シリーズ 専門家にきく! スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんに聞く チャレンジできる体のつくりかた第2回(全4回・レシピあり)
成長期の体は、常に細胞分裂が活発に行なわれている状態であり、体の形が一番変わる時期でもあります。身長が伸びる=骨が伸びる=骨代謝※をしているわけですから、骨をつくる栄養素が必要です。骨は、タンパク質とビタミンCでできているので、骨の成長にその2つが欠かせないんです。
※骨代謝……骨の細胞が新陳代謝をすること。
――成長期の子どもに避けたほうがよい食材はありますか?
疾病の対策以外で、合成甘味料(ゼロカロリーなどを特徴とする)をふくむ食品は積極的に食べるものではないと思います。人間の体は、甘さを感じるとインシュリンを出して糖分を取り込みます。種類によりますが、ゼロカロリーの食品は甘みを感じるのに、糖分を取り込めないわけで、人間の根本的なシステムを無視しているわけです。糖分を摂ったのに無かったことになるっておかしいですよね(笑)。
糖分も体にとって大切な栄養素なんですから。実際に、ゼロカロリーや合成甘味料を使ったドリンクの飲み過ぎは、糖尿病を発症するリスクもあります。
――体のためのつもりが、逆の結果につながってしまうんですね。ほかに気をつけることはありますか?
成長期は感受性を伸ばす時期ですので、口の中で感じる甘い、すっぱい、冷たい、温かい、シャキシャキしている、やわらかいなど、多彩な感覚を体験させましょう。いろいろな食材や調味料を使ったり、切りかたを変えたりするのがポイントです。同じ食べ物、同じ調味料ばかり食べていると同じ感覚しか伸びないですから。
――感性を高めるためには、食事での体感も必要だということですね。成長期の食事の適量についても教えてください。
適量のバロメーターは、朝の食欲です。朝起きたときにお腹がすいていない場合は、寝ている間もずっと夜ごはんの消化吸収が続いていて、睡眠のジャマをしている可能性があります。もし、お子さんが体調は悪くないのに、「朝ごはんが食べられない」と言うのなら、勇気を持って量を減らし、質の良い睡眠のための消化のよい調理法の夜ごはんを用意してください。――もし、本人の意思で夜ごはんをたくさん食べていても、朝の様子で判断して量を減らしたほうがいいですか?
食事は人が元気に生きていくための「動く」と「寝る」を支えるためのものですから、食べることが寝ることを邪魔しては本末転倒ですよね。夜ごはんの量を減らせば、朝、お腹が空いて目が覚めるようになります。