授乳室があるって幸せ?外での授乳はNG?世界の授乳事情は?
公共の場での授乳が権利として法で守られているアメリカ
そんなアメリカ、実は授乳が法で守られています。
「ワシントン州は2001年に女性が公共の場で授乳する権利を保護し、授乳や母乳を搾る行為は公然わいせつ罪にあたらないとする法律を施行しました」
「また、シアトル市では2012年4月9日、シアトル市議会が、“公共の場での授乳は守るべき人権である”とする条例を可決しました。これにより、レストラン・各種店舗・プール・図書館での公の場で子どもに授乳している母親に対して授乳をやめるよう求めたり、別の場所に移動するよう依頼したり、何かで胸を覆うよう指示したりする行為は違法となりました」(シアトル最大の日本語情報サイトjunglecity.com 「公共の場での授乳」より引用)
さすがアメリカ!授乳するママの権利がしっかり守られています。
まさに私が懸念しているのが、「授乳室で与えることがスタンダードになると、外での授乳がタブー視され、ますます赤ちゃん連れのママへの世間の目が厳しくなるのでは…?」という点。授乳室が増設、完備されることは素晴らしいことですが、逆にそちらに追いやられ、ますます外での制限が増えてしまうのではないかということが心配なのです。
「アメリカではあちこちで授乳している人がいますし、ケープや授乳服なので授乳している側としても、見る側としてもあまり気になりません」とEさんが言うように、日常の風景の中に授乳をしている母親と赤ちゃんがいるのが普通。老人や若者、親子、子どもたちが混じっているのが社会であり、その社会の中で子育てをしている世代がいること、いろんな立場の人がいることを互いに認識することも大切なのではないかと思うのです。
ハード面の充実と共に必要な寛容さ
海外に在住のママたちは、日本に帰国するたびに、授乳室の多さやファシリティーの充実度など、きめ細かな配慮がなされた設備に、“さすが日本だ”と感動するのだそう。
しかし「子育てするママにはやや厳しい国なのかも…」「日本のママたちは周囲に恐縮しながら子育てをしているな…」と感じることがあるのも事実。実は私もそう感じたひとりで、オーストラリアから2歳と0歳の子どもを連れて帰国し、東京での生活が始まったときの逆カルチャーショックは、まだ心に焼きついています。それまでは自由にどこでも授乳をしていたのに、日本に帰ると周囲の目を気にして授乳する場所を探さなければならない、授乳ケープをつけないと恥ずかしい。