「子どもを主語にしないでインクルーシブ教育なんかできますか?」みんなの学校・木村元校長トークイベント
塚根先生(大空小学校・元教員):そうですね…正直大空小学校に赴任して子どもたちと出会う前は、これまでの経験という引き出しで子どもたちに対応出来ると思っていたんです。でもね、現実はどうしようもなかった。自分には出来ないと思った。
そしたら、自分には出来ないと思っている先生は私だけじゃなかったんです。
どん底に落ちはしましたが、周りと共有することで、「どうせ上手く出来へんのやったら笑って帰ろかー」みたいな、開き直りがうまれました。それにね、教員みんな、大空小学校では困ってたんで。新任の先生とも上下関係じゃなくていっしょのスタートになったのがよかったですね。
「家でむしゃくしゃしているよりは、学校行ったほうがいい」って感じで同僚同士繋がっていったし、困ってるときは助けがほしいじゃないですか。
そうやって地域の人とも繋がっていきました。
木村先生:一回ね、「この中で本当に辞められる人間はおるか」って話をしたんですよ。ひとりだけいました、その人はローンがなかったんですね(笑)
辞められへんのに辞めたい辞めたい言って、先生が苦しい顔しとったら、そんな学校子供は楽しいと思えます?
辞められるんなら辞めてもええけど、辞められへんのやったら自分を変えるしかない。どっちかやなって。
Upload By 発達ナビ編集部
主語はだれ?目的はなに?
Upload By 発達ナビ編集部
司会:来場者の方からの質問です。企業はカスタマーが主語になっているでしょうか。社員が主語になってはいませんか。
吉澤さん:いい質問ですね。ただ顧客と企業はサービスと対価を循環させる関係ですので、お客さま至上主義を第一としている会社もそれはそれであやしいと僕は思っています。何が第一かじゃなくて、全部大事。
木村(彰):今のお話を聞いて、学校現場で子供を主語にすることで先生の不満もどこかに出てくることもあるのかなとは思いました。
木村先生:子供を主語にして、すべての子どもが自分の働く学校で前を向いて安心して学んでいるという事実を見て、その職場が嫌になる先生いますか?いませんよね。
子供が主語になっているという事実が、すべての教職員の幸せにつながるんです。
そもそも今のような質問が出るっていうのが衝撃で、「みんなの社会をいかに生きてはたらくか」が今日のテーマだったかと思うんですけど、私ちょっと企業の皆さんに質問してもいいですか?
皆さん障害者の就労支援や障害者雇用に力を入れてる企業で働いているとのことでしたが、じゃあ障害者雇用の目的って何ですか?と私は問いたいです。