親ばかりが焦る!自閉症息子の高校受験
発達障害の専門家が出会った子どもや大人、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。
今回は、自閉スペクトラム症(ASD)のある中学3年生と、その保護者のエピソードです。なかなか、わが子の志望校が決まらないとき、保護者にできることは…。

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マンガ/NEGI
解説:保護者が選択肢を持ち、子ども自身に決めさせることが大切
今回は、自閉スペクトラム症(ASD)の中学3年生の「進路」を心配する保護者のエピソードをもとにマンガ化してお届けしました。
「志望校が決まらない」という悩みは、高校受験においてよく聞かれます。保護者のみなさんは、次のポイントを押さえて、中学校の先生にも相談してみてください。
1.選択肢を知る
普通科高校(公立・私立)、専門学校(実業高校)、単位制高校、定時制高校、通信制高校、チャレンジスクール(4年制)、高等専修学校など、中学校に比べて多くの選択肢があり、教育システムもさまざまです。保護者が理解し、子どもと話し合えるようにしましょう。
2.子ども自身に決めさせる
複数の選択肢を与えるのは良いですが、最終的な決定は子どもに任せることが大切です。高校入学後にうまくいかないことがあると、「親が決めたからだ!」「本当は行きたくなかったのに!」と親に対して反発するケースもあります。また、子どもの希望した進路を否定してしまうと、「信用されていない」とショックを受けてしまう子どももいます。
3.子どもと通う・学ぶイメージを持つ
通学ルートをチェックする、オープンスクールで先生に話を聞いたり在校生や授業の様子を見たりすることで、実際に通うイメージを持つことができれば、ミスマッチを防ぎやすくなります。
4.入学前後の合理的配慮の必要性について担任の先生と相談をする
入試のときの面接や、みんなと同じ教室で試験を受けられないということが心配であれば、合理的配慮について中学校の担任の先生と相談しておきましょう。
また、入学後の困難(口頭で言われただけでは課題の締め切りを守れない、感覚過敏があるなど)が想定される場合、高校生活を送る上での合理的配慮が必要かどうかについても話し合っていきましょう。