ルーマニア人の夫と日本人の私。子どもの外国語教育どうする?
子どもに通わせたい習い事として、「英語・英会話」が注目されていますね。筆者の娘はまだ1歳で日本語さえおぼつかない状態ですが、それでも英会話スクールや英語の通信教育などから勧誘の声がかかるようになりました。
今回は「子どもに外国語の早期教育は必要なのか」ということについて、外国人の夫を持つ筆者が、娘の外国語教育に悩んだ経験をもとに紹介します。
日本語・英語・ルーマニア語…どれを教える?
筆者の夫はルーマニア語を母語とするルーマニア人。英語が得意であるため、娘にはルーマニア語ではなく、将来役に立つだろう英語を教えたいという思いを強く持っていました。
実際に英語の本で読み聞かせをしたり、イギリス人やニュージランド人の友人と娘を英語で会話させたり、夫の言語教育はもっぱら英語がメイン。
ですが、ルーマニア人の義両親は当然、自分たちの孫(筆者の娘)にネット電話などを通じてルーマニア語を教えようとします。
筆者と夫は普段、日本語で会話をしているため、娘は日本語・英語・ルーマニア語という3言語が入り混じった環境の中で過ごしていることになります。
英語を教えるべきか、ルーマニア語を教えるべきか…夫婦で育児の方向性を話し合った結果、「日本で暮らすのだから、娘の母語は日本語。日本語をきちんと話せるようになるまで、積極的な外国語教育はしない!」という結論に至りました。
優先すべきは母語の『日本語』
外国語教育について参考にしたのは、筆者の実母から勧められた『0歳からの子育ての技術』という本です。本書では赤ちゃんとのコミュニケーションの取り方や遊び方などを紹介しており、英語の早期教育への見解も書かれていました。
その内容とは、外国語の早期教育は子どもに混乱を招くというもの。
人間の脳は母語をもとに第二言語を学習する仕組みになっているため、母語を習得していないうちから別の言語を学習させようとすると、日本語も外国語も中途半端になってしまうということでした。
以前、とある大手英会話スクールの体験見学をした際、そこの先生も「日本語が変になるので、英語の文法は教えません」と言っていたのを思い出しました。そのスクールでは英語の発音に力を入れて教えているそうですが、早期教育によって母語と外国語が混同してしまうというのは、やはり通説としてあるようです。
積極的な外国語教育はもう少し後でいい?
先に紹介した本では、言葉の習得には7~8歳までかかるので、せめて6歳までは待つべきと書かれています。