2018年2月5日 16:00
きょうだいで違う「縄張り意識」でトラブル勃発。感情が乱降下する子どもたちを変えた大切な作業
お互いの会話を遮りながら、「ちがう!それはそっちが○○したからだろう!」と泥試合を演じる始末。
相手の悪いところばかりを責めたてるだけでは、物事は解決しません。ではどうすれば解決に繋がるのだろうかと考えて、こんな風に声をかけてみました。
「ねえ、二人の意見はよくわかったんだけど、お互いに相手が何をされたら嫌なのか知ってる?」
「そんなの、自分がされて嫌なことは嫌に決まってるんだから、考えなくてもわかるでしょ!」 「そうだよ!」
なんで大人がそんなこともわからないんだ!と、今度は怒りの矛先がこちらに向いてきそうな勢いです。
「なるほど、あなたたちのケンカの原因はそこにあるんだ!」
「えっ、どういうこと?」 「んんん?」
大切なことなので、例を挙げながら話していきます。
「たとえばお姉ちゃん、あなたは弟がマイクラをしてるときに弟の席に強引にお尻を入り込ませて、見るだけじゃなくてマウスを奪って自分でゲームを操作し始めるでしょ?」
はっとした顔で 「それはそうだけど...」と口ごもる娘。
「でも弟は怒らないよね?それは弟にとっては、そんなに嫌なことではないからだと思うの」
「うんうん!いっつもお姉ちゃんが来るけど僕は別に構わないよ。でもどうして僕がお姉ちゃんのところにいくとダメなの?」
息子は不思議顔で首を捻ります。
「そこが問題なんだよ。お姉ちゃんは自分から他人の縄張りに入っていくのは平気なんだけど、他人には絶対に自分の縄張りに入って欲しくないんだと思うの」
「そうそう!」 「へぇ〜、そうだったの?」
「でも、弟は自分の縄張りに入られるのは平気だから、他人の縄張りにも平気で入っていくでしょ?」
「そこが嫌なのよ!」「入っちゃダメだったの?」
「もう一度よく考えてみて。本当に自分が嫌なことは他人も嫌だと思ってるかな?自分が平気なことは他人も平気なのかな?」
しばらく考えた後、納得したような顔で二人が答えます。
「やっぱり違うね」 「全然違うね」
「そうでしょ?同じ親から産まれて同じ家で育った姉弟でもこんなに違うの。自分とまったく同じ感じ方をする人間なんてどこにもいないんだよ。それでたくさん揉め事が起きちゃうの」
「だからこそ、お互い一緒にいて『嫌だな』と思ったことは、怒るんじゃなくて『自分はこういうことをされると嫌だ』って相手にインプットされるまで伝えていかないといけないんだよ」