2022年12月5日 06:15
「パラレルアイデンティティー」でいいと気づいて。ASDの私の、見失った「私らしさ」を探す旅
アイデンティティーとは? 私という人間を俯瞰して
アイデンティティーについて辞書で調べると、以下のように定義されています。
1 自己が環境や時間の変化にかかわらず、連続する同一のものであること。主体性。自己同一性。「―の喪失」
2 本人にまちがいないこと。また、身分証明。
引用: デジタル大辞泉 小学館
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC/#jn-1107
アイデンティティーとは、誰かが「私はBやCではなく、間違いなくAという存在である」と言うときのAだということですね。
私のアイデンティティーは長らく混乱していました。
若いころには子ども時代に親や社会から背負わされた役割を自分のアイデンティティーだと誤解。一方、背負わされたものは捨てていいのだと理解したここしばらくは、代わりに何をアイデンティティーとしていいのか分からなかったのです。
自分のアイデンティティーを発見するのに必要だったこと
ここ数回のカウンセラーの先生とのセッションでは、ずっとアイデンティティーがテーマになっていたように思います。
「今後、どう生きていくべきだろうか。私が人生で本当にやりたいことはなんだろうか。それがよく分からない…」
トラウマ治療を専門としている先生は「複雑なトラウマのある人は自分の欲求を感じる部分が混乱していて、つい『べき』で動いてしまうことがある。コツとしては、何かをしているときの自分を想像してみて、身体感覚が楽になるか不快になるかを基準とするといい」と説明してくれました。
しばらくそれをヒントに過ごして自分と向かい合ってみたあと、ある日のセッションで、私は先生に掘り下げてもらいながらこんなことを語りました。
「私は、文章を書くことは得意だし、周囲から要請されるからやってきたけど、実はそれほどやりたいことではないのかもしれない」
「最低限人生でやりたいことは、夫のパートナーとして共に楽しく穏やかにささやかな日々を暮らすこと」
「価値観の合う人たちと人生について深い語り合いをするようなことが大好き」
「私的なアイデンティティーと職業上のアイデンティティーはそれぞれ違うものなのかもしれない」