子育て情報『漫画家・沖田×華 発達障害の自覚がないまま過ごした末にたどり着いた「仕事に人生をかけすぎない」境地とは――【連載】すてきなミドルエイジを目指して』

漫画家・沖田×華 発達障害の自覚がないまま過ごした末にたどり着いた「仕事に人生をかけすぎない」境地とは――【連載】すてきなミドルエイジを目指して

スポーツブラのゴムでかゆくなってしまったり、生理用の小さいショーツそのものや、ナプキンに経血のつく感じがすごく嫌だったり。自分がにおいに敏感だったからかもしれませんが、生理中は周りにバレないかとすごく気にしていました。今は下着や生理用品の選択肢も増えましたが、そこで大変な思いをしている女の子はいると思います。


親のすすめで看護師になるも、人と働くことの複雑さに悩む

――高校では看護のコースに進み、その後専門学校を卒業して看護師として働き始めたとお聞きしました。なぜ看護師になろうと思ったのですか?

沖田:これはもう親の刷り込みですね。家は自営業のラーメン屋、母親は「とにかく手に職をつけろ、看護師がええ」「とりあえず女は免許を取ったら一生食いっぱぐれないし幸せになれる」ということを口癖のように言っていました。わたしは一生一人でいいやと思っていたし、特になりたいものもなかったので、親がやれっていうならやったほうがいいのかなあと受け身で選択しました。結果、大失敗でしたけど(笑)。


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――大失敗ということは、看護師の仕事はうまくいかなかったのでしょうか。

沖田:看護師に限らないと思いますが、まず社会に出たときの人間関係の複雑さには困りましたね。はっきりした役割もないし、「この人はフレンドリーに話しかけてくれるけど内心は違う」とか、「実はこの人たちは敵対しているから、聞いた悪口をそのまま伝えちゃいけない」とか、そういう暗黙のルールが全くわからなくて。わたしが入ってきたことにより、職場の人間関係がめちゃくちゃになってしまうこともありました。聞かれたことに答えていただけなので、どうしてわたしのせいだと言われるのかもわかりませんでしたが、気がついたら自分が嫌われてしまっていたという…。日によって相手のテンションが変わることにも対応できませんでした。昨日同じことをやって「うん」と言っていても、翌日は機嫌次第で「ダメ」となることもある。そうなると、もう何もできなくなってしまいました。


わたしの場合は、最初に教えてもらったことが一生のマニュアルになってしまって、新しいルールが加わってもアップデートできないんです。「タオルを畳む」という作業ひとつとっても、前に勤めていたところで覚えた畳み方を、いくら注意されても繰り返してしまって。自分としては丁寧に畳んでいたつもりでも、職場の人にとっては使い勝手が悪くて迷惑だったみたいです。

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