最低気温5度でも半袖登校!感覚過敏と鈍麻のせい?服装調節苦手なASD息子とつくった「あるルール」とは?
きっと鼻水止まるから」と上着と靴下を渡すと、しぶしぶといった調子ではあるものの着てくれました。
Upload By 丸山さとこ
「どうかな。暖かい恰好すると、少し体がホッとしない?」と聞くと、「う~~~ん…」とよく分からない様子のコウでしたが、次第に鼻のグズつきは落ち着いていったため「確かに体が冷えていたのかも」と納得してくれました。
こうして、コウは『自分の感覚』と『実際に体に受けているダメージ』は必ずしもリンクしているとは限らないと(少しだけ)納得してくれました。
『自分としては全く寒いと感じていない気温』も体を冷やして鼻水を出させることがあるのだと気づいたことは、コウにとって大きな経験になったようです。
「これと同じように、『自分としては全く暑くない気温』が熱中症を招くこともあるし、『自分としては全く酸っぱくない果物』が歯にダメージを与えることもあるんだよ」と話すと、いつもより真剣に聞いていました。
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これ以降、コウは
・クラスメートの半数以上が服装を変えたら調整用の衣類をリュックに入れる
・自分と同じ服装が10人になったら衣服を調整する
と大まかなルールを決めました。
雪が降る季節になってからも学ランの下にセーターを着るなどの対応ができるようになり、「寒さを感じるかどうか」以外に「(気温として)寒い日かどうか」も気にするようになりました。
再び暖かくなったころに適宜脱いで調節することができるか様子を見つつ、本人なりの基準で対応しようとしているコウを見守っていきたいです。
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執筆/丸山さとこ
(監修:新美先生より)
感覚の過敏と鈍麻の偏りの問題は本当に難しいですね。感じ方の違いについては原則本人の感じ方を尊重して、不快を避けて、快を増やしていくのがよいと思います。ただし健康面や安全に関わるところは、具体的な介入も必要です。
エピソードで伺ったように、衣服の調節についてはしばしば問題になります。寒暖を感じる感覚に鈍麻があると、周囲から見ると寒暖に合わない服装をしていたり、エピソードのように実際に暑すぎたり寒すぎたりして、熱中症になる、風邪をひくといった実害が起きることもあります。
また大人から言われれば脱ぎ着できても自分で服装を調節するのはなかなか難しいかもしれません。自分の感じ方を否定されるように一方的に服装のことを指摘されてしまうと、「別に暑くないし(寒くないし)