連載記事:パパママの本音調査

“不審者の見分け方を教えない”親たちの戸惑い「子どもの安全対策」実態【パパママの本音調査】 Vol.333

“不審者の見分け方”を教えない親たちの戸惑い「子どもの安全対策」実態

イラスト:ちょっ子


子どもが成長してきて親と離れて行動することが増えると、事件や事故に巻き込まれないか、心配になります。ニュースなどで子どもが巻き込まれてしまったり、被害に遭った事件には心痛める人も多いことでしょう。

今回は、不審者への対策についてのアンケート調査から、子どもたちの身の安全を守るために、親である私たちには何ができるのか、考えてみたいと思います。

■不審者対策を子どもに伝えている親は7割

アンケートでは、子どもに不審者の見分け方を教えているかどうか聞きました。その結果、「とにかく逃げる・ついて行かないように教えている」、「教えている」と答えた人があわせて69.8%となり、約7割が不審者への対処を子どもに伝えていることがわかりました。

一方で、「不審者の見分け方がわからない」と答えた人も13.8%いて、その対策に難しさを感じている親も一定数いるようです。


Q.お子さまに不審者の見分け方を教えていますか?
とにかく逃げる・ついていかないように教えている 40.3%
教えている 29.5%
不審者の見分け方がわからない 13.8%
教えていない 11.3%
子どもに任せている 3.9%

その他 1.3%


■「逃げる、ついていかない!」これに尽きるのか?

子ども自身が身の危険を感じた場合、「とにかく逃げる、ついていかない!」と伝える親が4割

イラスト:ちょっ子


子ども自身が身の危険を感じた場合に、「とにかく逃げる、ついていかない!」と伝えているという4割の人たちの思いを聞いてみましょう。

『知らない人にはついて行かない』と教えてます。変だなって思ったら、防犯ブザーを鳴らして逃げるように伝えてます」(東京都 30代女性)

「『お菓子をあげるからおいで』などと言われても近づかないのはあたり前で、それでもしつこく、手などを捕まれたりした場合などのとっさの対処の仕方、逃げ方を小学校に入学する前から教えています」(北海道 40代女性)

「いきなり名前を聞かれる、道を聞かれて案内させるなど、自分の体験をもとに子どもに危険性を伝え、『全速力で人がいっぱいいる所や交番に逃げろ!』と教えています。相手はこちらの善意を逆手に取ってくるので、『知らない人には善意は持たないでいい』と、悲しいですが教えました」(神奈川県 30代女性)

『こういう人が不審者だよ』と、固定観念を植えつけるのも逆に心配です。知らない人にはついていかない、人通りが少ない所には行かない、何か起こりそうになったら大きな声を出して逃げる。これに尽きるかと思います」(神奈川県 40代女性)


不審者への対策として、「ついていかないこと」「危ないと思ったらとにかく逃げること」、この2つは小学校でもよく言われていることですね。

ただどんな人が不審者なのか。どんな行動が危険なのか。
これを子どもが理解することはとても難しいだろうと思います。

■「親以外は信用するな!?」不審者の見分け方に戸惑う親たち

そこで「どんな人が不審者なのか伝えている」という意見を見ていきましょう。

「最近は不審者だけに気をつければいい訳じゃないので、『不審な感じじゃなくてもついていかない』ように言ってあります!」(徳島県 30代女性)

「子どもが遊びに夢中になっているときは、周りのことを気にもしていないので、一緒に公園にいるときに、親なりに注意してほしい人を、理由を伝えて教えます。怪しい人は、目の動きなど、人と違う行動をとるので、自然とわかるようになります」(茨城県 40代女性)

『基本的に親以外は信用するな』。親以外の大人と二人きりになるな。自分が少しでもモヤッと感じたら、その人からすぐに離れろ。知っている人でも、ご近所さんでも、仲良しの近所のおじさんでも一緒など、細かに教えています」(東京都 40代女性)

「かわいいおもちゃや犬を見せてくれる人、ゲームの話やプレイをしてくれる人、あいさつしてくれる近所の顔見知りの人など、優しそうな人のなかにも悪い人はいるんだよということ。車に乗せようとする、一緒についてくる、どこかへ連れていこうとする 、すぐそばに近づいてくるという場合は逃げるようにということ」(東京都 40代女性)


どの意見も、不審者がどんな人か断定するということではなくて、親の経験にもとづく情報や肌で感じる危機感によって、慎重に判断するよう促していることがわかります。


このほかにも、「知っている人でも親の許可なくついていかない」という声もあり、面識のあるなしに関わらず、できるだけ広範囲の人に警戒するように伝えている親は多いようです。

たしかに、これまで子どもが犠牲になった悲しい事件の中には、もともと面識のあった人や近所の人による犯罪もあるため、用心を重ねる親たちの気持ちにも、納得できます。

また「顔だけで不審者だとは判断はしないように伝えている」という声も見られました。「夫が作業着で公園にいたら、不審者と間違えられた」など警戒しすぎたことによる誤解が招いたエピソードも複数あり、なかなか簡単に不審者を見分けることが難しい現状が伝わってきます。


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