連載マンガ「すがおのまま子」 文系ママに知ってほしい! 科学絵本の楽しみ方(後編)~さとちゃん先生が語る、子どもがもつサイエンスの芽の育て方
色が変わる裏には、おおげさなようだけど“真実の法則”があるじゃないですか。「何で色が変わったんだろう?」「この奥にはどんなストーリーがあるんだろう?」というふうに思わなければ、今のこの道には来ていないと思います。
だから、虫が嫌いなお母さんは子どもが虫を捕ってきたときに「気持ち悪い!」「捨ててきなさい!!」って言ってしまいがちだと思うけど、「足が何本あるか数えてごらん」とか、何でもいいから声をかけて彼らの「驚き」を肯定してあげてほしい。その喜びと驚きはきっと“何か”につながるはずだから。
別にサイエンスが好きな人が全員研究者になる必要はないし、すべてのお母さんが「専門家」を育てる必要はないんです。ただ、物事が起きているときの背後の法則を知ると、それだけで生活は楽になるし面白くなる。
できれば「サイエンスは苦手」って拒否反応を示さずにお子さんといっしょに興味をもっていただきたいと思うんですけど…わたし自身、母として偉そうなことは全然言えないな(笑)。
うちの子どもたちは「絶対バイオには行かない」って言っていますし、子どもって親が「こうなってほしい」と思う方向には行ってくれないものなのかもしれないですね。
ちょっとした驚きの「芽」を受け止めてあげれば子どもの視野が広がる
―― うちの息子も親がそんなに得意じゃないことのほうが、興味が長続きしている気がします。
親は自分が好きなジャンルだと無意識に押し付けてしまうんでしょうね。本当は子どもが興味を持ったとき、はじめて図鑑や本を差し出せばいいんだろうけど、親が興味のあるものは最初から家にあったりするから。
でも本当は、テレビ番組でも何でも、子どもが何か発見したときにいっしょに面白がって声をかけてあげるだけでいいんだと思う。子どもの「何で?」に正確に答える必要もなくて、「何でだろうね~?」ってその気持ちを受けとめてあげるだけでいい。その驚きがすべてなんです。
それをきっかけにサイエンスに限らずいろんなことを学んで幅広い視野を身につければ、極端なことを言うようだけど妙な偏見もなくなるはず。特にサイエンスは「エビデンス(証拠)」がすべてだから、人種や文化の違い、あるいは育ってきた環境の違いで「何となくイヤ」みたいな差別意識は持ちようがないんですよね。
勉強を通していろんな見方や考え方があることを知ると、きっと生きていく「面白さ」