友達と遊ばない6歳の息子。その理由は大人の想像とは違って…
と聞いてみたことがあります。そのときに、息子はこう言ったのです。
「お母さんたちがみんなでキャーキャー喋る声とか、お友達がワーワー言う声が辛くて頭痛がするから、いいの」
「お友達から離れて、ボーっと景色を見ていると、疲れが取れる」
「バスの中でも隣に人が座って欲しくない」
これを聞いたとき、私はハッとしたのです。私は、いつしか輪から外れてみんなと一緒に遊ぶ息子を「可哀想」と思ってしまっていたのです。
きっとみんなに外されて嫌な気持ちになっているんだろう、そのうち成長したら入れるようになるかな、お友達の家に遊びに行けなくて寂しくないのかな…と。
けれども息子の言葉を聞いて、私の考えが間違っていたことに気付きました。息子にとっては、集団生活を問題なく送るというだけでも重労働なのです。
息子は聴覚過敏があるため、子どもがみんなでワーワー言っている声が大嫌いです。
けれども、集団生活ではそれを我慢しながら生活しています。だからこそ、息子はお友達と遊ぶ時間よりも、1人になって自分を休ませる時間が必要だったのです。
幼稚園の自由時間に1人でブツブツ言いながら集団から離れているからこそ、バスで1人の座席を陣取って景色をボーっと眺めているからこそ、息子は集団生活で頑張ることができていたのでしょう。
社会性やコミュニケーション能力は、みんなの輪に入れることがゴールではない
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=29959000045
私は息子の気持ちを聞くまで、自分が息子に療育を受けさせ、早期から支援をしていたのは「社会性を身につけ、友達の輪に問題なく入れるようにすること」だと勘違いしていました。けれども、息子の話を聞いて私は思ったのです。
療育や支援を受けたことで、息子は「いっぱいいっぱいになってパニックになる前に、自分で集団から抜けて休憩を取る力をつけた」のだと。
これこそが、息子にとっての「社会性」の獲得の大きなステップだったのではないでしょうか。
「社会性」とは友達みんなと仲良くすることではなく、自分の特性を知りながら、自分なりに社会と上手く関わる方法を知ることなのだと思いました。
それが、息子のように「お友達の輪から離れる」ということだとしても、それは決して間違ったことではないのだ、と私は感じたのです。
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