入っていますよね?・声出して笑ってしまった!雨が降っていると気分が落ち込むの、分かるなあ。人間のように、犬も天気によってテンションが変わることがよく分かりますね。[文・構成/grape編集部]
2022年10月16日買い物中にトラブルに巻き込まれ、モヤモヤしたことはありませんか?今回は実際に募集した買い物中のトラブル体験談をご紹介します!やる気のない店員深夜にコンビニに入ったときの話です。店内に入ると、店員が1人、奥の椅子に座っていました。私は急いでいたので、商品を手に取りすぐにレジに行きました。すると店員は、絶対に私がレジに来ていることに気付いているにもかかわらず、眠そうな感じで椅子に座っていました。店員を呼ぶと、大きなため息をついてゆっくり歩いてきました。「いらっしゃいませ」も「お待たせしました」も何もありません…。めんどくせーと言わんばかりの顔で商品をスキャンする店員。私は驚きつつも支払いを済ませました。すると後から入ってきた別のお客さんが、「お前やる気がないなら仕事辞めちまえ!」と、一喝!店員は驚いた顔をしていたので、少しスカッとしました。(女性/アルバイト)大声で携帯で話しているおばさん薬局で買い物をしてたときのことです。携帯で電話をし大声で話しながら商品を見ているおばさんがいました。そのおばさんは買い物カゴを持っていたのですが、そのカゴがおもいっきり私にぶつかりました。電話しているので注意力が散漫になっていたのでしょう…謝罪の言葉も一切なし。注意したのですが、携帯でぺちゃくちゃ喋り続け、気付かないフリをしている様子。出典:lamireイライラしていると、一部始終を見ていた店員さんがしっかりとおばさんを覗き込み、「他のお客様の迷惑になる行為はおやめください」と注意してくれました。おばさんは慌てた様子で電話を切っていて、スカッとしたと同時に、店員さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。(女性/フリーランス)あなたの周りでもこんなこと、ありませんか?何かとストレスを抱えがちな現代ですが、周りに迷惑をかけるような人とは距離を取りつつ、トラブルのない日常を送りたいものですね。以上、買い物中のトラブル体験談でした。次回の「買い物中のトラブルエピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。"
2022年10月10日自分の思いのままに「確かめたい」と動き出すのは大事なステップ好奇心旺盛な1歳は歩けるようになり、行動範囲が一気に広がる時期。目に入るものを手当たり次第につかんでみたり、口に入れてみたりが始まります。お母さんはずっと抱っこで過ごした0歳を過ぎて、自分の足で歩けるようになったことがうれしい半面、今度は危なっかしい行動にハラハラドキドキ目が離せません。この時期は「これってなんだろう」という疑問を体を使って確かめている時期なので、子どもの行動を止めず、やらせてあげると将来のやる気につながります。子どもにとっては身の回りの全てが新鮮そのもの。未知の世界にわくわく子どもとお風呂に入っていたお母さん。髪の毛を洗って流そうとすると、さっきまで温かかったシャワーが急に冷たくなってびっくり仰天!犯人は1歳の男の子。給湯器のスイッチを押すとライトが点いたり、操作音が鳴ったりするので夢中になって押しています。お母さんはたまったものではありません。スイッチを押せないようにブロックしても「押したい!」と言わんばかりに声を荒らげる男の子。お母さんはつい声を荒らげて「ダメ!」と叱ってしまいました。好奇心旺盛な行動は「これってなんだろう」の疑問を確かめている1歳は「確かめたい!」という気持ちがめばえる“実験期”と言われています。身の回りの物が何のために存在し、どのような機能を果たすのか自ら実験をして確かめています。「あれもダメ!これもダメ!」と言われると、子どものやる気をなくしてしまいかねません。イタズラではなく“実験”と捉えて、危険なこと以外は自由にやらせましょう。お母さんが触ってほしくないものはあらかじめ片づける、代わりのものを用意するなど作戦を立てましょう。子どもの行動には「できたね」と、その行動を実況中継してみよう大人がつい「ダメ」と止めたくなるイタズラでも、子どもにとっては大事な実験です。触れてみることで実験しているのだと割り切りましょう。「なんの実験をしているのかな」「どんなことができるようになったかな」と視点を変えるのがコツです。さらに「できたね」と声をかけると子どもは達成感を感じ、やる気がアップします。この時期に十分実験をできた子は、自ら考えて行動し、目標達成できる人へと成長するでしょう。今日の1日1成長1歳のイタズラは実験だった!「ダメ」と叱るよりレッツトライ!子どもの挑戦する力も1成長、お母さんが子どもの承認力も1成長。伊藤美穂(文)わたなべゆみ(編集)日本キッズコーチング協会(監修)あわせて読みたい🌈子どもを叱りすぎた!そんなときは部屋の模様替えをしよう
2022年03月19日サッカーをする子どもたちの常識となりつつあるサッカーノート。お子さんはどのように書いていますか。「ページいっぱいにぎっしりと書いているから大丈夫」と安心してはいませんか。でもそれは親の自己満足かもしれません。サッカーノートは、ただ記録するだけでは上達にはつながらないからです。ただ書くだけにとどまらない仕組みが随所にあるサカイクサッカーノートを使ってサッカー上達につながる活用術を監修者の「しつもんメンタルトレーニング」藤代圭一さんに聞きました。(取材・文:小林博子)藤代さん監修!1日10分で書けるサッカーノート>>サカイクキャンプでサッカーノートを書く子たちも質問があるので初めてでも書きやすい【関連記事】サカイクサッカーノートで育まれる、"不確実な時代"に必要なスキルとは?■「今日は○○をした」など、ただの記録帳になってないかその日の試合を振り返ったとき、最初は「○○というチームと試合をして、1-0で負けた」といった、起こった事実だけを書いているとしたら、それは単なる"記録"です。読書感想文であらすじを書いて指定の原稿用紙の枚数を埋めるのと同じこと。まずはお子さんのサッカーノートがそのパターンでないかチェックしてみてください。これは、一般的な文房具店で販売されているような普通のノートを使った場合によくあることです。「サカイクサッカーノート」には、低学年のお子さんでも記録にとどまらずに書ける"しつもん"があり、その枠の中に答えを書くだけでしっかりとしたサッカーノートが完成するように工夫を凝らしています。せっかく書くならより効果的な1冊にしたいですよね。そのためにぜひ活用していただきたい自信作です。■サッカーを通じてなりたい自分を想像するしつもんがあるサカイクサッカーノートには、その日の練習や試合の反省点や改善点などを書くページがありますが、親御さんにまず活用してもらいたいのは冒頭の思いや考えを書くページです。子どもが最初に記入するのは、なりたい自分に近づくためのしつもんへの答え。・どうしてサッカーをはじめましたか・サッカーの好きなところはどんなところですか・10年後、どんな自分になっていたいですかこういった、サッカーに対する思いから始まります。大切なのは子どもが思いを自由に書くこと。親が求める答えを探すのではなく、まっさらな気持ちで書ける環境を整えてあげてください。サカイクサッカーノートを渡すときに、「何を書いてもいいんだよ」というスタンスであることを説明するといいでしょう。自由に書いてもらったサッカーに対する子どもの思いは、子どもを理解する最大のヒントになること間違いなし。ちょっとした気持ちの食い違いも発見でき、よりいっそうわかりあえるはずです。■親が期待することと、子どもがかなえたい目標が違うこともある例えば、「サッカーの好きなところ」には「友達とボールを蹴れること」と書かれているかもしれません。親御さんが「サッカーの醍醐味はシュートが入った瞬間。子どもにもその喜びを味わってほしいし、積極的に点に絡んでもらいたい」と期待していたとしても、子どもは点を決めることに対してそれほどの思いをもっていないことがわかります。そうわかれば、親御さんの期待通りの活躍ができなかったとしても、試合後に「どうしてこうしなかったんだ」と落胆せずに済みませんか。ボールを蹴ることが楽しいという純粋な気持ちを今は尊重してあげようと親御さんが思えれば、それは子どもにもちゃんと伝わります。子どもはさらに楽しくサッカーをしてくれることでしょう。コミュニケーションは、「お互いが分かり合えない事」を出発点にすると、また新たな視点で関わることができます。書かれた思いを見るときは、ぜひ興味をもって「どうしてこう書いたの?」「どうしてそう思うの?」など、さらなる質問もできれば満点です。子どもは親が自分に興味をもって接してくれることを喜び、いきいきと答えてくれるはず。その答えからは、思いもよらない子どもの本音を発見できるかもしれません。上記の「友達とボールを蹴れること」と書いた子どもの場合は、普段は塾や習い事で忙しく、お友達と放課後遊ぶ時間=サッカーなのかもしれません。もっと友達と遊びたいという本音もわかります。また、10年後の目標を「日本代表になりたい」と書いたとして、その理由をさらに質問したときに「お父さんに試合を見に来てもらいたい」と答えたとします。これは、土日も仕事で忙しくなかなか応援に足を運べない父親のお子さんの答えでした。子どもの本音は、大好きなお父さんに活躍する姿を見せたい、喜んでもらいたいということであることがわかります。■サッカー上達につながる活用術ポイントは「どうしたら?」ではなく「なぜ?」サッカーノートを書く理由について、多くのお子さんや親御さんは「サッカー上達のため」と思いがちです。どうしたら上手くなるのか、どうしたらサッカー選手になれるのかといった目標や方法論を書き記すことももちろん大切ですが、子どものサッカーノートを通して親御さんに重視してもらいたいのは、「どうしたら」より「なぜやるのか」のほうです。サッカーをする動機が「褒めてもらえるから」「勝ったらご褒美がもらえるから」などといった外発的なものだけだと、それはサッカーではない他のスポーツでも代替できることになってしまいます。それに対して、なぜサッカーが上手になりたいのかという内発的な動機がわかっていると、好きの理由が明確になり、よりサッカーに夢中な気持ちに気づくことができます。サッカーは魅力的なスポーツなので、子どもたちの心の中にもこの源泉のような思いが眠っていることが多いものです。とはいえ、その気持ちを言語化するのは子どもには難しいことです。親御さんはサッカーノートを使って子どもの答えを深堀りしながらサポートしてあげてください。言葉にすることで、子どもはその気持ちをしっかりと認識し、サッカーに取り組む姿勢が一段アップすることうけあいです。そうなると、サッカーノートは単なる「記録帳」ではなくなります。日々の練習の質も上がり、当初の目的であった「サッカー上達」にもつながります。■「サッカーノート時間」は1日10分でOK!サッカーの上達とともに、親子のコミュニケーションという側面でもメリットがあるサカイクサッカーノート。短時間で質の高い振り返りや記述ができるように"しつもん"という形式をとっているので、書く時間は1日10分でOKです。子どもが自主的に書くことができない場合は、10分間だけ隣で座って見守ってあげられるとベターです。最初は1行だけでも合格。その1行を書けたことをたっぷり褒めて、それにまつわる質問をして、親子のコミュニケーション時間を楽しみましょう。思春期になると、とくに男の子は親との会話を嫌がるようになりがちです。質問をしても何も答えてくれないなんていう時期もあるかもしれません。そうなる前のジュニア年代こそ、サカイクサッカーノートが力を発揮してくれるはず。まずは1冊、子どものことをわかるためのツールとして、そして子どもがサッカーに夢中な気持ちに気づくためのきっかけづくりとして取り入れてみてはいかがでしょうか。藤代さん監修!1日10分で書けるサッカーノート>>藤代圭一(ふじしろ・けいいち)一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。教えるのではなく問いかけることでやる気を引き出し、考える力を育む『しつもんメンタルトレーニング』を考案。全国優勝チームや日本代表選手など様々なジャンルのメンタルコーチをつとめる。2016年より全国各地に協会認定インストラクターを養成。その数は350名を超える。選手に「やらせる」のではなく「やりたくなる」動機付けを得意とする。新刊に「教えない指導」(東洋館出版)がある。藤代圭一さん最新著書「教えない指導」>>
2022年02月18日上手な子は上の学年の試合に同行させてもらえるけど、息子は留守番組。ほんの2~3人留守番させるなら連れてってくれてもいいのに。本人も「自分は下手で出たら負けちゃうから当然だけど、ちょっと悔しい」と。子どもが卑屈になったらどうするの!?「お前は下手だから試合に出れない」と友達に言われたら?どうモチベーションをあげればいい?と悩むお母さんからのご相談。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんにアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<月謝を払っているのにスクールコーチが何も教えてくれません問題<サッカーママからのご相談>10歳の子どもがサッカーの少年団に入っています。上手な同級生は上の学年に同行し試合に出してもらってますが、息子は留守番組です。同行している子はパパコーチの子で、少年団以外にもサッカーを習っているので上手なのは当然なのですが、わずか二人くらいを留守番組にしたりするなら、連れて行ってくれてもいいのでは......と思います。息子は「自分は下手なんだし、出たら負けちゃうんだから上手な子が行くのは当然。でもちょっと悔しいかな」と言っています。練習は楽しんで行ってますが、親の私がどんなモチベーションでいたらよいのか、モヤモヤしています。上手な子だけが選ばれる、自分は下手だから、と息子の気持ちがどんどん卑屈になったらどうしようとか、友達から「お前は下手だから試合にでれないって言われたらどうしよう」とか私が悩んでしまってます。子どものモチベーションを下げさせないためにどんな心でいればいいのか、どんな風に声をかければいいのか、などアドバイスをいただければと思います。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。短いご相談文の中から推察してお答えするので、若干ずれがあるかもしれません。そこは最初に断っておきますね。そのうえで、結論から申し上げます。このケース、一番の処方箋はお母さんが息子さんのサッカーから距離を置くことです。■問題は子どものモチベーションでなく、自分のモチベーションが下がっていることでは息子さんは「自分は下手なんだし、出たら負けちゃうんだから上手な子が行くのは当然。でもちょっと悔しいかな」と言いつつも、練習は楽しんで通っていると書かれています。「親の私がどんなモチベーションでいたらよいのかモヤモヤする」とありますね。そこを考えると、実は息子さんではなく、お母さんの問題のような気がします。「子どものモチベーションを下げさせないためには?」との相談のようでありながら、実は子どものサッカーに対するご自分のモチベーションが下がっている。それが不安で仕方ないのではありませんか。■子どもは楽しく練習しているのに、起きてもいないことで親が不安になっている状況ご相談文の冒頭で、留守番組の二人だけが置いて行かれることに対し、不満を述べられています。面白くない気持ちはよくわかります。私も息子が小学3年のとき、上の学年に呼ばれて遠征に行ったら1試合も出られず戻ってきたことがあります。試合中に先輩のプレーを見ずに砂に絵を描いていたから「もう出さない」とコーチに言われたそうです。ですが、息子は自分の学年ではないし、大して気にしてもいませんでした。ただ単に「一日中ベンチにいて面白くなかった。自分の学年の練習に行きたかった」と言っただけでした。まあ、そうだろうなと私も思いました。上の学年は人数も多く、下の学年が出て、その学年の子どもは少ししか出られないことが問題になっていました。息子さんは自分の学年の活動があるのだからそれでOKな気がします。だから本人も楽しく練習しているのでしょう。それなのに、お母さんは、彼の気持ちが卑屈になったらどうしようとか、友達から「下手だから試合にでれないって言われたらどうしよう」と、まだ起きてもいないことを心配しています。もしかしたら、他のこともあいまって、お母さん自身の不安感情が高まっているのかもしれません。少し気分を静めて、パートナーと話し合ってみるなどして、ご自分の気持ちの揺れと向き合ってみてはいかがでしょうか。■親に信用されてないと感じると子どもは落ち込むもし本気で息子さんの精神状態が心配でたまらないのならば、もう少し自分の子どもに自信を持ちませんか?この連載でも以前に申し上げましたが、親が「転ばぬ先の杖」を立てようとすると子どもを不安にします。自分は楽しいと言ってるのに、卑屈になったらどうしようとお母さんが心配していることを感じた子どもは、自分が信用されていないことに落ち込みます。つまり「最も近くにいる母親にこんなに心配されてしまうダメな僕」と思ってしまいます。試合に出られない彼の悔しさに「残念だったね。悔しいね。一緒に連れて行ってくれればいいのにね」と共感することは重要です。ただし、子どもの気持ちに親が同化してはいけません。そこでは「いいじゃん。学年の試合があるしね。また頑張ればいいよ。楽しくサッカーできればいいね」と寄り添ってあげてください。しかも冒頭で伝えたように、息子さんは楽しんで通っています。そこを認めてあげましょう。■「試合に出さないなら辞めさせます」親が立腹して子どもの意思を無視するケースも(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)以前、都内で少年サッカーのコーチをしている方が、こんな事例を教えてくれました。4年生が大会に出たら、相手が強くて、二人だけ試合に出せなかったそうです。すると、その日当番だったその子のお母さんが「試合に出ないのなら当番なんかしないほうがよかった。もうやめさせます」と言ってきたそうです。コーチは陳謝し、その子にも「今度はチャンスがあるから」と説得したら、子どものほうはうなずいたそうです。入ってまだ数か月でしたが、サッカーを好きになっていました。ところが、お母さんは聞き入れません。「みんな出られると言われたから入れたのに」と言って、息子さんの手を引っ張って帰ってしまいました。「子どものほうはやめたくなかったと思う。歯を食いしばって泣くのを我慢していました。でも、母親にやめたくないと言えないわけです」歯を食いしばっているのを、お母さんは「ほら、この子もこんなに悔しがっている」と言ったそうです。親が子どもをコントロールできると考えないほうがいいです。声掛けとか、何か話をしてやる気が出るものではありません。日ごろから、できるだけ子どもの選択を尊重して任せましょう。「ま、いっか。サッカーをするのは私じゃない。この子なんだし」そのようにぜひ割り切ってください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2022年02月09日多くの人にとって、年末年始は仕事が休みになります。数日間休み、年が明けてやって来る仕事始めの日は、なんだかやる気が上がらないのではないでしょうか。メディア『オモコロ』で、漫画『サボり先輩』を連載している地球のお魚ぽんちゃん(@bakanoakachan)さんが描いた、仕事始めをテーマにした創作漫画を紹介します。サボり先輩の仕事始め pic.twitter.com/3CHSrXhnJ7 — 地球のお魚ぽんちゃん (@bakanoakachan) January 4, 2022 仕事始めの日、やる気が上がらない後輩に、「1年の仕事運は、初日の午前中の動き次第だ」と気合を見せた先輩。外に出て仕事先に向かっている…かと思いきや、先輩が帰宅しようとしていることを、後輩は察知したのです!「正月早々の仕事はなんだかやる気スイッチが入らない」と先輩は考え、後輩を連れて帰路につこうとしたのかもしれませんね。【ネットの声】・新しい働き方改革だ。こういう先輩がいる職場で働きたい。・直行直帰のフリして、やったことあるなぁ。・先輩の家で後輩をサボらせてくれるのだろうか。最高すぎる。年末年始、数日間あった休みを終え、仕事が始まった人なら誰でも思うでしょう。正月休みに戻りたい…![文・構成/grape編集部]
2022年01月05日たろにぃ氏断言「俺がお前を絶対ヤセさせる!」YouTubeで人気のダイエットアドバイザーであるたろにぃ氏による新刊『1%のやる気があれば今すぐ始められる! 見た目リセットダイエット』が発売された。同氏のYouTubeチャンネル「たろにぃ - 見た目リセットダイエット」は25万人以上が登録。自身も失敗を繰り返しながら1年で12kgのダイエットに成功した経験を持つ。同書はパーソナルトレーナーの脇田行(わきたいく)氏が監修しており、A5判の単行本で128ページ、定価1,430円である。「簡単すぎて失敗しようがないこと」を毎日続けるダイエットで失敗を繰り返すうちにたろにぃ氏は「失敗するときはいつもやめてしまったときだ」と気付く。当たり前のことのようだが、この経験が「簡単すぎて失敗しようがないこと」を毎日続けることが重要であるという現在のダイエットアドバイザーとしてのモットーへとつながる。新刊では誰でも続けられる「見た目が変わる14日間プログラム」を掲載。20秒間のエクササイズを行い、10秒間休み、次のエクササイズへと進むため、達成感を得やすく飽きにくいプログラムである。なお、同書には著者とともにトレーニングできる動画を視聴できる二次元コードを記載。また、現在、Amazonでの購入者を対象に「あなたのダイエットを応援するスマホ壁紙全3種 データ配信」の特典が用意されており、期間は2022年1月7日までとなっている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※「1%のやる気があれば今すぐ始められる! 見た目リセットダイエット」 たろにぃ【生活・実用書】 - KADOKAWA
2021年12月01日「サッカーノート」は、工夫をして活用すればサッカーの上達に役立つことは言うまでもありません。それに加えて嬉しい副次的効果も。それは、子どもたちの成長や大人になってから必要なスキルも育まれることです。今回は、サカイクサッカーノートの監修者である「しつもんメンタルトレーニング」の藤代圭一さんに、サカイクサッカーノートを書くことで、どうして「社会で生きる力」が身につくのか詳しくお話を伺いました。(取材・文:小林博子)藤代さん監修!1日10分で書けるサッカーノート>>サカイクサッカーノートは、質問に答える形式だから初めての子も書きやすい【関連記事】「なんでも書いて」ではかえって書けない。しつもんに答えるサッカーノートが書き続けられる理由■「失敗から起き上がる力」を育む仕掛けが随所にサッカーで主に使うのは脳から最も遠くにある足。手を使う競技より不確実で「失敗ありき」なので、一流選手でもシュートやパスをミスします。そんなサッカーだからこそ、丁寧に失敗を振り返り改善策やアイデアを考えることで「失敗から起き上がる力」(=レジリエンス※回復力、弾性・しなやかさを表す言葉で、近年は困難や脅威に直面したときにうまく適応する能力、社会で必要とされるスキルとされています)を磨きやすいスポーツとも言えます。言い換えると失敗を糧に次に役立てる力をつけるチャンスがたくさんある。サカイクサッカーノートには、その力を育むための仕掛けが随所にちりばめられています。「失敗から起き上がる力」は、日常生活や大人になって社会に出てからも必要な能力です。失敗は、しっかり振り返ることで単なる失敗に終わらせない、成長の糧にすることができます。例えば友達とけんかをしたとき、普段だったらただ後悔するだけでいつの間にか仲直りしてしまうところ、「なぜ僕は怒ったのだろう」「どんな言葉が友達を傷つけてしまったのだろう」と振り返り、どうすれば避けられたのかを考えれば、同じようなけんかをする可能性はぐっと低くなり、子どもの心も成長しますよね。■失敗を振り返ることで、次に同じ状況になった時の成功率を上げるそんな観点で、サッカーでの失敗もサカイクサッカーノートを使って振り返ることで、次の試合で同じような状況になったときの成功率を上げることにつながります。とはいえ、真っ白なノートを渡してそれを一人で考えるのは、小学生には難しいです。さきほどのケンカの例でも、「なぜ怒ってしまったのか?」「どんな言葉を言ってしまったのか?」「どうずればよかったと思うか」などの"しつもん"項目がノートにあれば、子どもがそれに答えながら振り返ることができます。子どもたちが自ら考えるポイントが"しつもん"として予め書いてあり、それに答えるように書くことで、その日の練習や試合の内容を丁寧に振り返る仕組みになっています。■課題を見つけ、自ら決める力をつける失敗から起き上がる力を細分化すると、「課題を見つける力」「自分で決める」の2つに分かれます。毎日の練習のあとに、なにも振り返らずに次の練習に挑むのではなく、その日の練習内容を丁寧に振り返り、どうすればもっとうまくいくのか/あのときどうすればよかったのかなどといった「課題」を自分で見つけ、「次はこうしよう」と自らの考えで決めること。それが日々の練習の質を高めるのは言わずもがなですよね。その中でも特に「自分で決める」が大切です。例えば、試合後にコーチから「あのときはパスするべきだった」と指導されることもあるかもしれません。そのときに「コーチにパスと言われたから次に同じような状況になったらパスしよう」と思うだけだと、次に同じ状況になってパスをして失敗につながった場合に「コーチの言うとおりにしたのにダメだった」と人のせいにしてしまいます。それがさらなる悪循環となり「コーチに叱られないようにしよう」という意識で試合に臨むことが増えていくと、自己否定感だけがどんどん高まってしまい、サッカーそのものを楽しめなくなってしまいかねません。サカイクサッカーノートでは、どうすればいいのかを自らの言葉で紡ぎだし、どうするかを自分で決めるところまで導きます。「コーチに叱られないように」ではなく「自分がこうしたほうがいいと思ったからこうする」と決めることで、サッカーを主体的に楽しめ、成功につなげるための再現性を高め、上達への意欲にもつながるといいことづくめになります。■決断力を養うのにも「練習」が必要、サカイクサッカーノートを使って「自分で決める」経験を増やすサッカーは本来、ピッチ上で決断力も求められるスポーツですが、その決断力を養うのも実は練習が必要なのです。サカイクサッカーノートでは、決断に至るまでの思考の枠組みを"しつもん"という形で体型化し、試行錯誤しながら「自分で決める」までを言葉にする練習ができるようになっています。その繰り返しによって、自信をもって自らの意思で決めることが習慣化されていきます。ちなみに、所属するチームによっては、コーチから「さっきのプレーはここがダメだった」「君の課題はシュート力だ」など、課題や目標を提示されることもありますが、その場合は「コーチはなぜ指摘してくれたのだろう?僕の課題はどんなところかな?その課題を達成するためにはどうしたらいいかな」とアドバイスや指示を自分ごとにして考える時間もあるといいでしょう。■身に付くのは不確実な時代を生き抜くスキル特に今の子どもたちが大人になったころは、今よりさらに不確実な時代になるはず。例えば大学受験でも、決められた選択肢がある中でマークシートを埋めるのではなく、答えを自らの言葉で記述する力が求められるようになりました。その力は、思考を言葉にできて初めて自ら自覚し、周りに伝えられる状態になります。ただしそれは、ある程度の訓練が必要なスキルです。最初からできる子はいません。そして、訓練すれば誰もが習得できるスキルとも言えます。それを、サッカーという大好きなことで訓練できるのがサカイクサッカーノートです。ノートの冒頭には「質問に答えるだけで、サッカーがうまくなる魔法のノート」と書いてあります。子どもたちはサッカーがうまくなりたいという純粋な思いで一生懸命書いてくれるはず。それが知らず知らずのうちに、サッカーの上達だけではない心の成長につながります。藤代さん監修!1日10分で書けるサッカーノート>>藤代圭一(ふじしろ・けいいち)一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。教えるのではなく問いかけることでやる気を引き出し、考える力を育む『しつもんメンタルトレーニング』を考案。全国優勝チームや日本代表選手など様々なジャンルのメンタルコーチをつとめる。2016年より全国各地に協会認定インストラクターを養成。その数は350名を超える。選手に「やらせる」のではなく「やりたくなる」動機付けを得意とする。新刊に「教えない指導」(東洋館出版)がある。藤代圭一さん最新著書「教えない指導」>>
2021年11月29日サッカーが嫌いで辞めたいと言っている小1の息子に対して、サッカーを続けて成長してほしいと願い、やる気を引き出すためにサポートしているつもりだけど、どこまでやると過干渉?というご相談をいただきました。外に出たがらず運動機会が少ないのが親の悩みで、ちょうど誘ってもらった近所のチームに入ったら周りが上手くて愕然。移籍も考えるけど、チームメイトとの楽しい年間行事がなくなると考えると迷う......。というお母さんの悩み。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに、脳科学などの観点も交えてアドバイスします。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<「シートベルトを着けさせない、仲間をからかう子を注意しない」コーチにモヤモヤしちゃう問題<サッカーママからのご相談>こんにちは。サッカーが嫌いで辞めたいと言っている息子(6歳)に対して、サッカーを続けて成長してほしいと願っています。やる気を高めたり、練習するきっかけを作ったりというサポートをしているつもりですが、どこまでやると過干渉になってしまうのか心配です。是非アドバイスをお願いします。息子は少年団に入って一年目です。親子とも元々サッカーに興味があったわけではないのですが、自分から外に出たがらず、運動の機会がとても少ないことが私の悩みだったので、近所の方に誘っていただいたのがきっかけで入団しました。最初は笑顔で楽しく参加していましたが、月日が経つにつれ、サッカーが嫌いと言うようになりました。入る前には気づかなかったのですが、かなりレベルの高いチームで、親がしっかり子どもにサッカーを教え込むご家庭が多く、大して運動をしてこなかった息子とのレベル差が大きいのが要因でした。同じメニューをやっても、上手くできない事に自信を無くしており、行きたくないと言い始めました。息子は得意な事は張り切ってやるタイプなのですが、サッカーには苦手意識がついてしまったようで、練習でもコツが掴めていない事が多く、できなくて泣きべそをかくことも何度かありました。試合に出ても、スタミナ、スピード、どこに蹴ればいいかという判断力がまだなく、なかなかボールに触れません。イヤイヤやっているのがわかるときには、見ていて苦しいです。元々運動させる事が目的で入ったので、サッカーを辞めるという事やもう少しレベルの低いチームへの移籍も考えました。しかし、チームの活動で親子サッカーや自然体験など楽しい思い出も沢山でき、息子もとても楽しんでいたので、チームを辞めたらこういう楽しい時間も過ごせなくなるんだよと話すと、本人も惜しいと思うようです。しかし、サッカー自体に楽しさはまだ見出せていないそうです。「自分はできない」「絶対無理」を連発しており、せっかくサッカーをやっているのに自己肯定感が下がっている状況はとても悲しいです。練習すれば出来ることが増えて楽しくなるはずと思い、家で一緒に運動をする時間を作ったり、動画を流して練習に誘ったりしております。はじめは嫌がりますが、最後は一緒にやるようになりました。今は評価することはぐっとこらえ、自分に出来ることを精一杯やっているつもりです。過干渉になるのも良くないとは思いつつ、やる気を出せるようなサポートはどの程度までなら良いのか悩んでいます。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。丁寧に息子さんに向き合っているご様子、とても好感が持てます。ただ、お母さんが少し頑張り過ぎかな?という印象を抱きました。お便りからの情報だけなので私の理解が及ばない部分もありますが、その部分はご理解いただければと思います。■「頑張ったね」「楽しめて良かったね」など取り組みを認めてあげるお母さんのなさっていることが過干渉かどうかを、私が判断するのは少し難しいかもしれません。まずは、お母さんのおっしゃる「やる気を出せるようなサポート」について、脳科学に基づいてお話しさせてください。人の意欲や「やる気」にかかわる場所は、大脳基底核の一部である線条体になります。行動と情感を結びつけたり、筋肉の緊張を調整することに関与する神経細胞の集合体です。この線条体は、子どもに対し丁寧に対話して気持ちを汲み取ったり、取り組んだプロセスを「よく頑張ったね」とか「今日はサッカーを楽しめて良かったね」などと認めてあげると、線条体は活性化します。「次もやれば、ほめられる」「楽しくやれただけで認めてもらえる」というのは、「試合で必ず得点しなさい」とか「先発で出られるようになりなさい」といった結果や成果に紐づいたものではないので、やる気の条件付けがある意味簡単です。そのうえ「サッカーは楽しいなあ!」とやりがいを感じて取り組むと、脳内でドーパミンが分泌されます。ドーパミンは、技術の習熟度をアップさせ、人を成長させる脳内物質で「脳のガソリン」などと呼ばれます。したがって、楽しめているほうがサッカーもうまくなります。少しずつですが確実に子どもを成長させるこの方法を「強化学習」と言います。■誰かに世話を焼かれないと動けない、主体性のない子に育つ危険性があるその逆で、サッカー嫌々やっていたり、お母さんやコーチから「ここがダメ。あれを直せ」「もっと努力しないと試合に出られないよ」などと圧迫、抑圧される環境に身を置いていると、線条体は停止したまま動きません。ただし、ガツンと言われる、大人がよく言う「喝」を入れられると、そのことで一瞬発奮したり、発破をかけられたことは強く記憶に残るので一時的にパフォーマンスが上がることがあります。このようにして、誰かに世話を焼かれて少し上手くなったりする状態が「一発学習」です。叱られたり、怒られて取り組むことが多いため別名「恐怖学習」と呼ばれます。刺激を与えたその瞬間の教育効果は先に説明した強化学習の3~4倍と言われますが、この方法はマイナスの副作用を伴います。また、これを繰り返すとバーンアウトしやすいうえ、他者から世話を焼かれたり、強い刺激を受けないと動けない人になってしまいます。つまり、主体性のない大人に育ってしまう危険性があります。「好きこそものの上手なれ」昔の人が言い伝えてきたことは、このように科学的な根拠があるのです。このことを踏まえて、お母さんに三つアドバイスさせてください。■今のままでは自己肯定感が下がってしまう①息子さんの意見を尊重する息子さんはすでに「行きたくない」と訴えています。息子さんが自分の意思を示せているうちに、どうか息子さんの気持ちを尊重してあげてください。このように自分の気持ちを率直に表現しても、親や周りの大人が自分の声に耳を傾けてくれないことが続いてしまうと「どうせ僕のことなんかわかろうとしてくれない」と受け取り、感情を表さなくなります。中学、高校でもそのようなことが続くと、どんどん自己肯定感が下がります。自己肯定感は、何かができないとか、良い結果や良い評価を受けられないだけで下がるわけではありません。一番身近で自分のことをわかってほしいお母さんやお父さんが自分を尊重してくれないことのほうが、大きくダウンします。逆にそこがしっかりしていれば、勉強やスポーツでちょっとくらい挫折しても、難なく立ち直れるし、それを糧にする人間に成長できるのです。■現時点の息子さんに求めるハードルが高すぎ他の子と比較してませんか?②ハードルが高すぎるまだ6歳。小学1年生くらいですね。「試合に出ても、スタミナ、スピード、どこに蹴ればいいかという判断力がまだなく、なかなかボールに触れません」と書かれていますが、もともとサッカーに興味もなく、運動もせずに育ったのですから当然です。もしかしたら、他のお子さんと比べていないでしょうか?親御さんの中には「比べ癖」がなかなか抜けない方は、少なくありません。親御さんが比べている間は、お子さんは苦しいはずです。ストレスがあるのだから線条体も動きません。どうか、息子さんが意欲的になれる空気を作ってあげてください。ご相談文を拝見する限りでは、息子さんにアジャストしていない環境のようです。本人も望んでいるのですから、彼に合うチームを探してあげましょう。■「辞めたら○○ができなくなるよ」という言い方は子どもを追い詰める(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)③コントロールしようとしないことさまざま理由はあるようですが「チームを辞めたらこういう楽しい時間も過ごせなくなるんだよ」という言い方は、息子さんを追い詰めることになります。「○○したら、●●できなくなるよ」とか「○○をしないと、××(良くない状況)になるよ」といった、大人の価値観で子どもを縛るのはやめましょう。息子さんは、お母さんが思う以上にストレスを抱えているはずです。ご自分の意見や展望ではなく、彼の気持ちをたっぷり時間をとって聞いてあげてください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年10月06日練習はダラダラ、おしゃべりしたりやる気が感じられない。試合で負けてもヘラヘラ。目標を立てても口だけ。まるで小学生のような高校生たちに、もっと真剣にサッカーをしてほしいがどうすればいい?というご相談をいただきました。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<柔らかく「止める」技術を身につけさせたい。お勧めの練習メニューを教えて<お父さんコーチからのご質問>池上さんこんにちは。指導年代は高校生なのですが、まるで小学生なのでご相談したく投稿しました。今年の春から、高校の部活に外部指導員としてかかわっています。私が指導しているチームは、これまで指導者がいませんでした。今もその名残で練習もダラダラとしてしまいます。また、集中力もなく練習中おしゃべりしたりふざけ始める子が多く、小学生を見ているような感じです。試合に関しても、負けても笑っていたりヘラヘラしています。個人の目標も定期的に立てているのですが、ほとんど口だけの目標になり、どのようにすればいいか困ってます。県大会優勝やインターハイ、選手権などを目指すチームではありません(学校からも何も言われていません)が、もう少し真剣にサッカーに取り組んでほしいと思っています。小学生年代の指導の悩みでなくてすみませんが、選手たちの意識を変えるために何かいいアドバイスがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>指導者はもっと真剣に取り組んでほしい。でも、生徒はそうでもない。温度差が生まれると、高いほうも低いほうもお互いしんどいですね。そこを解決するためには、まず生徒がどんな部活動を望んでいるのかを尋ねてみてはいかがでしょうか。■生徒たちが何を目指すのか、を根底に置くこのケースは、指導者のほうがうまくならないといけない、強くならないといけないと感じています。では、生徒たちは何を目指すのか。そこを共有するために「君たちが何を望んでいるのかな?」と尋ねて話し合います。別段強くならなくてもいいんだと思っているのであれば、みんなが楽しくなるサッカーを指向すればいいのです。スポーツをすることは健康につながります。学校の勉強をしながら、運動不足を解消し健康的な生活を送ることができます。そこを大人が「俺らの時はもっと部活を真剣にやっていた」とか「スポーツは勝つためにやるものだ」といった具合に、ひとりで突っ走ってしまうとすれ違ってしまいます。そうならないようにするためには、指導者が生徒をどう見るかを大切にしてください。当然、スポーツをする意味などを知っておいたうえで、指導対象となる生徒が「強くなりたい」「勝ちたい」と言うのなら、「だったら、こういう練習をしたほうがいいよ」と提供できます。■問いかけをしながら主体性を刺激してみようしかしながら、勝ちたいから頑張りますと言っても、まだ高校生なのでうまくいかないこともあります。そのたびに指導者は何度も「どうなりたいんだっけ?」と彼らを初心に帰らせたり、「自分たちが決めた目標は何だったかな?」と問いかけながら、主体性を刺激します。そういったことを続けたうえで、負けたり勝ったりしながら何年やっていくと、それが伝統になるわけです。つまり、かかわった子どもたちが何を望むかで部活動の姿は変貌します。では、一番幸せな姿は、何なのか。そこを考えると、自分たちで考えながら楽しくサッカーができ、なおかつそれなりの成績がついてくる。そんなものではないでしょうか。周りからも「あの学校のサッカー部に入ると、自分たちでやれるからいいよ」「やりがいがあるよ」といった評価が出てきたりする。そういう場所には、必ず良い指導者がいます。ご相談者様にも、そんな指導者を目指してほしいと思います。■日本の子どもたちが幼く自立できていないのは大人のせいでもあるおっしゃるように、今の高校生はまだまだ子どものような言動をすることがあります。ただ、そこには理由があります。例えば先日、確か10か国くらいの世界各国で実施された18歳未満の子どもたちの意識調査の結果が報じられていました。(出典:日本財団の18歳意識調査「国や社会に対する意識」要約版)「自分は社会にとって、有益か?」とか「どんな立場か?」といった自己肯定感の高さ低さを探る質問において、日本はすべての結果で最低でした。この結果は、今の日本を物語っていると思えます。子どもたちは総じて自信がなく、自立できていません。その部分を国は真剣に考えているのかどうか、非常に疑問です。日本の学校では、生徒が先生の言うことを聞いて当たり前。指示命令を聞くのは当然で、そこに意見や思いを求められることはまずありません。そのため自分で考えて発言したり、創造したりする場がない。そういった機会を奪われているのです。高校生が小学生のままでもあっても、不思議ではありません。そうなるように育てられている部分もある。すべてが彼らのせいではないと私は思っています。私は、スポーツが彼らを育てるための場になればいいと思っています。そう考えて、ご相談者様も選手たちとよく話し合ってほしいと思います。「いや、僕たちは、サッカーが楽しかったらそれでいいんです」と言えば、そうしてあげればいい。その際、「だったら、自分は指導しません」という選択をしてもいいかと思います。■「真剣にやれ」ではなく「こう変われるかもしれない」と提案する形で言ってみる彼らの意見を聞いたら、次は、指導者自身が「自分はどんな指導をしたいのか?」ということを考える番です。もう少し真剣にサッカーに取り組んでほしいとお考えのようなので、例えば弱いチームを強くしたいと考えているとすれば、サッカーを楽しみたい生徒たちとは少し目標に乖離が生まれます。指導者がそこを埋めたいのであれば、力づくで「頑張れ」「真剣にやれ」と命じてもうまくはいかないでしょう。話し合いの中で、指導者が「君たちがこんなふうにやると、こう変わるかもしれない」「こう変われるよ」という提案をすればいいのです。そこに生徒が食いついてきたら、彼らの姿は少しずつ変わっていくでしょう。選手が求めているものを提供してあげてください。一方で、食いついてこなければ、自分は指導者としてどうしたいかを考えればいいと思います。選手が求めているものと、ご自分が指導者として「提供したい」ものが余りに違っている。こうしてみては?という提案にも食いついてこない。そこを許容できないのであれば、上述したように違うチームで指導すればいいかと思います。池上正さんの指導を動画で見る>>■勝ち負けだけでなく、大人になっても良い仲間でいられるのもスポーツの魅力の一つ(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)ひとつ、私の親としての経験を話しましょう。すでに成人した娘は、高校時代までクラブチームでサッカーをしていました。少しずつチームは強くなり、上手な子の中には「もっと強くなりたい」という子も出てきました。しかし、勝つためにサッカーをするとなると、ずっと同じ子が試合に出てしまい、楽しくサッカーをしたい子たちは不満を感じ始めました。そうなると、クラブとして方針を明確にしなくてはなりません。楽しくやるのか、もっと強くなりたいのか。そこを決める必要性が出てきました。強くなりたいなら、上手くない子は出られない日が続きます。すると、一緒にやってきたその子たちはクラブをやめてしまいます。反対に「楽しくやる」を選べば、上手い選手たちがやめてしまいます。選手たちは悩みましたが、しばらく混在したまま続けることにしました。そして、結果的には「楽しいほうがいい」ということになり、上手な選手たちは違うチームに移りました。クラブに残った選手だけでは負けることも多かったけれど、大人になった今もとてもいい仲間でいます。これはひとつのスポーツの姿だと言えます。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年09月10日ウーマンエキサイト読者の皆さま、こんにちは。 前回 、お留守番以前に、心配性な性格のせいで鍵っ子にもなれないムスメ。▼前回のお話 お留守番は何歳からできるの? ~ムスメ、初めてのお留守番練習:前編~【ムスメちゃんとオコメちゃん 第122話】 まずは緊張感を持ちつつも、留守番に対する恐怖を取り除かないと…と思っておりました。そんな話を夫婦でしていたある休日のこと。パパの策によってムスメがやる気になった!ずっと顔を見て通話していれば、こちらとしても安心ですね。最初は10分! 十分だ!これでちょっと、自信がついてくれるでしょうか…?ドキドキしながら、1分で着くコンビニへ向かいました。次回、その様子をお伝えします…!(ちなみに4歳オコメも残ると言い張るので姉妹のチャレンジとなりました)
2021年07月17日「人間は自分の顔を見ると、無意識のうちに脳が刺激され、やる気や意欲を引き起こすドーパミンが放出されることがわかりました。仕事や勉強を始める前に自分の顔を見ることで、モチベーションが上がる可能性もあります」こう語るのは、大阪大学大学院生命機能研究科の中野珠実准教授。先月、イギリスの科学専門誌で発表した、中野准教授らによる研究結果が話題を呼んでいる。他人の顔よりも自分の顔を見たときのほうが、やる気を強化する“報酬系”と呼ばれる神経回路が働き、ドーパミンが放出されることが明らかになったというものだ。はたして、どんな研究なのか。「まず、人間の脳が潜在意識レベルで、自分の顔と他人の顔をどの程度見分けているかを調べました。20代の女性22人に協力してもらい、意識レベルでは顔が提示されていることに気づかないサブリミナル(0.025秒)の速さで、自分と他人の写真を次々に見せる。そこで脳がどのように反応するか、その違いを調べてみたのです」その結果、無意識の状態でも、脳は自分の顔が提示された瞬間に腹側被蓋野というドーパミンを放出する部位が強く反応することがわかったのだ。一方、他人の写真が提示された瞬間は、腹側被蓋野ではなく、偏桃体という不安や恐怖に反応する部位が活動することが判明した。「つまり、人間の脳は、潜在意識レベルで、自分と他人の顔を見分けていたのです」では、無意識状態ではなく、意識的に自分の顔や他人の顔を見た場合では、脳はどう反応するのか。中野准教授によると、魅力度が上がった自分の顔を意識的に見た場合は“報酬系”が働く。だが、盛りすぎた顔、疲れた顔やさえない顔、変顔などを意識的に見た場合は、“報酬系”が抑制され、むしろ逆効果になるという。これは他人の顔を見たときも同様で、いくらきれいに盛っていても、ドーパミンは出ないそうだ。「サブリミナル提示だと、自分の顔であればどんな状態でも“報酬系”が働きますが、意識的に自分の顔を見るときは、自身が魅力的だと思える程度に盛った顔にすることで“報酬系”が働くのです」そこで本誌がおすすめしたいのが、自分のお気に入りの顔写真を撮り、スマホの待ち受け画面にする、やる気向上作戦だ!たとえば、これから仕事に行くというときや、家事や介護を始める前に、自分のお気に入りの顔をスマホで見て、モチベーションを上げよう。「お気に入りの顔写真を見たときは、気分が高揚します。そうすると、そこから快楽へとつながっていく。さらに、その写真が笑顔であれば、ポジティブなエモーションにもなるかもしれません」ならば、お気に入りの昔の写真でも効果があるのだろうか。「昔の自分の顔を見ると、脳内の海馬という記憶をつかさどる部分が働きます。“あのころはよかったな”など、雑念が生まれる可能性もあるので、できれば、今の自分のお気に入りの顔を待ち受けにしたほうがいいですね」最近は簡単操作で、自動できれいに盛ってくれる無料の自撮りアプリがたくさんある。ダウンロードして、遊び感覚で1枚作ってみてもおもしろい。ところで、潜在意識レベルでは、一瞬で“報酬系”が働いてドーパミンが出ることはわかったが、意識的に顔を見るとなると、どれくらい時間をかけるべきなのだろう。「2秒ぐらいの“チラ見”でいいと思います。逆にガン見はしないほうがいいですね。ず〜っと見ていると、もっと目を大きく見せたいとか、気になる部分が目につき始めて、やはり雑念が生まれてしまいますので」コロナ禍による自粛生活に加え、これからはイヤ〜な梅雨を迎える。しかし、こんな時期こそ、やる気や元気を自製するのである。なお、写真だけでなく、きれいに化粧をした生の自分の顔を見て、気持ちを上げることもできる。「外に出ないと化粧もしなくなりますよね。こうなると負のループ。たまには鏡の前に座って、魅力的な顔に変えてみる。『あっ、変わった!』と、鏡の中の自分を見て思えたら、気持ちも上がっていると思います」自分の顔こそ、最大のやる気スイッチなのである!
2021年06月13日家事に介護に、毎日やるべきことは山積みなのに、出口の見えないコロナ禍、しかも梅雨で意欲はそがれるばかり……。そんな折に発表された「自分の顔を見るとやる気が出る」という研究結果。それってホント?どういうこと!?「人間は自分の顔を見ると、無意識のうちに脳が刺激され、やる気や意欲を引き起こすドーパミンが放出されることがわかりました。仕事や勉強を始める前に自分の顔を見ることで、モチベーションが上がる可能性もあります」こう語るのは、大阪大学大学院生命機能研究科の中野珠実准教授。先月、イギリスの科学専門誌で発表した、中野准教授らによる研究結果が話題を呼んでいる。他人の顔よりも自分の顔を見たときのほうが、やる気を強化する“報酬系”と呼ばれる神経回路が働き、ドーパミンが放出されることが明らかになったというものだ。はたして、どんな研究なのか。「まず、人間の脳が潜在意識レベルで、自分の顔と他人の顔をどの程度見分けているかを調べました。20代の女性22人に協力してもらい、意識レベルでは顔が提示されていることに気づかないサブリミナル(0.025秒)の速さで、自分と他人の写真を次々に見せる。そこで脳がどのように反応するか、その違いを調べてみたのです」実験で使用した機材はMRI(強い磁石と電波を利用し、人体のさまざまな断面を撮像する装置)。22人に装置の中に1人ずつ入ってもらい、瞬時に写真を提示して、脳内の血流量を測定。その数値データから、脳のどの部分が活動したのかを調べたという。その結果、無意識の状態でも、脳は自分の顔が提示された瞬間に腹側被蓋野というドーパミンを放出する部位が強く反応することがわかったのだ。一方、他人の写真が提示された瞬間は、腹側被蓋野ではなく、偏桃体という不安や恐怖に反応する部位が活動することが判明した。「つまり、人間の脳は、潜在意識レベルで、自分と他人の顔を見分けていたのです」では、無意識状態ではなく、意識的に自分の顔や他人の顔を見た場合では、脳はどう反応するのか。「自分と他人の顔で、少しきれいに盛った写真と、極端に盛った写真で比較して実験をしました。まず、少しきれいに盛った自分の顔を見たときは、“報酬系”が働いてドーパミンが放出されたのに対し、極端に盛った自分の写真では放出されませんでした」中野准教授によると、魅力度が上がった自分の顔を意識的に見た場合は“報酬系”が働く。だが、盛りすぎた顔、疲れた顔やさえない顔、変顔などを意識的に見た場合は、“報酬系”が抑制され、むしろ逆効果になるという。これは他人の顔を見たときも同様で、いくらきれいに盛っていても、ドーパミンは出ないそうだ。
2021年06月12日