子育て情報『2019年夏『自閉症スペクトラムの理解と支援』セミナー開催に寄せて――児童精神科医・内山登紀夫』

2019年4月25日 08:00

2019年夏『自閉症スペクトラムの理解と支援』セミナー開催に寄せて――児童精神科医・内山登紀夫


ASD(自閉症スペクトラム)のある人の理解と支援を広げるために

毎夏、よこはま発達クリニックとよこはま発達相談室は、一般の方向けに、ASD(自閉症スペクトラム)に関するセミナーを行っています。どうして、セミナーを始めこれまで続けてきたのでしょうか?

私たちは1997年に当時としては珍しい発達障害を専門にする「仲町台発達障害診療所」を立ち上げ、2000年に現在のよこはま発達クリニックに改称し、以来20年以上にわたってASD(自閉症スペクトラム)を中心に発達障害の医療と支援を行なってきました。

初代の院長は故佐々木正美先生にお願いしました。私たちはTEACCHプログラムの創始者であるエリック・ショプラー先生、アスペルガー症候群と自閉症スペクトラムの概念を提唱したローナ・ウイング先生を始めとして多くの先生から自閉症について学んできました。

https://www.amazon.co.jp/dp/4054029736
参考:『本当のTEACCH―自分が自分であるために』

私たちがクリニックを受診される方々を支援するときに常に大事にしてきたのは「自閉症でok」、「親子で穏やかな生活を目指す」、「家族と協力して子どもを支援する」、「一人ひとりの特性や興味・関心に合わせた無理のない設定をする」、「環境を整える」ということです。

そのためには、より多くの人たちの理解が必要となります。仲町台発達障害診療所を開設以来、私たちは毎年「夏のセミナー」を行ってきました。そしてセミナーでは、ASD(自閉症スペクトラム)についての基本的な知識や支援の方法を紹介してきたのです。



ASD(自閉症スペクトラム)がある人の生活を支援するには

2019年夏『自閉症スペクトラムの理解と支援』セミナー開催に寄せて――児童精神科医・内山登紀夫の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10567000496

「構造化」という言葉をお聞きになられたことのある方は多いのではないでしょうか?

私たちは、無理に“普通”に近づけようとしたり、周囲にあわせるのではない。環境を整えて、本来持っている能力を発揮しやすくすることを目指してきました。そのためには、自閉症スペクトラムの特性を理解することが大切だと考えました。そして、支援を考える際には「構造化」を大切にしてきました。

クリニックを立ち上げた頃には「構造化」の考えを取り入れる学校や福祉機関は少なかったのですが、徐々に日本でも浸透してきました。

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