子育て情報『6歳で発語ゼロの自閉症息子。いつか話せるようになる?絵カードを使ったほうがいい?親ができることはーー児童精神科医 三木先生に聞いてみた!』

2022年2月23日 06:15

6歳で発語ゼロの自閉症息子。いつか話せるようになる?絵カードを使ったほうがいい?親ができることはーー児童精神科医 三木先生に聞いてみた!

『理念か行動か』という議論が子育て全般でよくあるんですけど、子どもは小さければ小さいほど『方法から入らざるをえない』んですね。

なんかよく分からないけどこの行動をしたら褒められた→またやろうみたいな。現象からスタートするものなんです。やりとりする経験を積み重ねることで「人とコミュニケーションするのっていいかも!」と思える貯金をしています。

絵カードにしろジェスチャーにしろ、やりとりした結果が自分にとって気持ち良いものでなくてはならないので、ほぺろう君に合ったツールを使いながら欲求を満たしてあげて、やりとりが楽しいという経験を積んであげると良いでしょう。

自閉の窓が開いたときの経験が心地よければ、閉じていた窓が開きやすくなったり窓が大きくなったりしますよ。

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Upload By ぼさ子


鍵は『欲求と信頼関係』

――方法はどれにしろ、「コミュニケーションしたい」という気持ちになる所を目指していくということですね。


三木先生: そうですね。それには、閉じた世界の子どもが「コミュニケーションっていいな」と思える構造をつくっていく必要がありますね。例えば、お腹が空いた・喉が渇いた・かまってほしい…など、ニーズを満たしていくことで、安心してもらいつつ、提供者である我々を信用してもらう。赤ちゃんに対して行うことと近しいかもしれませんね。

―― この人とならコミュニケーション取りたい!という信頼関係ですね。

三木先生:そうそう、カッコ良く言えば『信頼関係』ですね。まぁ子どもには「自分にとって得!」と思ってもらえればいいかな。

――なるほど~、今まで『発語がゴール』みたいに目指してましたが、そうじゃないって思えてきました。


三木先生:コミュニケーションしたくなるのって『ニーズ』とか『伝えたい』もそうですが、『誰かが喜ぶ』というのも大切な動機なんですよね。ただそれは、「自分のアクションに対して発せられた、相手のリアクションを受け止められる」という態勢ができているかもポイントなので、もしかしたらせっかく親が「わー、すごーい!」とやったとしても反応が薄いこともあるかもしれません。

でも、反応が薄くても、「周りが喜んでくれた和やかで穏やかな空気を浴びる」という経験の積み重ねは良いことだと思います。お子さんのアウトプットに対してこちらが反応したとき、期待するほど沁み込んでいないときもあるかもしれませんが、お子さんにどんなインパクトがあったのか観察してみると良いですね。

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