子育て情報『はじまりは2歳ごろ。ひたすら物を並べるASD息子に苛立ち…そんな私が、息子のつくる世界を好きになった日』

2021年8月23日 06:15

はじまりは2歳ごろ。ひたすら物を並べるASD息子に苛立ち…そんな私が、息子のつくる世界を好きになった日

なぜかこの日は、並べたあとに離れたところから確認し、また戻って微調整をしてまた離れて…そんなことを繰り返していました。あまりにも長いことやっているので、何がそんなに楽しいのかと息子が確認をしていた位置に立ち、視点を低く目線を合わせてみたところ、驚愕の事実が発覚しました。

なんと息子は、アニメのワンシーンを再現し、夕日がフィギュアに当たるように向きを整え、それが夕映に包まれる様子を離れたところから俯瞰していたのです。

自分の中にある情景を納得がいくまで作業をし、見事につくり上げたその様子を目の当たりにし、鳥肌が立ちました。


並べ方に現れる成長

はじまりは2歳ごろ。ひたすら物を並べるASD息子に苛立ち…そんな私が、息子のつくる世界を好きになった日の画像

Upload By かさはらあやこ

それからは、彼のつくり出す世界がとても好きになりました。

散らかった部屋の一部に、きちんと並べられた何かがあったり、錦糸卵を手でちぎって並べたり、お菓子を並べたり。同じ色で並べたんだな、同じ形で揃えたんだな、凄いなぁ、楽しいなぁ。
そんな風に思えるようになりました。

並べ方にも成長が現れます。最初は、同じ色、同じ形を揃えるだけでした。一方向を向いて並んでいたフィギュアは、幼稚園に入園したころには、向かい合わせに並んでいたり、円になったり。なんの規則性もないと思っていたお皿に並べたおままごとの食べ物が、全部オレンジ色の食べ物だったり、自分が食べたことのある物だったり。おままごとのポテトが人のかたちになったときには感動しました。いまは好きな番組の再現で、数字や文字を並べています。

同じ視点に立って、目線を変えてみることで何がしたいのかわかるようになったり、意味がないと思っていたことに意味があったり。
息子のつくる世界を通して見える気持ちの変化や成長にいつでも気づける母でいたいと思います。

執筆/かさはらあやこ

(監修:初川先生より)
いっちゃんの思いや意図をお母さんが理解した、その瞬間からまさにお母さんにとっては世界が広がり、色が鮮やかになったように感じられたのかもしれませんね。子どもには子どもの思いや意図があって、さまざまな言動をしています。大人の世界にはそれを狭く切り取ってしまう言葉(例えば「こだわり」「症状」「自閉症の特徴」など)があり、その枠組みで目の前のお子さんの様子を見てしまうと、その枠に合うことしか見えなくなってしまいます。子どもの目線で子どもの見ている世界を見る。それがどれほど大切なことか改めて伝わるエピソードだと感じました。

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