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発達障害娘の食事の姿勢が悪いのはこだわり!?親の指摘には反論…対策は「体幹強化」と「大人扱い」?ーー児童精神科医 三木先生に聞いてみた!

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娘の食事中の姿勢の悪さが気になる!


自閉スペクトラム症(広汎性発達障害)の診断を受けている小6の娘。食事中、テーブルに近すぎてよくコップを倒してしまうので食事中の姿勢が気になっているのですが、アドバイスをしてもこだわりからか聞いてくれず…。そんな悩みを児童精神科医の三木崇弘先生に聞いてみました!

――SAKURA(以下、――)夫が気になっているということで、食事中の姿勢について質問です。娘は普段特別姿勢が悪いということではないのですが…食事をするときに、ものすごく机に近づいてしまいます。

三木先生:具体的に、どういう感じですか?

――えーっと…椅子、娘、机のそれぞれの距離が、全くないぐらいですね。

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――私は、そこまで気になっていないのですが、夫は、明らかに違和感のある姿勢を、どうにかしたいということでした。

三木先生:その姿勢でなにか生活に支障はありますか?

――机に近すぎるので、手が動かしにくいようで…よく食べ物をこぼしたり、コップを倒してしまったりしてます。

あまりに近すぎるので、「机とお腹を拳一個分離して」と具体的に指示してますが、どうにも落ち着かないようで、結局、元の姿勢にすぐ戻ってしまいます。
本人のこだわりなのか「これじゃ無理!やりにくい!できない!」と言ってます。

でも、その状態だと一つひとつの動きが遅くなります。

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三木先生:例えば、食器を離してみるなどはどうでしょうか?

――やってみましたが、食器を離すと、結局気になるようで、すぐに近づけてしまいます。

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三木先生:ASDの特性的に、お腹に机がくっついている状態、全部が近い状態が、安心するのかもしれませんね。コップを倒したりするのも、たまになら許容範囲と言うことでよい気がしますが…

――あ、結構頻繁です(笑)

三木先生:なるほど(笑)

マナー的な部分を教えていくと良いかもしれませんね。どんな場所とか、どんな相手とか、「そういうときにはちゃんとしようね」と話していくのもいいかもしれません。相手があーさんの姿勢の悪い状態を見たり、頻繁にものをこぼしたり、倒したりしたら、どう思うかとか、自分の姿勢優先じゃなくて、そのシーンによって臨機応変に対応しないといけないことがあるという部分を教えていくとか。

今、小学6年生ということなので、「中学生になったら、大人の仲間入りだから、素敵な姿勢がかっこいいよ」といった声かけで、姿勢も意識させたらいいのかもしれません。


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――あ、たしかに!今、大人と同じ扱いをしてほしいって気持ちがあるみたいなので、いいかも…!

姿勢の悪さは体幹も関係してるかも?


三木先生:あと…姿勢が悪いのは、体幹が弱いのかもしれません。

――体幹!たぶん弱いです…運動も嫌いで、筋力もないので(笑)

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三木先生:体幹が弱いと、姿勢を維持できないので。バランスをとることが重要なスポーツにチャレンジしてもいいかもしれませんね。

乗馬や、サーフィンなどが姿勢にいいと言われていますが、なかなかチャレンジさせるのは難しいので、バランスボールなども家で手軽にできてオススメです。

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運動で体幹を鍛えれば少しずつ姿勢なども変わっていくかもしれません。あとは本人の試行錯誤ですね。原因として怪しいものからトライしていくといいです。

――なるほど!やってみます!

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執筆/SAKURA

コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。
現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。
ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

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