【医師監修】ほうじ茶のカフェイン量は? 妊娠中に飲んでも平気?

目次

・ほうじ茶にカフェインはどのくらい入っている?
・ほうじ茶に含まれるカフェインは妊娠中に飲むと危険?
・カフェインだけじゃない! ほうじ茶に含まれるもの
・まとめ
【医師監修】ほうじ茶のカフェイン量は? 妊娠中に飲んでも平気?

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香ばしい香りが心をほっとさせてくれるほうじ茶。カフェインの量が少ないことから、寝る前のリラックスタイムにほうじ茶を選ぶ人もいるのでは?

でも、妊娠中や授乳期にほうじ茶を飲んでも大丈夫なのかと心配な人もいるかもしれませんね。そこで、ほうじ茶のカフェイン含有量や飲める量を知り、不安を解消しましょう。


【医師監修】ほうじ茶のカフェイン量は? 妊娠中に飲んでも平気?
【監修】
イシハラクリニック副院長 石原新菜先生


小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。

著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。


■ほうじ茶にカフェインはどのくらい入っている?

カフェインが少ないことから、寝る前のリラックスタイムや妊娠中、授乳中の飲み物として重宝されるほうじ茶。
そもそも、カフェインとはどんなもので、ほうじ茶にはどれくらい含まれているのでしょうか?

▼そもそもカフェインとは

妊娠すると、口に入れるものにはとても気をつかいますね。カフェインが多く入っているとされるコーヒーや紅茶を飲まなくなるのもそのひとつ。その代わりに、カフェインレスのコーヒーや、ほうじ茶をはじめとするカフェイン量の少ないものを選ぶように。

このように多くの人が気にするカフェインですが、そもそもカフェインってどのようなものなのでしょう。そして、なぜカフェインが妊娠中や授乳中によくない影響を与えるといわれているのでしょうか。

・カフェインのメリット


カフェインは精神活性物質として数千年もの昔から使われてきた化学物質です。摂取すれば中枢神経が興奮し、覚醒、利尿作用などがあります。カフェインの持つ覚醒作用は、注意力や集中力がアップしたり、頭をスッキリさせてくれます。

朝起きたとき、勉強や仕事に集中したいときなど、カフェインの入った飲み物が助けてくれます。でも、妊娠中や授乳中にはカフェイン摂取を控えたほうがいいというのはあまりに有名な話。結局のところ、カフェインって体にいいもの? 悪いもの? 迷ってしまいますね。

参考書籍:『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』(白揚社)著者 マリー・カーペンター、訳者 黒沢令子


・カフェインのデメリット


カフェインが体にもたらす影響はいいものばかりではありません。カフェインを過剰に摂りすぎると動悸がしたり、眠れなくなったり、めまいがおきることも。

また、普段からカフェインを摂っている人がその量を減らした場合は、頭痛やイライラなどが起きることもあるようです。怖いものでは、カフェインが多く含まれるエナジードリンクを日常的に大量に飲みすぎて、カフェイン中毒死した例もあります。

カフェインにはいいところばかりではなく健康への影響もあるため、摂取に関しては国内外で注意喚起されています。


アメリカでは、体重1キロあたり3mgまでの摂取であれば急性中毒の心配はないとされています。これは大人に限らず、子どもも同量で悪影響はないと推測されています。対して、子どもの年齢別に細かく摂取量を定めて注意喚起しているのがカナダ。健康な大人なら最大400mg/日までとされています。

数値に差はあれど、このように海外では摂取許容量が設定されています。しかし、日本ではカフェインの過剰摂取に注意しましょうと呼びかけながらも、許容量が定められていないのが現状です。

これは、カフェイン摂取によって受ける影響は個人差が大きいことが理由のようです。

▼ほうじ茶に含まれるカフェイン含有量


お茶の葉には2~4%のカフェインが含まれており、対してコーヒーの実には1~2%。
加工前の葉と実の状態では、お茶のほうがカフェインの含有量が多いのです。

しかし、お茶の製法過程でカフェインが昇華。ほうじるというひと手間が加えられたほうじ茶は、さらにカフェインの量が少なくなり、飲める状態になったほうじ茶のカフェインの量は100mlあたり20mg(浸出法:茶15g、90℃ 650ml、0.5分)です。

▼そのほかのお茶と比較してみよう


代表的なお茶に含まれるカフェインの量を比較してみましょう。

<浸出液100mlあたりのカフェイン濃度>
ほうじ茶 20mg
煎茶 20mg
玄米茶 10mg
玉露 160mg
ウーロン茶 20mg
紅茶 30mg
コーヒー 60mg

玉露のカフェイン含有量は特筆して多く、ほうじ茶の8倍。カフェインが多く含まれているイメージのあるコーヒーは60mgですから、比べても倍以上です。同じお茶類でもカフェインの量はさまざまなんですね。


■ほうじ茶に含まれるカフェインは妊娠中に飲むと危険?

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▼妊婦にカフェインは禁物?


適度な摂取は体にいい影響を与えるカフェインですが、妊娠しているなら話は別です。妊婦の場合は高濃度のカフェインを摂取すると、おなかの赤ちゃんの成長に影響を与え、低体重になる可能性もあります。

そのため、アメリカでは、妊婦や授乳中はカフェインの摂取量を1日あたり200mgまでと提言しています。カナダでは、1日あたり300mg、イギリスでは200mgに制限するよう求めています。


▼ほうじ茶はどのくらい飲むと危険なの?


妊娠するとカフェインの代謝を担う物質が減少。カフェインの代謝が遅くなり体にとどまる時間が長くなることから、カフェインの影響を受けやすくなるといわれています。

しかしながら、妊娠中はカフェインを避けたほうがいいとされるものの、世界保健機関(WHO)によると実はカフェインによる胎児への影響は未だ確定していないのだとか。それでも妊婦が飲むコーヒーの量は1日3~4杯までにすることを呼びかけています。

100mlあたりのほうじ茶のカフェイン量はコーヒーの約3倍であることを勘案してWHOの基準を参考に計算すると、ほうじ茶は1日に9~12杯まで。500mlのペットボトルに置きかえると約2~2.5本分です。

夏の暑い日に冷たいほうじ茶をゴクゴク飲むのなら、多少は気をつけたほうがいいかもしれませんが、コーヒーや紅茶の代わりにあたたかいほうじ茶を飲んでリラックスする程度なら、さほど神経質になることもなさそうです。

▼乳幼児への影響は?


カフェインの影響を受けやすい幼児は、カフェインを摂取すると落ち着きがなくなったり、眠れなくなったりと、興奮状態に陥りやすくなります。大人と比べて肝臓でのカフェイン代謝機能が低い子どもが大人と同じ量のカフェインを摂取するのは危険です。

カナダではカフェインに対する感受性が高いとされる子どもには4~6歳なら最大45mg/日、7~9歳は最大62.5mg/日と摂取量の基準があります。

カナダの基準をあてはめると、幼児には1日にほうじ茶は2杯まで。しかし、チョコレートやココアなど、ほかにもカフェインが入っている食べ物を口にする機会も多いはず。ほうじ茶だけではなく、トータルで考えて気をつけたほうがよさそうです。

さまざまなメーカーから生後1カ月ごろからを対象とした赤ちゃん用の飲料としてほうじ茶が販売されています。一般的なほうじ茶と比べるとカフェインの量が控えめです。

また、赤ちゃんの味覚に合わせて苦みを抑えられているものが多いので、赤ちゃんに飲ませるのであれば、ママのほうじ茶よりもベビー用のほうじ茶を与えたほうが抵抗なく飲めるかもしれませんね。


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