子育て情報『「福祉のフィルターを通さず社会で通用する人に」名古屋の居酒屋で自立支援――発達障害を描いたCMプロデューサーが聞く【見えない障害と生きる】』

2021年9月30日 14:15

「福祉のフィルターを通さず社会で通用する人に」名古屋の居酒屋で自立支援――発達障害を描いたCMプロデューサーが聞く【見えない障害と生きる】


全品200円!安くて旨い居酒屋、実は…

「福祉のフィルターを通さず社会で通用する人に」名古屋の居酒屋で自立支援――発達障害を描いたCMプロデューサーが聞く【見えない障害と生きる】の画像

Upload By 桑山 知之

名古屋市千種区にある歓楽街・今池。ディープスポットとして知られる町で、今年2月、明山さんは居酒屋「せんべろ元気」をオープンさせた。冷奴や枝豆といった定番メニューから、油淋鶏や唐揚げ、串カツといった本格料理まで、すべて200円という破格で提供している。もちろん、生ビールやハイボールなどの酒類も200円。「安くて旨い」と評判は上々だ。


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それもそのはず。メニューは値段こそ安いが、同級生が経営する製麺所や食品会社、岐阜県海津市の有名串カツ店などから取り寄せた一級品を提供している。「まともにやったら回らない」。今池で生まれ育った明山さんの人脈があってこその価格設定である。

飲み屋街の一角で、ありそうでなかった「昼から飲める」「安くて旨い」店。呑兵衛ならだれもがふらりと入りたくなる。実は、就労継続支援B型の事業所だ。


義理ではダメ「福祉に甘えない」場所に

明山さんには全盲の祖父がいた。
鍼やマッサージの仕事で自立もしていたが、一歩外に一緒に出れば、周りからかわいそうな目で見られることが多かった。子どもながらに社会の偏見に対し、常に違和感を覚えていたことが、障害者福祉の世界に飛び込んだきっかけだった。

2002年に福祉の専門学校を卒業後、愛知県内の社会福祉法人に就職し、4年ほど勤務した。2006年に子どもの放課後等デイサービスを運営する「ぜによ」に入社し、2019年4月からは代表を務めている。「児童デイサービス元気」の名称で3カ所のデイサービスを運営しながら、明山さんが重視している「自立のための教育」の一環として何かできないか模索し続けてきた。

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「障害があろうとなかろうと、ちゃんと同じラインに立ったうえでやらなければいけないんじゃないかなと。福祉だからお店来てくれって、お店をやる以上は違うと思うんです」(明山さん)

社会福祉法人に勤めていた際、作業所の利用者が山で切ってきた木を使って椅子や机を作っても、結局は安いものしか買ってもらえなかった。言わば「情け」でというのがほとんどだった。
「福祉に甘えてはいけない」という思いが沸々と沸き上がった。

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デイの先輩が働く姿が刺激に

居酒屋「せんべろ元気」

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