愛あるセレクトをしたいママのみかた

もし自分が死んだら…?わが子に「想い」を残すラストメッセージのすすめ

あんふぁん
子どもが起きている間は忙しさで「かわいい」と思う余裕がなくても、眠った姿を見ると「かわいいな」「愛しいな」と思えるから不思議ですよね。寝顔を見ていると「自分が死んだら、その先この子はどうなってしまうのだろう?」そう思う瞬間があります。

自分がいなくなった時のために何か準備しておいた方がいいのでは? と思う一方、実際に何をすればいいのかわからない。そんな筆者の元に「ラストメッセージを書くワークショップがある」という情報が! これはアクションを起こすいい機会と思い参加してきました。

“仕事も子育ても充実させて自分らしく働くを叶えたい女性のコミュニティ”「山形ワーキングマザーの会(Wignal)」主催のワークショップ。妊娠から子どもが20歳になるまでの育児記録と、もしもの時に必要な情報を1冊の手帳にまとめることができる『たすき帖』の立案者、伊藤加奈子さんをゲストに迎え、想いを文字にして残し、子どもに伝える大切さを学びました。
ラストメッセージを書くワークショップを通して気づいた気持ちと、私がもしものためにしておくべきと思ったことをご紹介します。

どうして?ラストメッセージが浮かばない⁉︎


1日10回は「ママ大好き」を連発する5歳の息子は、ママがいなくなったらどんなに悲しむことでしょう。
残された子のことを思うと、今自分にできることはあるのでしょうか。そんな想いを胸に参加したワークショップ。

ラストメッセージを書くことは、明日死んでも後悔しないように子どもへの想いを形にして残しておくことのほかにも、自分自身の気持ちの整理にもなるとのこと。
とはいえ明日自分が死んでしまうかも…と想像してもなんだかリアリティがないですよね。

実を言うと、筆者はワークショップの時間内にラストメッセージを書くことができませんでした。正確にいうと書いたけど、それはよく考えてみると本当に伝えたいことではなかったというのが正解。書いている最中は、「もっとああすればよかった、こうしてあげればよかった」と後悔ばかりが出てきて、気づけば子育ての反省文になってしまったのです。

家に帰ってからも「子どもに残したいラストメッセージは何か。
なぜラストメッセージがすんなり出てこないのか」をずっと考えていました。もしかして、子どもへの愛情が欠如しているのでは? とショックを受けてみたり、親から愛情をちゃんと感じていただろうかと、自分の幼少期までさかのぼって考えてみたり。それから、母子手帳や育児記録を引っ張り出して読み返し、赤ちゃんの頃の写真を見ているうちに「あの頃の愛情ってもっとシンプルだったよね」と思うようになりました。新生児の頃は存在するだけで愛おしかったのに、大きくなるにつれさまざまな感情が積み重なって、純粋な気持ちが埋もれてしまっているのかも。

想いの根っこにあることは“あなたは私にとって大切な存在”ということ。ラストメッセージは、育児の反省文ではなく「ありのままのあなたが大好き」ということを伝えればいいんだ! と気づきました。

愛情を思い出すのに大切な育児記録


ラストメッセージを書く上で大切なのは、ピュアな愛情を思い出すこと。それは、子どもが生まれたばかりの頃に抱いた感情が近いはずです。
ですが悲しいことに、記憶というのは薄れていってしまうもの。だから育児記録やそのとき感じた感情をありのまま記録しておくことが大事になってくるのですね。

大学ノートに育児記録を書き留めていた伊藤さん。「新鮮な気持ちを文字に記録しておくことでかけがえのない宝物になる。書くことが目的ではなく、自分の気持ちを大事にする時間を作ってほしい」と、自身の経験を交えながら育児記録を残す大切さを語ってくれました。

子どもが親になった時に、親が抱いた感情を知ることができるので、良いことばかりではなく負の感情もそのまま書き残してほしいと言います。書くことでストレス発散にもなり、書き終わったらスッキリしていることも多いそう。

ここで問題がひとつ。
記録を取り続けることは、3日坊主の筆者にとっては至難の技です。
でもよく考えてみれば私たちは、母子手帳やSNS、園・学校の連絡帳などで、知らず知らず育児の記録を取っています。バラバラになった記録をひとつにまとめるだけでも十分。どんなふうに記録をまとめればいいか分からない人は「たすき帖」のような市販のツールを使うのもいいかもしれませんね。

子ども以外の家族にも残したいラストメッセージ


ラストメッセージを実際に書いて思ったことは、子ども以外の家族にもメッセージが必要ということ。
筆者はこの記事を書いている最中に祖父が他界しました。葬儀に参加していろいろと思うことがあり、兄弟に手紙を書くことにしました。きっと生きている間は伝えられないけど、もし私が死んだら伝えたいことを書き留めました。
夫や親兄弟に伝えたい想い、自分がいなくなってからの育児と家事のこと。もっと言うと延命措置や葬儀、通帳、SNS等各種パスワード、重要書類の保管場所、連絡してほしい人など。残された家族が困らないように自分しか知らない情報を残しておくことも重要です。

今回のことで、埋もれかけていたピュアな愛情を取り戻し、自分の死と、家族に向きあうきっかけになりました。
もしもの時の備えとして残したい、ラストメッセージ。子どもが寝静まった後、赤ちゃんの頃のアルバムを見ながら、明日来るかもしれない“終わり”を意識して書いてみてはいかがでしょう。

たすき帖

Wignal(山形ワーキングマザーの会)

<文:フリーランス記者三浦麻耶>

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