「子どものお小遣い」あげる前に、親が意識しておくべきこと
そのため、ご褒美お小遣いや、定額お小遣いの上乗せとしての扱いになる傾向があります。
定額お小遣い
親から子に渡す「お小遣い」としては定番と言えるのが定額お小遣い。
年齢に応じた額を毎月・毎週など決まった期間ごとに渡し、そのお小遣いは好きなことに当てていいというようなベーシックなシステムです。
メリットとしては、毎月決まった額が入るので、お金の利用の計画が立てやすく、お小遣い帳などと併用することで、「毎月決まったお金で生活するスキル」が磨きやすい点です。報酬お小遣いが、入ってくるお金のコントロールがしやすいのに対し、定額お小遣いは出ていくお金のコントロールがしやすいという違いがみられます。
ただ、年齢に応じた額というのがネックで、子どもが大きくなるにつれ「みんなはこれくらいもらっている」的な値上げ交渉にさらされますが、報酬お小遣いのように親に何かメリットになるようなことが薄く、子どもにとっても「年齢に応じてもらえるお金が大きくなる」という金銭教育がはたしてよいものなのか、と筆者は考えています。
うちのおこづかいシステムはこれ!と決める家庭もあるでしょうが、多くの家庭ではこの3つをうまく組み合わせて考えているケースが多いようです。
ちなみに筆者の家庭では、小学1年生から「ご褒美お小遣い」を採用しており、もらったお年玉全額を渡し、それを1年間のお小遣いとしています。
大きな買い物をして後で欲しいものができて困るという経験もよし、計画的に使うもよし、または使わないでとっておくのもよしで、親は基本的に口出しはせず、各自のお財布で管理しています。
額も大きい分、子どもの性格に応じて気づきも大きいのではないかという実験でもあります。
このやり方は、小学1年生の「授業」できちんとお金を習った後のお正月からスタートするのがおすすめです。
幼稚園児の時は、報酬お小遣いとして、夏休みなどに「このお手伝いしたらいくら」と決めて、まずは短期でお小遣いの出し入れを体験するのがよいかもしれません。
親が「これは親と子にとってどんな意味を持つお小遣いか」を意識することで、子どもに上手な金融リテラシーを育んでいけるといいですね。<文・写真:フリーランス記者結生>