■結婚・夫婦の定義は……ただの「制度」です!
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<犬山さんの声を聴きながら読む>
最後は、ラジオネーム「一星斗夢(ひとつぼしとむ)」さんです。
紙子さんの思う「結婚の定義」「夫婦の定義」は何ですか?新著の『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』を読み始めてから、それが気になってしまい、自分が嫌にもなり始めています……。できる範囲でいいので、紙子さんの思いを教えてくださいませんか。
メッセージを送ってくれるだけでなく、本まで買ってくださった神様からのお便りでした。本当にありがとうございます。「嫌になり始めた」のは、おそらく過去に夫婦の問題の何かしらにぶち当たって、まだ傷が残っている状況なんですかね。
まずは「結婚の定義」、私は正直ただの「制度」だと思っていて。
国が用意しているお得なパックみたいなものです。使えば配偶者控除があったり、夫婦だからこその優遇が受けられたり。私も利用をしているわけですけど、そのお得パックが全ての人に対して平等で、開かれたものかといえば、そうでもなくて。思想的に「結婚しない」のもありだと思ってます。
じゃあ、「夫婦の定義」となると、大事なのは
「夫婦かどうか」よりは「パートナーとしての関係性」だと考えています。一緒に住んでいなくても良い夫婦像はあり得ますし。自分が思いを込めて、相手からも思いやられる相互の関係性が、理想のパートナー像の一つかな。
それに
最初から完璧なパートナーって、いないですよ。お互いに成熟している者同士だとしても、問題がない人間は絶対にいないから。
でも、起こる問題に対して、ふたりでどうやって乗り越えていこうか、ふたりでは解決しなければ誰かに知恵を借りようとか、あるいは合わないから離れようか、と冷静に考えられることが大事だと思うんです。
結婚や夫婦という定義、もしかしたら単に「名前付け」かもしれませんが、そんなに大切ではないんじゃないでしょうか。そもそも関係性に名前って、付けられます?「彼氏彼女」といっても色んな捉え方があって、
自分がしっくりくるのが一番だと思うんですよ。
■パートナーは、不安を孤独にさせない存在
私にとって夫は、不安を孤独にさせないでいてくれる存在でもあります。不安やしんどさは、ひとりで抱えると視野も狭くなるし、きついですよね。でも、
パートナーや友達といった誰かと共有できたら孤独ではなくなり、その不安の解消に向けて動いていけるようにもなります。やっぱり人間関係って大切ですよね……。
不安なこと、夫にも結構話します。
コロナ禍のことなら、保育園が休園になったときに「栄養素をどうしよう」って言いました。保育園は栄養も完璧なご飯を出してくれるので、子どもはそこで野菜を食べてくれたりもして助かっていたんです。でも、自宅だと子どもの栄養も健康も、私たちが率先して守らなきゃいけないですから、重石がひとつ増えますよね。
あとは、もし自分と夫が感染して、子どもだけが無事だった場合の対応。こういう不安は、ひとりでぐるぐると考えても答えが全然出ないんですよね。「親戚に預ける」といっても、そちらに高齢者の方がいたら大変ですし、陰性であっても子ども間で移る可能性もあって。
預けられない人は「児童相談所」や「一時保護所」へ、という話も聞きますけど、どこも大変だし、施設の人たちのキャパシティだって、いっぱいいっぱいのはず。答えが全く見えずに不安になって、夫に相談しました。
もちろん、夫も答えを持ってはいません。ただ、夫に話したことによって、私の心がなぜか軽くなったことは事実なんです。やっぱり
「一緒に悩める人がいる」という、それだけのことでも、思い詰めすぎていた気持ちが楽になった。今後も夫としっかり話し合って決めていこうと、現実的な話ができるようになっただけでも、全然違いますよね。
夫婦も人それぞれ。一星斗夢さんも、自分にしっくりくる形がベストなんじゃないかな、と思います。あと、二度目ですが、本を買ってくれる人は神様です。ありがとうございます!
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