2021年7月22日 16:15
ASD、ADHD、定型発達…きょうだい児の気になる誤学習問題【児童精神科医 三木先生に聞いてみた!】
この年の子(未就学〜低学年)は、『できる』より『わかる』を大事にした方がいいです。もちろん「なんだかよく分からないけどやる→褒められる→行動が定着」と言った『できる』を優先して成功するルートもあります。でも今のこの場合でしたら大事なのは『枠の提示』ですね。
――『できる』より『わかる』ですか…『わかる』はできていそうなのですが、実際子育てする上で『できる』に目がいきがちです。
三木先生:できることを求めだすと毎日がげんなりして過ごすことになるので、そこは一旦3~5年後くらいに「ごはんって、ちゃんと座って食べるよね」と運用実行できることにゴールを置いた方が現実的じゃないでしょうか。メッセージ(枠の提示)とできるは即イコールにならないことが多いです。今は60~90分など長時間になってないだけ一旦OKとしてあげていいと思います。逆に年中さん年長さんでちゃんとできていると心配だなと。
下のお子さんたちは充分がんばっているんじゃないでしょうかね。
――確かに…生活する上で、きょうだい2人とも『がんばっているな』と感じる場面も多いです。3番目の子(長女 年長)は、特にがんばり屋さんな面もあります。
誤学習の確認方法は?
今回は食事中でのできごとでの悩みについてお話しましたが、「これって誤学習じゃない?」と感じる機会がとても多いわが家…。
誤学習かどうかの確認についても三木先生からアドバイスをいただけました。
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三木先生:誤学習の心配については、下2人が「お兄ちゃんだってぐだぐだしてるじゃん」と心底思っているか聞いてみても良いかもしれないですね。――「お兄ちゃんずるい」「ボクも!」「私も!」と言う機会はよく目にします。
三木先生:それが理念ベースで言っているのかエクスキューズ(言い訳)から言っているのかの違いがわかればいいですね。
うらやましさから言ってるのであれば、「うらやましいのはわかるよ。でも本当はわかってるよね?」でOKです。外でできることは基本的に「できる」とみなしてOKです。
――それでいうとエクスキューズ(言い訳)なのかもしれません。保育園では座って給食を食べているのに、家では違っているので、オンオフを切り換えていそうです…。
三木先生:であれば、状況理解と自覚が整えばできるということですね。家で食事に時間がかかったとしても多少目をつむってあげてもいいと思います。