すくすく伸びる子どもたちに、本当に大切なこと 自分ががんばらなきゃと思わなくていいんです。子どもにも親にも必要な「ナナメの関係」
「本によって培われた先を読む力、推測力や判断力が、本当の『考える力』になっていくのではないでしょうか。目に見えることだけに頼っていると、目の前のことしか見えなくなります。先を見通す力は、動物的な本能や自分の身を守るための直観力にもつながります。わたしはこうした動物的な本能が、現代の人たちには薄れてきているのではないかと危惧しています。」
■みどり文庫(後編)~本には人間本来の能力を引き出す力がある~
みどり文庫細谷みどりさんインタビューより
「本に年齢はなく、いつから読んでも遅くはないのだけれど、いい本に、いいタイミングで出会うこと、そのときにしかない『出会い感』はとても大事な気がします。」そう語るのは子どもの本の専門店で配本事業も行なう「クレヨンハウス」の早崎志乃さん。
映画の原作になった本や、自分の興味のある分野の本から読書の世界に入ってみるのもおすすめだそうです。
■クレヨンハウスインタビュー~本選びのプロに聞く、子どもの本の魅力とは?~
クレヨンハウス早崎志乃さん、馬場里菜さんインタビューより
読書が好きになるきっかけはいろいろあります。読み聞かせをされた経験、した経験、歯医者さんの待合室にあった本との出会いなど……。親野智可等先生が、8つの実話を紹介してくれています。
■いろいろなきっかけで読書が好きになる
伝記が人生を変えるきっかけをくれることもあります。■伝記が人生を考えるきっかけになる
「子どもが伸びる親力」(親野智可等先生)
本に描かれた世界や生き方に感銘を受けるためには、やっぱり「読む力」が大切!メールやSNSで文字を追うだけでなく、まとまった文章を読む力を養うことで、子どもの出会いの場はずっと大きく広がっていくのですね。
ここで、ある編集部員の話を紹介すると、小学生の子どもが学校での人間関係がうまくいかなかったとき、ゆいいつの居場所となったのが学校の図書室でした。司書の先生からの適切な声かけもあって本の世界に目覚め、「この主人公はここまでされても立ち上がるのか!」「こんな知恵でピンチを切り抜けるのか」「この登場人物はなんて賢いんだ!」などと言いながらさまざまなシリーズを読みふけっているうちに、うまくいかなかった友だちともおすすめの本を貸し借りする仲になったようです。まさに本が様々な出会いを運び、成長へと導いた例と言えるでしょう。