障害者差別解消法とは?制定の目的や対象、支援体制などについて
障害者差別解消法とは?
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2016年4月1日より、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下、障害者差別解消法)」が施行されました。この法律は、障害による差別を解消し、誰もが分け隔てなく共生する社会を実現することを目的として制定されました。
注目すべきポイントは、ここで言う「障害者」が、障害者手帳を持つ人のみに限られないという点です。障害者差別解消法では「障害者」を次のように定義しています。
障害者身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/law_h25-65.pdf
ポイントとなるのは“障害及び社会的障壁”という文言です。
個人の心身の機能障害だけでなく、社会の制度や環境が障壁となって、その人の生活に障害をもたらしているとする、障害の「社会モデル」という考え方を反映しています。
ここでいう「社会的障壁」とは、「手話のついていないテレビ」や「点字ブロックのない道」などの物理的な障壁のみではありません。見えづらい障害に対する理解不足や、それに伴う対応不足なども人が社会で感じる「障壁」になりうるのです。
そんな誰しもが持ち得る「障壁」に対して社会全体が「気づく心」を持ち、柔軟に対応していくことを求める法律、それが障害者差別解消法なのです。
障害者差別解消法が制定されるまで
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障害者差別解消法が成立した背景には、2006年12月に国連総会本会議で採択された「障害者の権利に関する条約」(通称、「障害者権利条約」)の存在があります。この障害者権利条約は、障害者に対する差別禁止や障害者の尊厳と権利を保障することを定めた条約で、日本政府は翌年2007年9月に署名しました。
日本はその障害者権利条約を国内でも批准することを目指し、2009年12月から国内法の整備を進めていきました。