子育て情報『就職率?高卒資格?障害があるわが子の進路選択で迷うとき――自閉症の息子も親もサポートしてくれた特別支援学校高等部時代を振り返って』

2022年2月3日 06:15

就職率?高卒資格?障害があるわが子の進路選択で迷うとき――自閉症の息子も親もサポートしてくれた特別支援学校高等部時代を振り返って

最後に担任と進路の先生から「お母さま、今日は寒い中、お忙しい中、お越し下さってありがとうございました」と言われました。

(おい、おい、それはこっちのセリフ、先生方、息子のためにいろいろと考えて下さり、本当に感謝しています!)と私は心で叫び、頭を下げました。

このやりとりを普通科高校に障害のある子どもを通わせている知人に話をすると「過保護すぎる学校!」と言われてしまいました。でも、私は(過保護でもありがたい。親の力ではできないことを、学校側が交渉してくれているのだから…)と心の中で思いました。


情報が入らない

地元の公立中学の特別支援学級で同じクラスだったお子さんが普通科高校へ進級しました。道でばったり会ったとき、お母さまが卒業後のことを悩んでいました。

私が“就労移行支援事業所”の説明をすると、「それなあに?」との返答。


「障害がある生徒が少ない学校に在籍していると、保護者にも情報が入らないのだな。就職指導でも障害がある人向けの就労先の案内などはなさそうだ」と感じ、改めて”特別支援教育を受けられる恵まれた環境”に感謝したことを思い出します。


スペシャルスクール

私の知人のお子さんで、特別支援学校高等部を卒業して、企業就労して8年目の人がいます。自分の苦手を知り、できないことについては、周りの人に頼ったり質問したりできます。言われた仕事をきちんとこなせ、注意や指摘されても素直に受け取り働き続けています。

「普通科高校や商業科高校などに行った方が伸びるのではないか」と漠然と考えるのではなく、わが子の特性や障害の程度を見極めて進路を選ぶことが大切だと思います。学校生活の中でコミュニケーションや生活力を高める教育を受け、就労についても手厚い支援を受け、職業訓練や適性を見極めえ指導してもらえる特別支援学校高等部の利点にも目を向けていただけたらと思います。

障害者雇用枠であっても卒業すれば否応なしに、すざまじい競争社会に放りだされるでしょう。
そのとき、母校での安心安全を確保されていた経験がそれを乗り越えるエネルギーになるのではないでしょうか。学生生活最後の3年間を過ごす高等部、無理をさせることなく、わが子が自信を持って楽しく通える場所を探してほしいと思います。

執筆:立石美津子

(監修・鈴木先生より)

息子さんの目標の中にあった「指示を最後までしっかり聞いて作業する」

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