子どもが、
突然吐いた!服はどうやって洗えばいいの…? 消毒ってアルコール? 汚れた布団はどうすれば…?
そんなパニックになったことのある方もいるかもしれません。
嘔吐下痢はある日突然やってきます。そして、看病している間に、ふと気づいたら自分も気持ち悪い…。あっ、もしかしてうつったかも…
■嘔吐下痢は突然やってくる
嘔吐下痢を起こす病原体はたくさんあります。有名な
ノロウイルスや
ロタウイルスをはじめ、感染力が非常に強く、適当に処理をしてしまうと家族みんなが嘔吐下痢になってしまうこともあります。看病する側がダウンすると、吐きながら子どものお世話をする事に…。
消毒や洗濯、じつは家にあるものでかなり対処できます。
感染力が強いので、できる限りのことをやっても感染してしまうことももちろんありますが、看病と同時にやれる範囲のことをやって、
家庭内感染を防ぎましょう!
■ハイターを使って消毒薬を作ろう
嘔吐下痢の場合、
「次亜塩素酸ナトリウム」を使って消毒するのが確実です。アルコールでの消毒は残念ながらノロウイルスやロタウイルスなどをやっつけるには不十分です。
※人体には次亜塩素酸ナトリウムは使えません。例えば手などを石鹸でよく洗った後に補助的にアルコール消毒するのはありです。
次亜塩素酸ナトリウムなんて聞いたことがないと思うかもしれませんが、じつはハイター、キッチンハイター、ミルトンなどのことです。(ワイドハイターは成分が違いますので使えません。ラベルの成分表示をご確認ください)
▼消毒薬の作り方
作り方はイラストのとおり、原液を書いてある量入れ、水で薄めて、注意書きをして子どもの手が届かないところに保存します。
イラストに書いてあるのは約200ppmの濃さの消毒液です。
この濃さで作れば、衣服のつけおきや、汚染が比較的少ない場所の消毒に使えます。金属を腐食する作用がありますので、拭いた場所は10分後にしっかり水拭きしましょう。また、光に弱く日持ちしないので、1日1回作り直しましょう。
※人体には使えません(触る時は手袋で)。そして誤飲が怖いので、絶対に子どもの手が届かないところへ!
▼下痢や嘔吐で汚れた床やトイレを消毒する方法
嘔吐したものや場所の消毒、下痢のついたオムツを処理するときには、1000ppmの濃い消毒液を作ります。
作り方や注意事項は基本的に同じ。
<1000ppmの消毒薬の作り方>
●ハイターの場合:10ml
(付属のキャップ1/2杯分、もしくはペットボトルキャップ2杯分)
●ミルトンの場合:50ml
(付属のキャップに2杯・もしくはペットボトルキャップ10杯)入れて、水で薄めて作りましょう。
※どっちを使っていいか悩んだ時は1000ppmの方を使えば確実です。
■嘔吐下痢で汚れた衣服の洗い方
さて、
汚れた服はどうやって処理するといいでしょうか?
すぐ洗うのでなければ、
ゴミ袋やバケツに入れておきましょう。乾燥すると病原体が舞い上がって、吸い込むと感染してしまいます。
▼嘔吐下痢で汚れた衣服の洗い方
次のイラストのとおりに準備し、できる限りの汚れをぬぐいとってから、まず予洗いします。
●漂白しても大丈夫なものであれば、200ppmの消毒薬を使って消毒できます。30分〜1時間浸けおきしてから洗濯しましょう。
●漂白できないものは煮沸消毒が確実です。ぐらぐら煮立って1分くらいで消毒できます(85℃1分が目安)ので、それから洗濯します。
▼漂白、煮沸消毒ができない衣類の場合
漂白しても困るし、鍋で煮るにも大きすぎて…と言った場合には、次善の策になりますが、次のような方法もあります。
●熱湯を複数回かける
●予洗いを何度も水を換えて行う
●洗濯機を複数回回す
●スチームアイロンをかける
確実に消毒できるというわけではありませんが、リスクを抑えることができます。
また、これはあくまで「消毒」であり、「嘔吐した後の汚れ」が落ちるわけではありません。嘔吐や下痢で染色してしまうと、洗っても落ちないこともあります。
一番手軽で確実なのは
「捨てられるものは捨てる」ことです…。最後の手段ではありますが、看病しながら消毒するのは思いの外大変です。できる範囲でやれることをやりましょう。