広汎性発達障害(PDD)の原因は?遺伝する確率はあるの?
その脳機能障害は、先天的な遺伝要因と、様々な環境要因が複雑かつ相互に影響し合って発現するというのが現在主流となっている説です。
なお、広汎性発達障害という診断名は、アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版テキスト改訂版)の診断基準では自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害という診断カテゴリに変更されています。以下の各症状の中には、自閉症スペクトラム障害の概念から除外されたものも含まれています。
しかし、行政や医療機関で広汎性発達障害の名称を使用している場合も多いこと、すでにこの名称で診断を受けた人も多いことから、本記事では『ICD-10』の診断カテゴリに準拠して広汎性発達障害の名称でご説明します。
以下の図で広汎性発達障害に含まれている各症状の原因について、それぞれご紹介します。
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自閉症は脳の機能障害が原因と考えられていて、これには複数の遺伝子が関わっており、最近では父親の高齢化で自閉症の確率が高まるという研究報告や、妊娠時の体内環境の要因などが関連すると言われることもあります。しかしながら、これらは全てはっきりしたメカニズムが分かっておらず、医学的根拠については解明されていません。
アスペルガー症候群も自閉症と同様に脳の機能障害である可能性が高いとされていますが、その全てが解明されている訳ではありません。
小脳や脳内物質の異常、環境ホルモンやウィルス感染、成長環境での心理的要因など国内外で様々な研究が進められており、アスペルガー症候群の原因について医学的な裏づけを研究している段階です。
レット障害(レット症候群)はほとんどが女児に見られる発達障害です。レット障害についてはX染色体上に存在する遺伝子の突然変異が原因だということが発見されました。1999年にMECP2という遺伝子が主な原因遺伝子であることが発見され、その後2004年にCDKL5、2008年にFOXG1という原因遺伝子も発見されています。女性の性染色体はXX型、男性はXY型であるため、レット障害は女児に多いと考えられています。また、男児の場合、遺伝子の異常で流産や死産してしまう可能性が高いですが、男児のレット障害も少数ながら報告されています。
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4367
レット症候群|難病情報センター
小児期崩壊性障害(CDD)