性教育は「幸せな人生を築く力」の土台! 子どもの自己肯定感も上げる「おうち性教育」の始め方
■「性教育」で最初に教えたい大切なこと
次に、最初に子どもに教えたい大切なことをご紹介したいと思います。どれも、「日常で伝えられること」なので、おうちですぐに実践することができそうですよ。
▼プライベートパーツは勝手に触らない、触らせない
そもそも、からだの全ての部分は自分のものですが、その中でも特に「
プライベートパーツ」は、他人(親であっても)が勝手に触ったり触らせたり見ようとしたり見せたりしてはいけない部分のことをいいます。村瀬先生によると、「プライベートパーツ」は
口、胸、性器、お尻の4つで、その人のいのちに直接関わる場所のことなのだそうです。
【プライベートパーツについての伝え方】
●あなただけのものだから、大切に扱わなくてはいけないこと
●勝手に触ったり見ようとしてきた人には「嫌だ」と言って逃げること
「プライベートパーツ」を触ることについては、お世話や看護で必要な場合もありますよね。ただ、親子間の楽しいコミュニケーションとして、お尻を触ったり見たりすることは、本来望ましくないのだそうです。
なぜなら、子どもがスカートめくりやカンチョーなど、「プライベートパーツ」を触られたり見られたりした時に、本当はすごく嫌だったとしても、「好きだからなのかな…」と、黙ってしまうことに繋がる危険性があるからです。
それがエスカレートすると、からだを触られたり見せるように欲求されても、拒否できず、取り返しのつかない犯罪被害に巻き込まれてしまったり、逆に相手が嫌がっているということに気づかず加害者になってしまう危険性もあるといいます。親子の間でも、「プライベートパーツ」には侵入しないことが重要です。
▼防犯のための「NO、GO、TELL」
次に、防犯のために知っておきたいのは、「NO、GO、TELL」の3つの心がけです。
【子どもに伝えたい身の守り方】
1、NO=ハッキリと拒否して
「イヤ!」「だめ!」「やめろ!」「助けて」など
2、GO=逃げること
できるだけ人の多い方へ
3、TELL=もし「秘密だよ」と言われても信頼できる大人に話すこと
これらの3つは、普段から繰り返し伝えておくことが大切なのだそうです。そして、「NO」については、「自分がされたくないこと」や「不快なこと」についても、
「嫌だ」と言ってもいい、と伝えてあげましょう。それぞれに感じ方は違いますが、自分がどう感じるかを大切にしてあげて、それは人として当然の権利なのだと教えてあげることが大切です。そして、大人も子どものNOを尊重できるようになることが必要です。
「性教育」というから、いきなり特別なことをしなければいけないと構えていましたが、どれも日常の中で、子どもたちに伝えられそうなことばかりでした。子どもが小さいうちから意識していくことで、性教育について自然と話し合える家族関係を築いていけそうな気がします。まずは、一歩ずつ進んでいけると良さそうですね。