すくすく伸びる子どもたちに、本当に大切なこと 子どもが生きていくうえで大切な土壌、「自尊感情・自己肯定感」と「他者信頼感」
と説くのは親野先生。「感情『で』伝えるのではなく、感情『を』伝えましょう」と説くのは松井先生です。
■メタ認知力をつければ自分のストレスを子どもにぶつけなくなる
「子どもが伸びる親力」より(親野智可等先生)
■ 「叱る」「怒る」より効果的な子どもとのコミュニケーション
「くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て」(松井美香先生)
↑目次に戻る
4.感謝の気持ちは思いやりの心を育てる
親が子どもの存在をありのまま受けとめ感謝するという行為は、子どもの思いやりの心を育てます。思いやりを育む他者への関心や信頼感は、自尊感情や自己肯定感とともに大切なもの。子どもの心に他者への優しさが育つ土壌が耕されるかどうかも、わたしたち大人の意識にかかっているようです。
「(他者に)感心をもつためには、まず所属する共同体(家庭、学校、地域など)の中で、自分が他者の役に立っていると感じる必要があります。なぜなら、自分が人の役に立てるという感覚が持てなければ、人は思いやりをもって行動しないものだからです。」と松井先生。
そのためには、「お手伝いしようかな」と行動に移した子どもに対して、たとえそれが不慣れなものであったとしても「ありがとう!助かる」と感謝の言葉を口にすることが大切。アドラーによると、「人は、良いところも悪いところも、注目されたところが強化する」そうです。子どもの優しい気持ちをわたしたちが大事にすれば、子どもは自分の思いやりが「注目された」と感じることでしょう。
■思いやりのある優しい子に育てるために
「くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て」(松井美香先生)
子どもへの観察力が大事、と教えてくれるのは親野先生です。今、声をかけられる状況かな、とまず考え、楽しい話をして雰囲気をつくってから親の伝えたいことをさりげなく伝えれば、不毛で不必要な言い合いを避けることができます。よい親子関係を築くことが、子どもの、他者を信頼する気持ちへとつながっていくのですね。
■親がひと工夫するだけで、子どもの「わかってる。うるさい」の反抗がなくなる
「子どもが伸びる親力」より(親野智可等先生)
最後に親野先生の、「子どものころ大人に言われて救われた言葉」を紹介して、第1回を終わります。「子どもが救われる言葉は、大人の自分が言われてもうれしい言葉なんだな」