「頑張ってきましたね。きつかったでしょ?」息子4歳に自閉症があると告げられた日、蓋をしていた自分の本音と涙があふれて
太郎に発達障害があると告げられた日

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ある日、医師から「発達障害」とハッキリと伝えられた。
「発達障害…アスペルガー症候群疑い(※診断当時の名称、現在は自閉スペクトラム症)ということになりますね」と、太郎を出生後からずっとみてきてくださってる主治医の先生から柔らかい口調でゆっくりと伝えられた。
そのあとに先生は続けて言った。「まゆんさん、良く頑張ってきましたね。きつかったでしょ?」

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自分自身の子育てに対して、労われるのは初めてだった。周りのお母さんを見ながら苦しくなる自分もいた。
「先生…私…太郎に対して…育て難いとか思っちゃいけないと思ってて…」

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自然と涙があふれてきて…
「でも、やっぱり、きついことが多くって。太郎のことがかわいいと思える余裕もなくなることが増えてきて…。外出もすごく疲れて追いかけ回したり、癇癪起こしたりするんで人の目も気にしたり…」
今まで蓋をしていた私の本音が涙と一緒にポロポロポロポロと…。そうやって話している間もずっと、太郎は私の周りで回転する椅子を回したり、ベッドに上がろうとしたり、つま先歩きを楽しんだりとしていた。

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そして、先生はうんうん、とうなずきながら私の話を聞いていた(太郎の多動にはもう慣れている)。
「今日、こうやってハッキリと診断されて、ああ、今までのきつさは間違いではなかったんだなって…きついって思ったり、誰かに口に出してもいいんだなって、どこかでホッとしている自分がいます」
自分の気持ちを言葉に表しているうちに、自分自身の気持ちに気づいた。
こんな風に思っていたんだと。自分の言葉なのに自分に気づかされた。言葉にするって相手に伝えるだけではなく、自分の心の整理にもつながるんだと…。
「まゆんさん、これから周りの人たちと一緒に太郎くんとの関わり方を考えていきましょうね。太郎くんを変えていくのではなくて、周りの大人たち、関わる人たちがどんな風に関わって行くか、柔軟に動けるのかというところがポイントになっていくんじゃないかなと思います」
太郎を変えるのではなく、周りの人たちの関わり方を…。そうか、そうするためには太郎の現実をまずは見る必要があって、認めなくてはならない。そして私自身も何に困ってるとかきついとか、蓋をせずに表に出すことでやっと周りが問題に気づいてくれるわけで。