2019年2月18日 08:00|ウーマンエキサイト

子どもの「考える力」を見逃さない方法【AI時代を生き抜く「自信が持てる子」の育て方 第2回】


■親の時代の価値基準で子どもを判断してはいけない

子どもの「考える力」を見逃さない方法【AI時代を生き抜く「自信が持てる子」の育て方 第2回】

「『OK,Google』って聞けば検索結果が出てくる。調べるだけで終わらないで、AIにできないことをしよう」『家でできる「自信が持てる子」の育て方』(沼田晶弘/あさ出版)


沼田先生と話していて、筆者が1番に痛感させられたのは、親の意識改革こそが必要ではないかということです。

沼田先生は、親に向けて次のようにお話するそうです。「みなさんの時代の学校と今の学校は違う。教育法も違う。自分たちの時代とはまったく違う国になっていると思ってください」と。

「あるお母さんが自分はバスケット部だったから、子どもにもバスケ部に入ってほしいと言ってきたら、『いいですよ』と言います。ただ、今の部活動の在り方は昔とはまったく違う。
旧態依然としているところもあれば、すごく進歩的なところもある。一律ではない。学校や指導者によっても大きくかわる。昔のイメージではなく、現状をきちんとみてくださいね」とアドバイスを贈るそう。

とかく年齢を重ねると「昔はよかった」と思いがちなところがあります。たとえば、ちまたでは、ゆとり世代は使えないとか、コミュニケーション能力が低いとか言われたりもしています。

しかし沼田先生は、今の若い子にもすごいところがいっぱいあると話します。

「今の学生に調べものを頼むと、ネットを駆使して必要な情報をパパっと調べてきます。
若い企業家は、ものすごいスピードで仕事を処理していく。

ただ、若者に苦手なのはアポイントをとること。なぜなら、彼らにはもともとメールやスマホがあって、都合が合えば即決があたり前。でも、上の世代は、アポは2週間前ぐらいから先方に伝えてないと失礼にあたると思っています。だから若者が直前にアポをとったりすると、『若い奴らはなってない』と判断してしまう。でも、それは若い世代は知らないだけで、教えてあげれば済むことなんです」

沼田先生は、「自分たちの時代の価値基準で、子どもたちのことを判断しないで」と話します。「これからの子どもたちは、こういう価値観のある時代を生きていくんだということをお父さんもお母さんももっと意識したほうがいいと思います」

たしかに世の中の環境は大きく変化しているのに、昔からの固定観念にしばられて、これは絶対にいいこと、これは絶対に悪いことと思い込んでいることってけっこうあるのではないでしょうか? でも、時代も変われば価値も変わる。こう考えることで、子どもを見る目が変わってくるかもしれません。


■今回のお話を伺った沼田晶弘さんのご著書
『家でできる「自信が持てる子」の育て方』(沼田晶弘/あさ出版)

左:『家でできる「自信が持てる子」の育て方』/右:沼田先生(撮影:中村 年孝)


『家でできる「自信が持てる子」の育て方』
(沼田晶弘/あさ出版 ¥1,400(税込み))
「ダンシング掃除」「勝手に観光大使」など、ユニークな授業で各種メディアの話題を集める東京学芸大学附属世田谷小学校教諭 沼田晶弘の最新刊。どうしたら子どもたちの中に自信が芽生えるのか? どうしたら何事にもやる気が起きるのか?そんな子どもの自主性や自立性、自己肯定感、やる気を引き出す方法のヒントになるメソッドが満載の一冊です。
沼田晶弘さん
国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。学校図書生活科教科書著者。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカへ。インディアナ州立ボールステイト大学大学院で学び、インディアナ州マンシー市名誉市民賞を受賞。スポーツ経営学の修士を修了後、同大学の教職員などを務める。その後、2006年から東京学芸大学附属世田谷小学校に赴任。
児童の自主性や自立性を引き出す、ユニークな授業が新聞やテレビに取り上げられ、大きな話題に。その授業はアクティブラーニングの先駆けと言われる。

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