2016年12月29日 11:00
[第4回] 「追いつめられたら、逃げたっていい」不登校の先に、生きる意味を見つけた今だから語れること
今、ようやく思える「自分の人生に意味があった」ということ
ぼくは今まで、本当にたくさん人に迷惑をかけてきた。
不登校だけじゃなく、周囲の迷惑になることもしてきた。でも、変わらず僕を心配し愛情を注いでくれる人達がいた。
「あなたはあなたで大丈夫」「生きていてくれてありがとう」
そう言ってくれる人がいた。
同じ言葉を、今苦しんでいる子どもたちにも届けたい。想いを繋いでいきたい。
講演ライブをはじめたばかりの頃、過去の経験を話すたびに胸が苦しくなって涙が溢れた。今でも涙が溢れてくることがある。
それでも活動を続けたいと思うのは、「不登校について考え方が変わりました」と言ってくれたり、「死にたいと思っていたけど、生きていこうと思えました」と言ってくれる、子どもたちと出会えるから。
自分の経験にも意味があったんやなって、思えるようになった。
「逃げる」ことはときに、生きるために闘うことだと伝えたい
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10685001238
僕の不登校のきっかけになったのは、クラスメートの女の子へのいじめだった。そのいじめの対象だった女の子は16歳で自殺して亡くなった。
あの時なにもできなかった自分をものすごく責めた。ぼくは逃げてしまったけど、彼女は我慢して我慢して、そして最後には命を絶った。
今振り返っても、苦しくなる。彼女の死を僕は忘れない。
今現在、あの時の彼女のように1人で踏ん張っている人がいたら、
「一人ぼっちでどうにも出来ない時は、逃げていい」
と伝えたい。
「逃げる」ことはときに、生きるために闘うことだと伝えたい。
いじめの話を学校でしていたとき、生徒さんの中で、倒れてしまい保健室に運ばれた女の子がいた。
彼女は自分自身のいじめの経験がフラッシュバックして倒れた。講演を終えすぐに、彼女がいる別室にいくと過呼吸になって泣いていた。
僕は彼女に、「生きていてくれてありがとう」と伝えながら、隣にいることしかできなかった。どうしてこの子がいじめにあわなくちゃいけないのか、とても苦しくなった。
彼女は周囲に相談していじめから逃れることができた。
後日、「生きていこうって思えました」という手紙を送ってくれた。
僕たちは、経験を伝えることで誰かを傷つけたいとは思っていない。