言語聴覚士が贈る「保育園・幼稚園のちょっと気になる子」ーー子どもの安心を増やす関わりが、保育者・保護者も幸せにする。中川信子先生著
として、こんな例もあります。
先生の説明に注目したくても、お部屋の飾りつけやロッカーからはみ出したバッグ、床に散らばっているブロックなどが視野に入って注目を阻害していることもあります。
カーテンはひもで固定してはためかないようにする、室内装飾は少なめに、ロッカーの整理かごは色をそろえるなど、過剰な刺激を避ける工夫をします。(P78)
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絵を見ると、一見落ち着いているように見えた子も、部屋がすっきりすると前よりちゃんと先生の方を見ていることが分かります。すべての子どもは「地続き」で、白黒はっきりわかれているのではない、ということも伝わってきます。
3章「こんなときどうすればいい?」では、さまざまなシーン別に、対処法が紹介されています。「席から離れてしまうとき」「大人から離れられないとき」「外遊びに出たがらないとき」など、保育の日常の中にありそうな、子どもの姿と、具体的にどうしたらいいか、について書かれています。
「登園しぶりがあるとき」では、もしかしたら先生の声かけが元気すぎるのかも、ということから、子どものそばに行って小さな声で「おはよ」と言ってみたり、
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自由遊びは「ほんとうの自由を保障する」時間として、お友だちの輪に入りたがらない子には、無理をさせずに見守ってあげたりといった保育者からのアプローチが提案されています。
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4章「つながりの中で育てる」では、ここまでの3章を受けて、子どもたちの園以外の場にいるときの姿へとつながっていきます。子どもの居場所だけでなく、過去と未来についても考えられています。「子どもたちは成長とともに居る場所が変わる」ということをふまえ、今まで受けてきた支援や配慮、これから入って行く学校生活への見取り図が示されています。ここでは、なんとなく敬遠してしまいがちな、保護者と保育者が、お互いに協力していくための具体的な話し方も示されています。
1秒だって気を抜けない息子のことを「まったく疲れちゃうんです」と愚痴った時、保育園の先生は笑顔でこう言ってくださいました。
「○○ちゃんの頭の中、開けてみてみたいって、私たちはいつも言ってるんですよ。