子育て情報『「間違ってる!」と言われ続けたぼくが、偏りを“個性”に出来た理由ー作家・市川拓司さんインタビュー』

「間違ってる!」と言われ続けたぼくが、偏りを“個性”に出来た理由ー作家・市川拓司さんインタビュー

親が見方を変えれば、子どもも「自分は一人ではなくてある集団の中の一員なんだ」という思いが強まると思います。発達障害がある子どもにとって自分と似たパーソナリティのひとが他にもいるんだという認識を持てることは、肯定感に繋がるのではないでしょうか。

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Upload By 平澤晴花(発達ナビ編集部)

ーとはいえ、思春期の子どもは第二次性徴も始まり、異性を意識したりなど、他人との違いを一層、意識せざるをえない状況になってきますよね。

中学に上がる位までの発達障害の子どもは基本的に天真爛漫じゃないですか。いじけてないし。本当に生き生きとしている。でも、なんか中学に上がった頃から暗い顔し始めて、俺自身もそうでしたけど、あそこで一回ガクッとくるんですよね。自分もいじめでまいったときがありました。


やっぱり自我が一番発達するときに、上からガッと抑えられると結構大変なんですよ。だから最初の第1ウェーブである12、 3歳の思春期というのは、本当に大きな壁。いじめも結構悪質になってくる。知恵がついてね。

学校の教室みたいな狭い場所に哺乳類を閉じ込めるなんで、本当は理不尽きわまりない。ぼくは個人的には学校になど行かなくて済むのが一番いいとは思いますが、そうした壁を乗り越えるための何か抗弁を用意してあげられればいいなとは思います。そのひとつに家族や親族の存在がある。


「教祖」は自分自身信じる道を切り拓く

ーとにかく自己肯定感を持てるように親が導くということですね。
加えて、市川さんは自分で自分の自己肯定感を育むために「自分のための宗教を作っていく」と書かれています。自分教にすがるのではなく、「作っていく」。これは、どういう意味でしょうか?

アスペルガーというのは、自分が教祖となって自分なりの宗教を作る、いわば教祖タイプじゃないかなと思うんです。集団主義に属さない。でも、世間で認められやすいのは、ヤンキー気質のひと。ヤンキーって教祖と反対の「リーダーに従う信者タイプ」なんですよね。なぜなら、ヤンキーのひとたちには、「リーダー」「ヘッド」「カリスマ」といった存在がいる。そして、その人たちが彼らヤンキーの教祖であり、宗教になっている。
そういう人がいないアスペルガーのひとたちは、自分が教祖になるしかありません。でも、その方が、本来のアスペルガーの気質に合っていると思います。

そもそも宗教とは、自分を肯定するために、ある種の大きなものと繋がりたいという欲求でもあります。

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