2022年9月20日 06:15
自閉症息子が「くるくる回る」のはどんなとき?「常同行動」から感じた友達との関わりと息子の気持ち
くるくる回る
自閉スペクトラム症のある太郎。
回るときはほぼ無言。ときにはスローモーションで回ったりもする。
寝る前にはくるくる回り、その後はコミック本をひらいて数分で眠りにつく。
それが太郎のここ数年のルーティンだ。くるくると回ってるときの太郎はだいたい穏やかな顔をしている。ときには汗も出るほど回っている。
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あまりにも穏やかな表情で回るものだし、それがもう私たち家族の中では当たり前となっている。
発達検査を受けた際、心理師さんやほかの専門家の方から「常同行動を止めたりすることはありますか?」と聞かれたことがある。この質問があるということは、止めてはいけないってことだなと先を読めた。それは私も分かっていたし、ほぼ止めることは今までもしなかった。
過去に一度、激しく高速で回ってたときは流石に落ち着くように声がけはした。表情も強ばってたし、心の整理がついてないのが丸見えだったからだ。
太郎は大人なしで友達と外で遊ぶことをしなかった。理由は私にもハッキリとは分からないが、外への不安があるのか、家が好きなのか、太郎にしか分からない理由がたくさんあるのだろうと思った。
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くるくるを解釈する
ある日の休日、家のインターホンがなった。
ピンポーン。モニターに写ってたのは太郎の友達だった。
私は太郎に声をかけた。
「太郎、○○君だよ、対応してー」
太郎の顔がこわばった。そして高速でクルクルと回り出した。
「太郎とりあえず、ほら、インターホンに答えよう」
太郎はカチンコチンにかたまりながらインターホン越しに友達の対応をした。
「は、、は、、はいーー!」
「太郎ちゃん、遊ぼーー公園行こーー」
太郎はしばらくかたまった…。
「む……無理!!!」
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友達は少し残念そうな顔をしたが「OK!分かった」
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そう言ってインターホン越しの会話は終わった。
くるくるくるくる。くるくるくるくる。どんどんどんどん加速する。
太郎はリビングをくるくる高速で回った。
いろいろな感情が私には見えた。友達と遊びたい、外へ出るのが不安、遊び方が分からない、突然の誘いで驚いた、友達の誘いを断ってしまった。太郎は口にはしないが私にはそんな風にそのくるくるから勝手に解釈した。