性教育は「幸せな人生を築く力」の土台! 子どもの自己肯定感も上げる「おうち性教育」の始め方
■性教育は「幼児期から」がベスト
パパやママたちは、「性」についてきちんと教えてもらったことはありますか? 筆者自身は思い返してみると、中高の保健体育の授業で、男女の体の違いについて説明を受けたくらいで、具体的な受精の仕組みや性交について学んだ記憶はありません。
自分の親からも、あらためてきちんと性教育を受けたことはなく、なんとなく「恥ずかしいこと」という思いは今も根強く残っています。おそらく、同じようなパパママが多いのではないでしょうか。
そんな私たち世代が親になり、急に「性教育」をしなければいけないと言われても、戸惑ってしまうのは当然なのだそうです。
「『恥ずかしい』『実は親もよくわからない』『何を教えればいいの?』そう思って当然なんだよ」「だってあなたたちの世代のほとんどは、子どもの頃に
大人から自信を持って教わってないんだもの」と村瀬先生は話しています。
わかっていないという前提を踏まえた上で、大人が子どものために一歩踏み出すことが重要なのだと気づかされます。
そして、性教育を始める時期については、
「幼児期からがベスト」なのだそうです。
【幼児期が性教育にベストな理由】
●「おしり~うんち~」と子どもが叫んだ時の対応も性教育となる
●思春期の子どもに突然「性」の話をするのはハードルが高い
●学校では月経や射精は教えるが、受精のしくみや性交については取り扱わない
●多くの子どもが友人や交際相手から性の知識を得ている
性教育に触れる機会が少ないため、多くの子どもが友人や交際相手から性の知識を得ています。
その友人や交際相手の性の知識の元はというと…アダルトビデオやアダルトサイト。こうして、アダルトビデオやアダルトサイトを「性の教科書」にせざるを得ない状況になっています。
しかし、大人向けに作られたアダルトビデオやアダルトサイトは、「妄想」や「ファンタジー」も多く含む現実とは乖離した世界。これを現実と非現実の判断がつかない子どもが見ると、フィクションを現実として捉えてしまい「歪んだ人間観」が形成されてしまう危険性があるのだそうです。
性教育=ポルノ・セックスではない、という認識をまずは親がアップデートし、幼い頃から正しい性の知識を教えていくことが大切なのだと痛感します。
一方で、「知ると興味を持って行動に移してしまうのではないか」という懸念もあります。しかし、性教育に力を入れているオランダでは、15歳までの性交渉体験率が低いのだそうです。
村瀬先生は、「リスクを含めて正しく知ることで、
『しない』ということも自分で判断、主張できるようになる。
正しい性の知識は子どもが幸せに生きるために必要」だといいます。「性」についてしっかりと事実を学び、リスクを知ることが重要なのだと、あらためて感じさせられます。