2017年9月4日 14:00
ダウン症の息子と歩いた日々に、父親の僕が教わったこと
そうした事実に勇気づけられ、自身でも、海外のダウン症に関するポジティブなニュースを翻訳して発信するサイトを立ち上げた。そのサイトを通じて、人との繋がりが広がっていった。
「ただそこにいていい」−誰もが存在を肯定される、そんなつながりを広げていきたい
Upload By 黒木 聖吾
そして2012年。ダウン症のある子供を持つ父親たちを中心に、地域を越えて、「アクセプションズ」というNPOを立ち上げた。
仲間たちの職業は営業、システムエンジニア、広告、出版など多種多様。それぞれの専門性を活かす形で何かダウン症の啓発活動ができないだろうか?
そんなときに着目したのが、全米ダウン症協会(NDSS)が1995年にはじめたダウン症の啓発チャリティーウォーキングイベント「バディウォーク(Buddy Walk)」だった。
日本でもいままでの障害者イベントのイメージを覆すような、おしゃれでかっこいいイベントを目指したい。そんなコンセプトを胸に、東京でのバディウォーク開催を実現した。
初開催から5年目となった2016年には、渋谷のど真ん中を、600人のダウン症のある人や家族で歩く大パレードとなった。
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「障害があってもなくても、ぼくたちは一緒に生きている」
そんな我々のメッセージを、パレードを目にした街頭の人たちは受け取ってくれただろうか。
現在、息子の脩平は小学校3年生。小学校の特別支援学級に通っている。知的な遅れがあり、まだほとんど会話はできない。
彼の世話をいつも焼いてくれる、しっかり者の健常の女の子がいるが、そんな彼女でもたまに学校へ行きたくないことがあるという。そんなとき「しゅうへい君がいてくれるから教室に入れる」のだと、保護者会でその子のお母さんから聞いて嬉しくなった。
きっとそれは障害者に対する優越感や傷の舐め合いとも違う。
他人との差異や弱いところも認めあって、障害があってもなくても「ただそこにいていい」とお互いの存在が肯定される、そんな感覚なのかもしれない。障害者も健常者も一緒に支えあって生きている、と改めて気づかされた出来事だった。
https://acceptions.org/
NPO法人アクセプションズ
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