子育て情報『言語聴覚士が贈る「保育園・幼稚園のちょっと気になる子」ーー子どもの安心を増やす関わりが、保育者・保護者も幸せにする。中川信子先生著』

言語聴覚士が贈る「保育園・幼稚園のちょっと気になる子」ーー子どもの安心を増やす関わりが、保育者・保護者も幸せにする。中川信子先生著

『気になる子研究会』では、『気になる子』について、『あてはまる障害名を探す』『白黒はっきりさせる』ではなく『気になる』行動の背景に想定される、さまざまな行動特性や障害の特徴などを、私からお伝えしました。そのことで、目の前の子どもたちが単に『気になる子』ではなく『こういうふうに対応したらいい子ども』となっていく。連載を依頼されたときには、そのことを読者にお伝えしたいと考えて書きました。


「気になる子」には、安心できる環境が必要

――現状では、療育は、保育とは別の場所で行われていることが多いと思います。このことについてはどう思われますか。

中川先生:本来、障害児保育と一般保育は同じところを目指すはずだと思います。私は発達障害ということばをあまり使いたくないので、「発達系」と呼んでいるのですが、この発達系かも?という子が増えて、今、療育はパンク気味です。これを転換期ととらえ、今後は、保育園・幼稚園などの生活の場で、療育に近い関わりが行われ、わざわざ別の場所での訓練に通わなくてもすむようになればいいと思います。
保育園、幼稚園での「療育に近い関わり」「ていねいな配慮のある関わり」をこの本では提案したつもりです。

でも、そのためには、集団の人数の問題は避けてはとおれません。どうしても大人数だと配慮は行きとどきにくいし、子どもの側の集中もとぎれがちになるからです。
また、『分からない』と声をあげればちゃんと助けてもらえる環境があって、安心して『分からない』『教えて』と言えることが大事なんですよね。そこで子どもの学びは進むのですから。それはやはり、大人数のクラスでは、かなえられないことだと思っています。

安心できる環境はとても大切です。『アタッチメント』ということばは、日本語では愛着と訳されて、何だか「母の愛」というようなイメージがありますね。
でも本来アタッチメント(attachment)とは、しがみつくという意味。風が強いときに飛ばされないように柱のようなものにしがみつく、そのことがアタッチメント。困ったときや不安なときでも、頼れる人がいれば安心していられます。集団生活の中でも子どもが安心して過ごせるかどうか、園の先生の態度が大きな意味を持つと思います。


感覚の違いを理解できたら、「気になる子」の理解は進むはず

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――本の中には、感覚が敏感な子どもへの理解についての話も登場します。

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