2023年10月9日 12:15
「孫に謝りたい」80歳実母から涙の電話…15年で変化した発達障害への理解
実家の母から、いきなり夜更けに電話が……!
先日のことです。夜も遅くなってから実家の母からWeb電話がかかってきました。今年の母の日に私がタブレット端末をプレゼントしてから、たまにWeb電話がかかってくるようになっていました。とはいえ、かかってくるのはいつも昼間でしたので「何かあったのか?」と緊張しました。
電話に出てみると母が涙目で「今いい?」と言います。
深夜の電話、その訳は?
「タケちゃんに謝りたい。私はひどいことをしてしまった」と母。なんのことやら分かりません。
母とは離れて暮らしているし、ここ数年はコロナ流行の影響もあり、子どもたちとはほとんど接点もないはず。謝ってもらうようなことがあったかな……?
しかし、よくよく聞いてみると、驚きの事実が分かりました。
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ずっと情報から遠ざかっていた母
「実は、新聞を取るのをやめたのよ。ほんとは随分前からほとんど読んでなかった」
母が言うには、新聞や本は細かい字が目につらくてほとんど読んでいなかったとのこと。私の本も全然読んでないのだそう。
「随分前ってどれぐらい前?」と聞いたら、「還暦過ぎたあたりから」と!
え?20年近くも読まない新聞を取っていたの!?思わず声に出すと「老眼になったから新聞はいらないと新聞屋さんに言えなかった。アンタには分からんやろうねえ……」と、母は言いました。
「ばあば」を変えた母の日のプレゼント
「でも、母の日にタブレット端末をもらったから、インターネットでニュースが読めるようになった。
新聞屋さんにもタブレットで読むから要りませんは言える」。母が新聞をやめたきっかけはタブレット端末を手に入れた事だったのです。
「タブレットだとピンチアウトでいくらでも拡大できるので、これまで読んでなかったような記事も読むようになった」と、母。
そのうち発達障害についての記事も目に入るようになり「発達障害ってこういうことだったんだ!」と、初めて知ったのだと。そして孫たちが小さかった頃のことを、夜になるといろいろと思い出すようになったのだそうです。
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「今思えばタケルは本当にふざけてなかったし、体が思ったように動いていなかったのだ。その時は腹立たしく、そのまま放ってしまったが、何か良くないことをしたという思いが私の中にも残っていたのだろう……。