2023年8月28日 06:15
感覚統合って何?運動が苦手、不器用、感覚過敏な自閉症息子には必要?子どもの「遊び」にヒントあり?/作業療法士に聞く
この場合一つの方法として、狭いトンネルをくぐる遊びをすると、頭が当たらないように気をつけることにより、トンネルの大きさと自分の身体の大きさの関係をつかむというアプローチになります。
一つひとつの困りに適した対応にはいろいろな進め方がありますが、感覚統合療法は一つの候補になるかもしれません。
そういう捉え方ができるといいかなと思います。
いろいろな角度からアプローチ
ーー「感覚統合」というワードにとらわれすぎず、一つひとつの困りごとに、いろいろな角度からアプローチしていくのがいいということですか?
うちの息子は身体を動かすのが苦手で、縄跳びを上手に飛ぶことができません。これに対して、どのようなアプローチ方法があるのでしょうか?
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野田先生:「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」というのがあります。トップダウンアプローチでは、「縄を素早く回す」というように具体的なスキルに焦点を当てて練習をします。
ボトムアップアプローチは、筋力をつける、身体の感覚をつかむ能力を育てるなど、特定の運動ではなくさまざまな動きや訓練を通して運動に関わる機能を育むものです。
感覚統合療法は、遊びの中でいろいろな身体の使い方を学んでいくものなので「ボトムアップアプローチ」にあたります。
年齢やスキルの習熟度にもよりますが、「縄跳びができるようになる」ためには、どちらのアプローチも大事です。
ーー学生時代、私はバスケットボール部だったのですが、部活でやっていた「シュート練習」と「筋トレ」どちらも大事みたいな感じですか?
野田先生:そうです!そのような「スキル獲得の練習」と「筋トレ」の違いだと思ってください。ボトムアップ・トップダウンのどちらのアプローチが適切かは、お子さまの状態や年齢によって異なります。専門的な分析が必要な場合は、作業療法士などの専門家にたずねてみてくださいね。
~対談を終えて~
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野田先生からのお話しで「感覚統合しなきゃ!」と、抱えていた不安がとても和らぎました。「大人にとっての筋トレ」=「子どもがたくさんの種類の遊びをすること」なのかな?と思いました。「感覚統合」という言葉にとらわれず、たくさん遊ぼうと思います!
公園の端にある石の上をバランスを取って遊び歩くのも、新聞紙を丸めてチャンバラして遊ぶのも、風船が床に落ちないように上に叩きあげて遊ぶのも……、子どもが行う小さい遊びの一つひとつが、身体や感覚をつくり上げていくんだなぁと。