2022年6月11日 06:15
吃音がある少女の夢から誕生。「注文に時間がかかるカフェ」が目指す未来
今取り組んでいることは2つあります。
1つ目は、マスクに各々のニーズを書いて表現するということです。
例えば、話の途中で吃音が出ても最後まで話し終えたい方や、周りの人に助け舟を出してほしい方など、求めていることは人それぞれ違います。それぞれがしてほしいことをお客さまに伝えるために、マスクに各々のニーズを記入するようにしています。
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2つ目は、スタッフの意見を取り入れるということです。
スタッフの中には、接客のアルバイトをしているときに固有名詞が言えなくてつらくてやめてしまったという人がいました。固有名詞の中に苦手な音があると話しにくい吃音者は案外多いのです。
それならば接客のセリフは一切マニュアルに入れないようにしよう、ということになりました。
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ーー実際に参加された吃音のある方の変化や感想を教えてください。
奥村安莉沙:カフェが終わったあと、スタッフから一番多く聞く感想は「自信がついた」ということです。今まで叶えられないと思っていた接客の夢が、吃音に理解がある安全な場で実現できた、自分はできるんだと感じたのだと思います。
OBのなかには学校で吃音啓発活動を始めたり、自分より下の世代の吃音者のために交流イベントを開催したり積極的に活動している人もいるようです。
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「注文に時間がかかるカフェ」が1日限定で川崎市にオープン!
ーー7月3日の「注文に時間がかかるカフェ」では、どのような企画をされてますか?
奥村安莉沙:今回は高校1年生のスタッフほか4人の若者たちがスタッフとして参加し、現在はオリジナルドリンクの開発を行っています。
スタッフたちは学生が多いので商品企画・開発の経験は一切ありませんが、「吃音」や「夏」をテーマにしたドリンクの企画を0から行うことに挑戦しています。
若者が挑戦を通して自信をつけてもらいたいと思っているので、大人がお膳立てして完璧を目指すことはしていません。若者たちが試行錯誤して取り組んだ「達成感」を大切にしているからです。私が自分の殻を破ることができたオーストラリアのカフェでの経験のように、見守りながら安心して挑戦できる場づくりに徹したいと思っています。
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また、今回はひょんなことから今回の挑戦の様子を記録した長編ドキュメンタリー映画をスタッフ総出でつくることになりました。